太陽礼拝Bは、太陽礼拝Aの流れに、はじめと終わり、そして中間に新しいアーサナが組み込まれます。左右非対称のアーサナが入っているため、全体的に少し時間を要しますが、より全身の筋肉をバランス良く意識できるシークエンスになっていますので、是非トライしてみましょう。
太陽礼拝Aに慣れてきたら、太陽礼拝Bも練習してみましょう。
アーサナの数が少し多くなりますが、太陽礼拝Aのシークエンスに、新たに2ポーズ増えただけです。まずは落ち着いて呼吸を大切に、一つ一つゆっくりとなめらかに動いていきましょう。左右非対称のアーサナも出てきますが、必ず左右同じ秒数キープをして、バランスを整えるようにします。
太陽礼拝Bのシークエンスとアーサナのポイント
前回同様に太陽礼拝Bのシークエンスを追って、アーサナ(ポーズ)とそのポイントをまとめています。また、シークエンスとアーサナの解説は、アシュタンガヨガ等流派によって異なりますが、まずは、基本となるシークエンスをまとめていますので参考にしてください。
1. サンスクリット語名:タダーサナ、ターダーサナ(Tadasana)
英語名・ローマ字表記:マウンテンポーズ(Mountain Pose)
日本語名:山のポーズ
空から一本の糸で引っ張られているようなイメージでまっすぐ背筋を伸ばして立ちます。
肩の力を抜いて骨盤をまっすぐ正面に向け、お腹は内側にぐっと引き寄せて、お尻が突き出ないように尾骨は大地の方へ向ける意識です。目線は優しく前方を見ます。
優しく呼吸を繰り返しながら胸の前で合掌(アンジャリ・ムドラー[Salutation Seal、合掌のムドラー])をします。
まずは、今の体の状態、心の状態、呼吸の速さや長さなどを観察してみます。
2. サンスクリット語表記:ウトゥカタアーサナ、ウッカターサナ(Utkatasana)
英語表記:チェアーポーズ (Chair Pose)
日本語表記:椅子のポーズ
息を吸いながら両手を空に上げ、遠くの椅子に腰掛けるようにお尻を大地に近づけます。
このとき、必ず膝がつま先から出ないようにします。腰が反りすぎないように、お腹をぐっと引き寄せます。
3. サンスクリット語名:ウッターナーサナ(Uttanasana)
英語名・ローマ字表記:ディープ・フォワード・フォールド(Deep Forward Fold)
日本語名:深い前屈のポーズ
息を吐きながら前屈し、手の平を床に着いたら指先は足先と同じラインに揃えます。
膝は曲がっても構わないので、胸と腿をぴったりとつけ、坐骨は空に向くように意識します。
肩の力は抜いて首はだらんと下ろし、目線は後方へ。
4. サンスクリット語名:アルダ・ウッターナーサナ(Arda Uttanasana)
英語名・ローマ字表記: スタンディング・ハーフ・フォワード・ベンド(Standing Half Forward Bend)
日本語名:半分の立位前屈
息を吸って指先を立て、膝を伸ばして上体を半分上げ、目線はやや前方に。首の後ろが詰まらないように、目線は上げすぎないようにしましょう。
5. サンスクリット語名:クンバカアーサナ、クンバカーサナ(Kumbhakasana)
英語名・ローマ字表記: プランクポーズ(Plank Pose)
日本語名:板のポーズ
息を吐きながら手の平を床に着き、吸いながら足を後方へ伸ばします。
首、肩が詰まらないように、肩甲骨を下げ、耳と肩の距離を引き離します。
お腹をぐっと引き寄せ、目線は大地の方へ向けましょう。
足先から頭の先まで、一枚の板になっているようなイメージで一直線を意識します。
6. サンスクリット語名:チャトランガ・ダンダーサナ(Chaturanga Dandasana)
英語名・ローマ字表記: フォー・リムドゥ・スタッフ・ポーズ(Four-Limbed Staff Pose)
日本語名: 四肢で支える杖のポーズ
体は一直線の板のような意識のまま、息を吐きながら肘を曲げ、お腹は引き締めたまま目線は大地の方へ向けます。
この時、腕はなるべく直角になるよう、肘の真下に手首がくるように意識します。
7. サンスクリット語名:ウルドワ・ムカ・シュバナアーサナ、ウルドヴァ・ムカ・シュヴァナーサナ、ウールドゥヴァムカシュヴァーナーサナ(Urdha Mukha Svanasana)
英語名・ローマ字表記: アップワード・フェイシング・ドッグ・ポーズ(Upward Facing Dog Pose)
日本語名:上向きの犬のポーズ
息を吸いながら上体を前方へスライドさせ、足の甲を床につけて肘を伸ばし目線は斜め上へ。
この時、恥骨、腿、骨盤は大地から浮かせます。
首、肩が詰まらないように、耳と肩の距離は遠ざける意識を持ちます。
8. サンスクリット語名:アド・ムカ・シュバナアーサナ、アドームカシュヴァーナーサナ(Ado Mukha Svanasana)
英語名・ローマ字表記:ダウンワード・フェイシング・ドッグ・ポーズ、ダウンドッグ、ドッグポーズ(Downward Facing Dog Pose、Down dog、Dog Pose)
日本語名:下を向いた犬のポーズ、下向きの顔の犬のポーズ
つま先を立てて、息を吐きながらゆっくりとお尻を空高く突き出します。
上半身で体を支えるよりも、後ろに重心がかかる意識です。
上半身と下半身で大地を引き裂くようなイメージです。背中は反りすぎないようにし、首と肩の距離は遠ざけるようにして、首、肩周りの力は抜きます。
慣れてきたら、何度か呼吸を繰り返してみましょう。
9. サンスクリット語名:ヴィラバドラ・アサーナ1(Virabhadrasana1)
英語名 ・ローマ字表記:ウォーリア1( Warrior1)
日本語名:戦士のポーズ1(右)
呼吸が整ったら、吸う息で目線を手と手の間に向け、そこを目掛けて、息を吐きながら右足を前へ。
息を吸って両手を空に上げながら上半身を起こします。
目線は前方か、もう少し深めたい方は空を見上げます。
首、方の力は抜いて、お腹は引き締めます。
膝はかかとの真上に来るように、左足を前後に移動させながら距離を調節します。
10. サンスクリット語名:クンバカアーサナ(Kumbhakasana)
英語名・ローマ字表記: プランクポーズ(Plank Pose)
日本語名: 板のポーズ
息を吐きながら手の平を床に着き、吸いながら右足を後方へ伸ばします。
11. サンスクリット語名:チャトランガ・ダンダーサナ(Chaturanga Dandasana)
英語名・ローマ字表記: フォー・リムドゥ・スタッフ・ポーズ(Four-Limbed Staff Pose)
日本語名: 四肢で支える杖のポーズ
息を吐きながら肘を曲げ、お腹は引き締めたまま目線は大地の方へ向けます。
12. サンスクリット語名:ウルドワ・ムカ・シュバナアーサナ、ウルドヴァ・ムカ・シュヴァナーサナ、ウールドゥヴァムカシュヴァーナーサナ(Urdha Mukha Svanasana)
英語名・ローマ字表記:アップワード・フェイシング・ドッグ・ポーズ(Upward Facing Dog Pose)
日本語名:上向きの犬のポーズ
息を吸いながら上体を前方へスライドさせ、足の甲を床につけて肘を伸ばし目線は斜め上へ。
恥骨、腿、骨盤は大地から浮かせます。
13. サンスクリット語名:アド・ムカ・シュバナアーサナ、アドームカシュヴァーナーサナ(Ado Mukha Svanasana)
英語名・ローマ字表記:ダウンワード・フェイシング・ドッグ・ポーズ、ダウンドッグ、ドッグポーズ(Downward Facing Dog Pose、Down dog、Dog Pose)
日本語名:下を向いた犬のポーズ、下向きの顔の犬のポーズ
つま先を立てて、息を吐きながらゆっくりとお尻を空高く突き出し、呼吸を繰り返します。
14. サンスクリット語表記:ヴィラバドラ・アサーナ1(Virabhadrasana1)
英語表記:ウォーリア1( Warrior1)
日本語表記:戦士のポーズ1(左)
呼吸が整ったら、吸う息で目線を手と手の間に向け、そこを目掛けて、息を吐きながら左足を前へ。
息を吸いながら両手を空に上げ、上半身を起こします。
目線は前方か、もう少し深めたい方は空を見上げます。首、方の力は抜いて、お腹は引き締めます。
膝はかかとの真上に来るように、右足を前後に移動させながら距離を調節します。
15. サンスクリット語名:クンバカアーサナ、クンバカーサナ(Kumbhakasana)
英語名・ローマ字表記: プランクポーズ(Plank Pose)
日本語名:板のポーズ
息を吐きながら手の平を床に着き、吸いながら足を後方へ伸ばします。
16. サンスクリット語名:チャトランガ・ダンダーサナ(Chaturanga Dandasana)
英語名・ローマ字表記: フォー・リムドゥ・スタッフ・ポーズ(Four-Limbed Staff Pose)
日本語名:四肢で支える杖のポーズ
息を吐きながら肘を曲げ、お腹は引き締めたまま目線は大地の方へ向けます。
17. サンスクリット語名:ウルドワ・ムカ・シュバナアーサナ、ウルドヴァ・ムカ・シュヴァナーサナ(Urdha Mukha Svanasana)
英語名・ローマ字表記:アップワード・フェイシング・ドッグ・ポーズ(Upward Facing Dog Pose)
日本語名: 上向きの犬のポーズ
息を吸いながら上体を前方へスライドさせ、足の甲を床につけて肘を伸ばし目線は斜め上へ。
恥骨、腿、骨盤は大地から浮かせます。首、肩の力は抜きます。
18. サンスクリット語名:アド・ムカ・シュバナアーサナ、アドームカシュヴァーナーサナ(Ado Mukha Svanasana)
英語名・ローマ字表記:ダウンワード・フェイシング・ドッグ・ポーズ、ダウンドッグ、ドッグポーズ(Downward Facing Dog Pose、Down dog、Dog Pose)
日本語名:下を向いた犬のポーズ、下向きの顔の犬のポーズ
つま先を立てて、息を吐きながらゆっくりとお尻を空高く突き出し、呼吸を繰り返します。
19. サンスクリット語名:アルダ・ウッターナーサナ(Arda Uttanasana)
英語名・ローマ字表記:スタンディング・ハーフ・フォワード・ベンド(Standing Half Forward Bend)
日本語名: 半分の立位前屈
目線を手と手の間に向け、そこをめがけて足を片方ずつ戻し、息を吸いながら膝を伸ばして上半身を軽く上げ、指先は大地につけたまま、目線はやや前方へ。
20. サンスクリット語名:ウッターナーサナ(Uttanasana)
英語名・ローマ字表記: ディープ・フォワード・フォールド(Deep Forward Fold)
日本語名:深い前屈のポーズ
息を吐きながら手の平を大地につけ、胸と腿をつけて深い前屈です。
ここでは膝が曲がっても構いませんので、坐骨は空に向くように意識します。
21. サンスクリット語表記:ウトゥカタアーサナ、ウッカターサナ(Utkatasana)
英語表記: チェアーポーズ (Chair Pose)
日本語表記: 椅子のポーズ
息を吸いながら両手を空に伸ばし、上半身を起こします。
お尻の位置は遠くの椅子に腰掛けているイメージでお腹は引き締め、膝はつま先より後方に来るようにします。
22. サンスクリット語名:ウールドヴァ・ハスタ・アーサナ、ウルドヴァハスタアーサナ(Urdhva Hasta Asana)
英語名・ローマ字表記:アップワード・サルート(Upward Salute)
日本語名: 手を上に上げるポーズ、上向きの礼拝
息を吸いながら膝を伸ばし、上体を起こします。
肩に力が入りやすいので、耳と肩の距離を長くして肩の力を抜きます。
23. サンスクリット語名:タダーサナ、ターダーサナ(Tadasana)
英語名・ローマ字表記:マウンテンポーズ(Mountain Pose)
日本語名: 山のポーズ
息を吐きながら両手を胸の前で合掌(アンジャリ・ムドラー[Salutation Seal、合掌のムドラー])をします。
ここで、今の体の上体、心の上体をもう一度観察してみましょう。
先ほどのこのポーズの時と、どのような変化を感じられましたか?
しばらく目を瞑って味わってみるのもいいかもしれません。
呼吸が整ったら、一度大きく息を吸って。吐きながら、合掌を解いて両手を体側に戻します。
太陽礼拝Bは全身の筋肉をバランス良く意識できるシークエンス
いかがでしたか?
基本は、太陽礼拝Aの流れに、はじめと終わり、そして中間にアーサナが組み込まれただけなのですが、左右非対称のアーサナが入っているため、全体的に少し時間を要します。しかし、より全身の筋肉をバランス良く意識できるシークエンスになっていますので、太陽礼拝Aと合わせて、是非トライしてみてください。
太陽礼拝を深く学ぶ記事
太陽礼拝の基礎
以下の記事にて太陽礼拝を取り上げています。太陽礼拝の意味や効果から太陽礼拝のシークエンスの詳細まで。これを読めば太陽礼拝の全てがわかります。
太陽礼拝のアーサナを個別に解説
太陽礼拝に登場する各ポーズ一つ一つを詳しく解説しています。ポイントからありがちなミスアライメントまで、太陽礼拝を上達したいなら必ずチェック。ヨガ初心者の方はもちろん、ヨガインストラクターレベルの方にも役立つ内容です。