多忙を極めた元大企業OLが取り入れた朝のアーユルヴェーダ習慣。すると一日が清々しい朝から始まり、心も体も満たされ自然とセルフラブ(自己肯定感)が芽生えたそう。ズボラなあなたでも必ず取り組める朝のアーユヴェーダ習慣をご紹介します。
元大企業OLとして仕事最優先のライフスタイルを送っていた筆者が、アーユルヴェーダを実践しどんな変化があったのか綴っています。
朝のアーユルヴェーダ習慣を取り入れたら、一日が清々しい朝となり、心も体も満たされ自然とセルフラブ(自己肯定感)が芽生えたそう。それはどんな習慣だったのか?
こんにちは、Yu Connectのヨガスタジオ部門であるYu StudioのCo-Founder / Operational Directorの尾花理恵子です。普段はヨガインストラクターとしてヨガをお伝えしたり、皆さまのライフスタイルや身体の不調などをお聞きして適切なクラスや先生をナビゲートするなどスタジオの案内役も務めさせていただいています。
世界最古の伝統医学とも呼ばれるアーユルヴェーダには、より健康で前向きな人生を送るために日常生活に取り入れやすい家庭の養生法がたくさんあります。
前回はアーユルヴェーダとの出会いについてお伝えしましたが、今回は朝の過ごし方、所謂モーニングルーティーンについてご紹介していきます。
全てを真似しなくても大丈夫。ご自身が取り入れやすいものから少しずつ取り入れていくのがおすすめです。
憧れでチャレンジした朝活も三日坊主に終わるOL時代。
昔から朝がとっても苦手な私。思い返せば子供の頃からお布団の中でぬくぬく過ごすのが好きでした。
目覚まし時計だけでは起きず、昼寝もたくさんしていたので身長が170cm近く伸びてしまったのは、睡眠のせいなのではないかと思っています。
大人になった現在、相変わらず睡眠に対する執着は強く、出かける時間のギリギリまでアラームを何度もかけてしまいます。
でも周りを見渡した時に仕事ができる、いわゆる生産性の高い方は朝に活動している方が多いことに薄々気がついていました。
朝早くに起きて瞑想をしたり、ヨガをしたり、学びを深めたりと「朝活」をしている方たちから感じるポジティブでやる気に満ちた雰囲気に憧れを抱くように。毎日残業や出張が当たり前で寝る時間が不規則だった当時、何度かチャレンジしてみましたが、3日以上朝活が続くことはありませんでした。
アーユルヴェーダで重視される早朝の浄化時間
健康で前向きな人生を歩むための生命科学、アーユルヴェーダでも早起きや朝の活動についても詳しく言及されています。まず、起床は日の出の96分前〜日の出までの時間帯が良いとされています。
この記事を書いている2月は、6:37が日の出時間なので5:01〜6:37の間ですね。夏になるとより早くなります。
ディナチャリヤと呼ばれるアーユルヴェーダの1日の過ごし方の中でも深夜2:00〜6:00の時間帯は移動性の高い時間帯(Vataのエネルギーが強い時間帯)とされています。そのため6時〜10時のKapha(結合や重たい性質をもつエネルギー)が増す時間帯と比べ、軽やかに、すっと起きやすいと言われています。
無事に起きられたら、朝の浄化タイムを始めていきます。寝ている間に溜まっているアーマと呼ばれる未消化物を取り除き、綺麗にしてから1日をスタートさせます。
この時間を充実させることで1日の過ごし方が決まってくるように感じているので、ぜひ習慣化して清々しい朝の始まりを迎えていただきたいです。
アーユルヴェーダの考え方をお伝えしながら、それに合わせたヨガでのケア方法を学びます。ご自身の持つ性質を理解し、心身ともに心地よく過ごす知恵を学びましょう。
もっと詳しく病気の原因となるアーマとは
アーユルヴェーダでは食べたものがうまく消化できずに体内に蓄積されたものをアーマ(未消化物、毒素)と呼びます。
これがスロータスと呼ばれるエネルギーの通り道(管)に蓄積されることによって詰まりが生じ、その詰まりを排出しようと下痢や嘔吐、皮膚疾患、発熱などの症状として現れます。
過剰なコレステロールが血管を詰まらせていく心筋梗塞や脳梗塞などがイメージしやすいかと思います。
さらに体だけでなくメンタルにおけるアーマもあります。ストレスも積み重なっていくと、だんだん不安や悲しみの気持ちに支配されてしまい、幸せで満ち足りた状態から遠ざかってしまいます。
デトックスの学問とも言われるようにアーユルヴェーダでは体にも心にも入ってくるさまざまな影響を与えるものを消化し、すっきりと排出していくための方法がたくさん示されています。
そんなアーマは寝ている間に皮膚や口の中に出てくると言われており、朝起きたタイミングでお掃除をすると良いと言われています。とっつきやすい物からなかなかハードルの高いものまで色々と浄化方法がありますが、その中でご自身が気軽にできるものを選んで初め見るのがいいのではないかなと思います。
ここからは、私が習慣化できたものをピックアップしてご紹介します。
ズボラな私が選ぶ3つのアーユルヴェーダ的浄化習慣
アーユルヴェーダ朝習慣1. まずはお手洗いに
みなさんは朝起きてから1番に何をしますか?
まずはスマートフォンで通知のチェックをされる方、ストレッチをする方など過ごし方はさまざまかと思いますが、私はお手洗いに直行します!自分の体から出てくる排泄物を観察することが1日のスタートです。
観察するポイントは尿や便の色や匂い、形です。最初はピンとこないかもしれませんが、毎日見ていると比較ができます。日によって違う排泄物を見ながら前日どんなふうに過ごしたか、振り返ります。
また朝起き抜けに毎日排便できない日もあると思います。朝食の前に自然な排便があることが快便とされますが、そうでない人の方が多いのではないかと思います。ここは体質改善をしながらの努力目標で頑張っていきましょう!
これまで腸活やコンディショニングで学んできたことも含めたチェックリストを参考にしてみてください。
こちらの表を参考にチェックしてみてください。
どのチェック項目も左側の方が体調が良く、右側の方がデトックスがうまくいっていない状態です。右側に近いと感じる場合はこの後にご紹介する口腔内のお掃除の後、常温のお水をコップ1杯飲んでまずは水分補給を行いましょう。
アーユルヴェーダ朝習慣2. お口の中のお掃除
お手洗いが済んだら今度は洗面所へ。次に口腔内に溜まったアーマを取り除き、さらにデトックスしていきましょう。
まずは舌の観察から始めます。なかなかご自身の舌をじっくりと観察することはないかもしれませんが、舌の表面についている白いものは舌ごけと言われるものです。
舌ごけには舌の表面の細胞や白血球の垢、食べカスなどで構成されています。2015年に発表された岡山大学歯学部での研究では、この舌ごけの中に発がん物質であるアルデヒドが発生していることが確認され、そして舌ごけを取り除くことでがんの予防につながるかもしれないと展望が示されました。※1
実際に舌ごけの観察を始めてから2年以上経ちますが、如実に体調を示してくれるのでとても大切な指標の一つにしています。
こちらもチェックリストを参考に、理科実験のような好奇心と共に観察してみてください。
舌ごけの観察が終わったら優しく取り除きます。アーユルヴェーダではタングスクレーパーと呼ばれる金属製の器具を使います。ネットショップやバラエティショップでも販売されています。
ブラシタイプのものですと舌の表面(味蕾)を傷つけてしまう可能性があるので、おすすめはしません。代用品として金属製のスプーンを使うことも可能です。
舌ごけが多いとムキになって全て取り除きたいところですが、2〜3往復優しく滑らせればOKです。
舌ごけを落とすとお口の中から爽やかになり、味覚が研ぎ澄まされ、より美味しく食べられたり、口臭や口腔の病気予防にも繋がりますので積極的に取り入れておきたい習慣です。
アーユルヴェーダ朝習慣3. 排泄と消化を促すお白湯(さゆ)習慣
3つ目にご紹介するのは白湯飲みです。
綺麗な女優さんやモデルさんたちが取り入れているのでご存じの方も多いかもしれません。お白湯はドーシャ(Vata/Pitta/Kapha)のバランスを整え、スロータス(管)に詰まったアーマ(未消化物、毒素)を洗い流し、さらに消化の火(アグニ)を灯す役割を果たします。
もしかしたら沸騰後も弱火で沸かし続けることに疑問を持つかもしれませんが、これはお水(Kapha)を火(Pitta)で熱し、気泡(Vata)がお水と混ざり合っていく様子から3つのドーシャのバランスが整っていくと考えます。
朝は1分たりとも無駄にできない方もいらっしゃると思いますが、スマートフォンやテレビから少し離れてゆっくりとお白湯をいただくと気持ちが落ち着き、エネルギーを充電するような時間になります。
味が苦手という方はショウガのスライスやレモンをお好みで入れるのもおすすめです。また白湯飲みの後に排泄の時間を取る方が調子の良い方もいますので、ご自身の心地よい順番で行ってみてください。
1日の過ごし方を考えることが自己肯定感の第一歩
アーユルヴェーダの朝の過ごし方はいかがでしたか?
この他にもオイルを使ったうがいやマッサージ、ヨガなどありますが、まずは忙しい朝でも実践できるものに絞りました。1つでもできそうだな、と思えるものがあったら嬉しく思います。
これらの浄化の習慣は単に体の中を綺麗にするだけではなく、観察を通じて今日1日をどう過ごしていくかを考える時間として捉えています。
例えば便通が悪く、舌ごけがたっぷりついている日には大食いしないように気をつけたり適度な運動を心がけます。
また気持ちがせかせかしてこれらの習慣を端折りたい気持ちの時には、いつもより休憩時間を多めに取り、瞑想や深呼吸を取り入れます。大切なことは今の自分の心と体の状態を見つめ、心地の良い状態を作ってあげることです。
セルフラブという言葉も最近トレンドですが、自分のことに目を向けてみると、いかに外にばかり意識が向いていたのか気付かされました。日頃忙しくしていると、どうしても疎かにしがちなご自身のこと、ぜひ少しだけ早起きをして労わりの時間を作ってあげてください。
毎日できなくても問題ありません。前向きで楽しい1日が送れるように少しずつ取り入れてみましょう!
参考文献
新版インドの生命科学アーユルヴェーダ, 上馬塲和夫 西川眞知子, 農山漁村文化協会.2017
アーユルヴェーダの知恵, 高橋和巳, 講談社現代新書.1995
アーユルヴェーダの考え方をお伝えしながら、それに合わせたヨガでのケア方法を学びます。ご自身の持つ性質を理解し、心身ともに心地よく過ごす知恵を学びましょう。
もっと詳しく元大企業OLとして仕事最優先のライフスタイルを送っていた筆者が、アーユルヴェーダを実践しどんな変化があったのか綴っています。
朝のアーユルヴェーダ習慣を取り入れたら、一日が清々しい朝となり、心も体も満たされ自然とセルフラブ(自己肯定感)が芽生えたそう。それはどんな習慣だったのか?