ウッターナーサナに「アルダ」がついた「アルダ ウッタナーサナ」。サンスクリット語のアルダの意味を読み解くことで、このアーサナの真意がわかります。ポイントは「背骨を伸ばす」こと。起こりやすいミスアライメントを確認し修正していきましょう。
「アルダ ウッタナーサナ」は、太陽礼拝3つ目のアーサナ「ウッターナーサナ」のアーサナ名に、「アルダ」が付いています。サンスクリット語の「アルダ」とは、“half、半分”という意味です。
つまり、「ウッターナーサナ」から、上体を半分起こしたポーズということ。そのため、「アルダ ウッタナーサナ」に起こりやすいミスアライメントは、「ウッターナーサナ」と同じポイントがいくつか含まれています。
今回もいつもの通り、チャック先生のお手本から見ていきましょう。
アルダ ウッタナーサナで起こりやすい8つのミスアライメント
ポピュラーなアルダ ウッタナーサナですが、側から見ても真似しやすいアーサナと思うかもしれません。しかし、簡単そうに見えるアーサナゆえ、起こりやすいミスアライメントも多いのです。
- 足の指が曲がっている
- 坐骨が後ろに下がる
- 坐骨が落ちている
- 股関節から完全な屈曲ができていない
- 背骨が丸くなる
- 肩甲骨が離れている
- 肩がすくんでいる
- 首の後ろが縮んでいる
今回は、特に重要な5、7、8のポイントに注目してみます。
5. 背中が丸くなる
先ほど説明した通りアルダ ウッタナーサナは、ウッターナーサナから半分上体を起こしたポーズ。そのため、下半身は、股関節から屈曲します。股関節から屈曲すると尾骨が上に上がります。
前屈の際によく起こるミスアライメントとして、股関節からではなく、腰椎からの屈曲をしてしまう方がいらっしゃいますが、腰椎から屈曲している状態は、つまり背骨が丸くなってしまっている状態。ということは、「5.背骨が丸くなる」というミスアライメントのポイントは、言い換えれば、股関節からの屈曲を維持するということでもあるのです。
そもそもこのアーサナ名の、“ウトゥ”は、「入念」や「強さ」を表す接頭辞であり、“ターナ”は、「伸ばす」、「広げる」という意味の動詞であるため、このアーサナは、「背骨が入念に強く伸ばされるアーサナ」という意味合いがあります。このことからもわかるように、背骨が伸びていないと「アルダ ウッタナーサナ」とは言い難いのです。
7. 肩がすくんでいる
5.のポイントでわかるように、「アルダ ウッタナーサナ」は、「背骨が入念に強く伸ばされるアーサナ」ですので、このアーサナをとる際は、イメージとして、背骨から肋骨、肩から首、頭頂までの1つ1つの骨の間隔が開いていくようなイメージで上半身を伸ばします。
背骨がしっかりと伸びているのに、肩にきた途端に縮まってしまわないようにしましょう。
8. 首の後ろが縮んでいる
ヨガの全てのアーサナは、ターダアーサナの姿勢が基本ということはターダーサナのところで説明しましたね。「アルダ ウッタナーサナ」も、ターダーサナの姿勢のまま上半身を半分屈曲させているのです。
と同時に、「アルダウッターナアーサナ」は、「ウッターナーサナ」から上半身を半分起こしたアーサナでもあります。
上半身を起こすというインストラクションの際に、ヨガインストラクターの中にはよく「目線を上に」と伝える場合があるのですが、目線を上に上げてしまうと、「ターダーサナ」の姿勢で保たれているはずの、ニュートラルな位置に首が来ず、首の後ろが縮んでしまいます。首の後ろが縮むと、呼吸が入り辛くなります。
7.のポイントと同様に、首の骨、頸椎も、1つ1つの骨の間隔が開いていくようなイメージで伸ばし、その先の自然な位置に目線が来るようにしましょう。
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