完全食品とも言われるキヌア。確かに豊富な栄養価は驚くほど。ビタミンB類、E、葉酸、ビタミン類、鉄分など美容のための究極の栄養価とも言えるかもしれません。今回はキヌアの栄養価をもとに女性にとって嬉しい効果と、キヌアの食べ方についてまとめています。
キヌアは国連やNASAまでもが期待するスーパーフード
キヌアも最近ではよく見かけるスーパーフードとなりました。
比較的厳しい環境でも栽培しやすい特性とその豊富な栄養価も相まって、FAO国際連合食糧農業機関は2013年を国際キヌア年と発表。国際的な食糧危機の解決に寄与するものとして、キヌアを推奨しています。
もともと90年代にNASA アメリカ航空宇宙局が、キヌアの高い栄養価と栽培効率、宇宙空間での扱いやすさから宇宙での長期滞在に適した食糧として発表。「21世紀の地球上の生物の主要食」と位置付けたことから世界的にも注目されました。
世界に広がるキヌアと国産キヌア
キヌアはよくつぶつぶ状の見た目から穀物にみられますが、厳密に言うと違います。ほうれん草の仲間であり、ソバやアマランサスと同類と位置付けられます。しかし、原産地であるアンデス山脈ではインカ帝国の時代から栽培されており、古代より「母なる穀物」とも呼ばれ親しまれてきました。
現在でも、南米のアンデス山脈の地域で栽培されていることはもちろん、FAOの後押しもあり世界中で栽培が広がっているスーパーフードです。また日本でも北海道、東北、関東南部、山梨などで栽培が始まっており、国内産のキヌアも登場しています。私たちが感じるより身近な食材として広がっているのです。
アミノ酸のバランスが良いキヌアの栄養価
さて、FAOやNASAまでが注目するスーパーフードであるキヌア。どれほどの栄養価があるのでしょう。
まずキヌアの100g中のカロリーは367kcal。実は白米よりも高いのです。食べ過ぎてはいけませんが、栄養価が豊富でバランスがよいことが大きいメリットです。
例えば、たんぱく質は白米の2倍。また必須アミノ酸がバランス良く含まれていることが特徴です。脂質は白米と比べて3倍も含まれていますが、オレイン酸など不飽和脂肪酸の割合が高く良質な脂質です。ビタミンB1/B2/B6、ビタミンE、葉酸などのビタミン類と、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄といったミネラルまでも含まれています。
さらに食物繊維は玄米の10倍。その一方で白米などに比べ、血糖値も上がりにくいと言われます。そのためアメリカではグルテンフリー食材として人気があります。
女性の悩み解消につながるキヌアの効果・効能
豊富な栄養素がバランス良く含まれていることをご理解いただけましたか?そんなキヌアの栄養がもたらす効果についてまとめてみましょう。
1. 便秘予防
キヌアの栄養価でも触れたように、食物繊維量は(7.0g/100g中 ※2)と実に白米(0.5g/100g ※3)に10倍以上も豊富に含まれています。この含有量は穀物の中ではトップクラス。食物繊維が不足することが原因の一つである便秘にも効果があることはご理解いただけるでしょう。
キヌアは白米や玄米と一緒に混ぜて炊くのが主流となっていますが、それだけで食物繊維と多様な栄養価を主食に取り込めます。
2. 貧血予防
女性に多いとされる貧血は、鉄欠乏性貧血です。これは鉄分不足によって起こる貧血ですが、キヌアに含まれる葉酸と豊富な鉄分は予防に役立つとされています。またキヌアには亜鉛(3.1mg/100g ※2)も富組まれていますので、亜鉛が不足することで赤血球が壊れやすくなる亜鉛欠乏性貧血においても予防に役立ちそうです。
3. 血流促進による冷え性の緩和
葉酸や鉄分、亜鉛は主に血をつくる上で役立ちます。キヌアはこれに加えて血流を促進するビタミンE(2.44mg/100mg ※2)が含まれていますので冷え性緩和に役立つと期待されています。
冷え性を防ぐには血流を促進することが大切です。「サラサラな血液」といった表現もありますが、要は流れやすい柔らかな血、つまり血行を良くすることが望ましいということ。この流れやすい血をつくる上で、若々しく柔軟性のある赤血球をつくらなければならないのですが、ビタミンEはまさにこの2つのポイントを促進する働きがあるのです。
4. アンチエイジング
またビタミンEは抗酸化作用、つまり、たんぱく質や脂質、DNAなどが酸素によって酸化されるのを防ぐ作用をもつことはよく知られています。そのため老化の促進を抑える働きがあるのです。
キヌアの摂取が冷え性緩和に役立つだけでなくアンチエイジング効果も期待できますからまさに女性の味方と言えるでしょう。
5. 肌荒れ予防と美肌効果
キヌア摂取でサラサラの血液となり、血流改善効果が期待できることから新陳代謝も活性化することが期待されます。さらにキヌアには抗酸化作用を高めると言われるメチオニンが含まれています。
血液が全身に行き渡るよう促進されることで肌荒れを予防し、肌のハリ・ツヤが保たれるといった効果も期待できるのです。
6. ダイエットサポートや糖尿病の予防
キヌアで注目すべきはGI値が低いこと。GI値(グリセミック・インデックス値)とはダイエットにおいても重要な値で、この値が低ければ低いほど血糖値の上昇が遅くなり、インシュリンの分泌も抑えられるのです。
特にダイエットではバランスが良い食事が大前提ですが、その際、主食や副菜の中で低いGI値の食べ物を摂ることが大切です。また、糖尿病の予防にもつながりますので、キヌアの低GI値の特徴はこれらの点でメリットになりそうです。
7. 幸せホルモンを増やして自律神経を整える
自律神経と関係する神経伝達物質、ノルアドレナリンとドーパミン。これらのバランスの乱れは情緒不安定やイライラの要因とも言われており、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの不足が関係しています。
セロトニンを増やすにはトリプトファンという必須アミノ酸とともにビタミンB6などを一緒にとることが理想ですが、キヌアにはこれらが含まれています。キヌアはこの点でも女性の味方なのです。
キヌアは違和感なく、簡単に取り入れられる
1. キヌアは白米や玄米と一緒に炊く
手間要らずで簡単にキヌアをとるなら、いつもの白米や玄米と一緒に炊くこと。キヌアは味が淡白なので、個人的なオススメは生姜に醤油、みりんなどを加えて炊き込みご飯にするとより一層美味しくいただけます。
また、カレーピラフ、チャーハンなど味が濃いものに、事前に茹でておいたキヌアを加えて一緒に炒めても違和感なく、美味しくいただけますね。
もちろん、キヌア入りごはんやチャーハンをおにぎりにすれば、お弁当にも取り入れられます!
2. サラダやスープにトッピング
サラダに茹でたキヌアをトッピングすると、ボリューミーで食べ応えのあるサラダになります。また、トマトやコンソメをベースとした野菜スープに加えてもGood。
とても簡単に加えられますから、是非ともキヌアを取り入れてみてください。
キヌアは女性にとって理想のスーパーフード
女性なら幾つになっても美容への興味は失われません。ご紹介したとおり、キヌアのビタミンB類、ビタミンE、食物繊維、鉄分などの多様な栄養素は、美肌やアンチエイジング、また貧血、便秘、冷え性など女性特有の症状に悩む私たちにとって心強いスーパーフードと言えるかもしれません。
取り入れ方も簡単。普段どおりの食生生活にプラスできるキヌアを取り入れて、いつまでも輝きを失わない生活をしたいものです。
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引用・参考元
- ※1 「スーパーフード辞典 BEST50」松村和夏 著、斎藤糧三 監修
- ※2 USDA