ヨガの経験者も初心者も、太陽礼拝は、ヨガの中で最も基本的でありながら、奥が深いシークエンス(連続するアーサナ)と言われています。太陽礼拝のシークエンスの中には、様々なアーサナに通じる基本の動きと呼吸が含まれるから。今回は太陽礼拝Aのシークエンスと12個のアーサナ(ポーズ)を詳しく解説します。
太陽礼拝(英語名・ローマ字表記:サンサルテーション(Sun Salutation) 、サンスクリット語名:スーリヤ・ナマスカーラ(Surya Namaskar))の流れ(シークエンス)に組まれているアーサナ(ポーズ)ひとつひとつのポイントをお伝えします。
ヨガの流派によって、様々な太陽礼拝がありますが、TULAではヨガスタジオなどで一般的に行われている太陽礼拝を、AとBに分けてご紹介します。今回はまずはAから。
また、太陽礼拝の歴史や意味などは下記の記事で詳細を取り上げていますので気になる方は事前に参考にしてください。
太陽礼拝Aのシークエンスとアーサナのポイント
以下、太陽礼拝Aのシークエンスを追って、12個のアーサナ(ポーズ)のポイントをまとめています。アシュタンガヨガなど流派によって異なりますが、まずは基本となるシークエンスをまとめています。
1.サンスクリット語名:タダーサナ、ターダーサナ(Tadasana)
- 英語名・ローマ字表記:マウンテンポーズ(Mountain Pose)
- 日本語名: 山のポーズ
- 山のポーズ(ターダーサナ)のポーズ解説はこちら
頭上から一本の糸で引っ張られているようなイメージでまっすぐ背筋を伸ばして立ちます。
肩の力を抜いて骨盤をまっすぐ正面に向けます。
お腹は内側にぐっと引き寄せて、お尻が突き出ないように尾骨は大地の方へ向ける意識です。
目線は優しく前方を見ましょう。
優しく呼吸をしながら胸の前で合掌。(アンジャリ・ムドラー[Salutation Seal、合掌のムドラー])
ここで、今の体の状態、心の状態を観察してみます。
2.サンスクリット語名:ウールドヴァ・ハスタ・アーサナ、ウルドヴァハスタアーサナ、ウールドゥヴァハスターサナ(Urdhva Hasta Asana)
- 英語名・ローマ字表記:アップワード・サルート(Upward Salute)
- 日本語名: 手を上にあげるポーズ、上向きの礼拝
- 手を上に上げるポーズ(ウールドゥヴァハスターサナ)の解説
息を吸いながら両手を空に上げます。
この時、肩に力が入りやすいので、耳と肩の距離を長くして肩の力を抜きまます。
3.サンスクリット語名:ウッターナーサナ(Uttanasana)
- 英語名・ローマ字表記: ディープ・フォワード・フォールド(Deep Forward Fold
- 日本語名:深い前屈のポーズ
- 深い前屈のポーズ(ウッターナーサナ)の解説
息を吐きながら前屈し、手の平を床に着き、指先は足先と同じラインに揃えます。
胸と腿をぴったりとくっつけます。
膝は曲がっても構わないので、坐骨は空に向くように意識しましょう。
肩の力は抜いて首はだらんと下ろし、目線は後方へ向けます。
4.サンスクリット語名:アルダ・ウッターナーサナ(Arda Uttanasana)
- 英語名・ローマ字表記:スタンディング・ハーフ・フォワード・ベンド(Standing Half Forward Bend)
- 日本語名: 半分の立位前屈
- 半分の立位前屈(アルダ ウッターナーサナ)の解説
息を吸って指先を立て、今度は膝を伸ばして上体を半分上げ、目線はやや前方に。首の後ろが詰まらないように、優しく前をみましょう。
5.サンスクリット語名:クンバカアーサナ(Kumbhakasana)
- 英語名・ローマ字表記:プランクポーズ(Plank Pose)
- 日本語名:板のポーズ
- 板のポーズ(クンバカーサナ)の解説
息を吐きながら手の平を床に着き、吸いながら足を後方へ伸ばします。
首、肩の力を抜くように、肩甲骨を下げ、耳と肩の距離を引き離します。
お腹をぐっと引き寄せ、目線は大地の方へ向けましょう。
足先から頭の先まで、一枚の板になっているようなイメージで一直線を意識します。
6.サンスクリット語名:チャトゥランガダンダーサナ(Chaturanga Dandasana)
- 英語名・ローマ字表記: フォー・リムドゥ・スタッフ・ポーズ(Four-Limbed Staff Pose)
- 日本語名:四肢で支える杖のポーズ
- 四肢で支える杖のポーズ(チャトゥランガダンダーサナ)の解説
体一直線のまま息を吐きながら肘を曲げ、お腹は引き締めたまま目線は大地の方へ向けます。
この時、腕はなるべく直角になるよう、肘の真下に手首がくるように意識します。
7.サンスクリット語名:ウルドワ・ムカ・シュバナアーサナ、ウルドヴァ・ムカ・シュヴァナーサナ、ウールドゥヴァムカシュヴァーナーサナ(Urdha Mukha Svanasana)
- 英語名・ローマ字表記:アップワード・フェイシング・ドッグ・ポーズ(Upward Facing Dog Pose)
- 日本語名: 上向きの犬のポーズ
- 上向きの犬のポーズ(ウールドゥヴァムカシュヴァーナーサナ)の解説
息を吸いながら上体を前方へスライドさせ、足の甲を床につけて肘を伸ばし目線は斜め上へ。
この時、恥骨、腿、骨盤は大地から浮かせます。
首、肩の力を抜くように、耳と肩の距離は遠ざけます。
8.サンスクリット語名:アド・ムカ・シュバナアーサナ、アドームカシュヴァーナーサナ(Ado Mukha Svanasana)
- 英語名・ローマ字表記:ダウンワード・フェイシング・ドッグ・ポーズ、ダウンドッグ、ドッグポーズ(Downward Facing Dog Pose、Down dog、Dog Pose)
- 日本語名: 下を向いた犬のポーズ、下向きの顔の犬のポーズ
- 下を向いた犬のポーズ(アドームカシュヴァーナーサナ)の解説
つま先を立てて、息を吐きながらゆっくりとお尻を空高く突き出します。
上半身で体を支えるよりも、後ろに重心がかかる意識です。
上半身と下半身で大地を引き裂くようなイメージ。背中は反らないようにお腹に力を入れます。
また、ここでも、首と肩の距離は遠ざけるようにして、首、肩周りの力を抜きます。
慣れてきたら、ここで呼吸をもう何度か、繰り返してみましょう。
9.サンスクリット語名:アルダ・ウッターナーサナ(Arda Uttanasana)
- 英語名・ローマ字表記:スタンディング・ハーフ・フォワード・ベンド(Standing Half Forward Bend)
- 日本語名:半分の立位前屈
- 半分の立位前屈(アルダ ウッターナーサナ)の解説
目線を手と手の間に向け、そこをめがけて足を片方ずつ戻し、息を吸って膝を伸ばして上半身を軽く上げ、指先は大地につけたまま、目線はやや前方へ。
10.サンスクリット語名:ウッターナーサナ(Uttanasana)
- 英語名・ローマ字表記:ディープ・フォワード・フォールド(Deep Forward Fold)
- 日本語名:深い前屈のポーズ
- 深い前屈のポーズ(ウッターナーサナ)の解説
息を吐きながら手の平を大地につけ、胸と腿をつけて深い前屈です。ここでは膝が曲がっても構いませんので、坐骨は空に向くように意識します。
11.サンスクリット語名:ウールドヴァ・ハスタ・アーサナ、ウルドヴァハスタアーサナ、アドームカシュヴァーナーサナ(Urdhva Hasta Asana)
- 英語名・ローマ字表記:アップワード・サルート(Upward Salute)
- 日本語名:手を上に上げるポーズ、上向きの礼拝
- 手を上に上げるポーズ(ウールドゥヴァハスターサナ)の解説
息を吸いながら上体を起こし、両手を空に上げます。
12.サンスクリット語名:タダーサナ、ターダーサナ(Tadasana)
- 英語名・ローマ字表記:マウンテンポーズ(Mountain Pose)
- 日本語名:山のポーズ
- 山のポーズ(ターダーサナ)のポーズ解説はこちら
息を吐きながら両手を胸の前で合掌(アンジャリ・ムドラー[Salutation Seal、合掌のムドラー])をします。ここで、今の体の上体、心の上体をもう一度観察してみます。
先ほどのこのポーズの時と、どのような変化を感じられましたか?しばらく目を瞑って味わってみるのもいいかもしれません。
呼吸が整ったら、一度大きく息を吸って。
吐きながら、合掌を解いて両手を体側に戻します。
同じシークエンスを繰り返すからこそ日々の心や体の変化に敏感になれる
太陽礼拝Aは、全部で12のアーサナからなっていますが、同じアーサナを除けば8つのアーサナさえ覚えれば習得できます。
はじめは覚えることに精一杯かもしれませんが、何度も繰り返すうちに体に馴染んでくるので、日々の心や体の変化を観察してみると、同じシークエンスでも毎回違った感覚が得られたり、同じシークエンスだからこそ落ち着いて集中できる自分がいたりと、その変化を受け入れることが心地良くなってくるかもしれません。
忙しい毎日だからこそ、ほんの数分、毎朝太陽礼拝からスタートしてみると、いつもの慌ただしさも、少しは落ち着いて対応できるかもしれませんね。
太陽礼拝を深く学ぶ記事
太陽礼拝の基礎
以下の記事にて太陽礼拝を取り上げています。太陽礼拝の意味や効果から太陽礼拝のシークエンスの詳細まで。これを読めば太陽礼拝の全てがわかります。
太陽礼拝のアーサナを個別に解説
太陽礼拝に登場する各ポーズ一つ一つを詳しく解説しています。ポイントからありがちなミスアライメントまで、太陽礼拝を上達したいなら必ずチェック。ヨガ初心者の方はもちろん、ヨガインストラクターレベルの方にも役立つ内容です。