数あるヨガインストラクター資格をどう選ぶのか?資格取得の費用も安くないからこそ、後悔することだけは避けたいところ。ヨガインストラクター資格と養成校を見極める大切なポイントをまとめた上で、キャリアアップを目的とした場合のおすすめのヨガ資格についてご紹介します。
ヨガインストラクター資格選びで失敗しない
これまでヨガを受講する側であったあなたは、ヨガインストラクターの方々がどのような資格を取得しているのかさえ、わからないはず。
いざ自分がヨガインストラクターを志す立場になり、未経験で初心者の状態で、ヨガインストラクター資格を選んでしまうと、後から後悔するなんてことになりかねません。
そのならないためにも、どのような基準でヨガ資格を選べば良いのか?しっかりと理解しておく必要があります。
民間資格であるヨガ資格はさまざまな種類がある
ヨガ資格には海外、国内、そしてヨガ流派が主宰するヨガインストラクター資格など多種多様な種類がありますが、いくつかの例を挙げておきましょう。
海外
- 全米ヨガアライアンス RYT200 / RYT500
日本国内
- NPO法人 日本YOGA連盟
- 一般社団法人全日本ヨガ協会(AJYA)
- 社団法人日本ヨガインストラクター協会(JYIA)
世界的なヨガ流派主宰
- アイアンガーヨガ(日本アイアンガーヨガ協会)
- アシュタンガヨガ(アシュタンガヨガ・ジャパン)
- クリパルヨガ(クリパル・ジャパン)
- シヴァナンダヨガ(シヴァナンダ・ジャパン・東京センター)
上記の資格の特徴や費用については、次の記事で詳しく取り上げていますので、そちらも参考にしてください。
詳細:ヨガインストラクター資格種類・費用一覧と選ぶ上で大切なこと
上記以外にも、最近では通信で取得できるヨガ資格も登場するまでに。日本においてヨガ資格は国家資格ではなく全て民間資格であるため、数え切れないほど資格が存在し、この選択肢の多さが私たちを迷わせています。
ヨガインストラクター資格を選ぶ6つのポイント
ヨガを仕事にしようと決めたのなら、資格取得時にしっかりと実力をつけなければならないのは言うまでもありません。
ヨガ講師として、クラスで指導する事でお金を得るわけですし、いい加減な実力では受講生がついてくるわけはありませんよね。
また、近年問題になっているのが、ヨガによる怪我。無理な指導で受講生を怪我させてしまったりしては元も子もありません。
ヨガの学びは一生ではあり、短期間で全てを学べると言うものではありません。しかし、はじめの一歩であるからこそ学ぶべきことが網羅され、効率的に学べる資格を選びましょう。
1. 一定の認知度があるヨガ資格を選ぶ
資格とは所定の技能訓練を修了したという証明となり、あなたがどのようなヨガのスキルや技術を持っているのか認定し、証明するものです。では誰に証明するのか?
それは将来、あなたからヨガを習おうとする生徒さんたちです。例えば、あなたが誰かにヨガを教えてもらう場面を想像してみましょう。これからヨガを本格的に習おうとするとき、相対する先生が全く名もないヨガ資格であった場合、信頼することができるでしょうか?
そして、もう一つはヨガスタジオの採用担当者や雇用主です。あなたの持っている資格が一般に認知されていなければ証明が成り立ちません。
最近は、さまざまな事業者がヨガ資格を提供し始めており、中には極端に時間が短いものや、実践なく通学することもなく通信だけで資格を与えてしまうヨガ資格や養成スクールもあるので注意が必要です。
このように同じヨガ資格と言っても学びの内容や質が異なる状況では、ヨガスタジオの雇用主は、あなたの実力を判断しにくいでしょう。全く知名度のないヨガ資格を言われた面接官は判断に迷うことは想像に難しくありません。
ヨガインストラクターとして就職を目指すのであれば、一定の認知度のある資格を選びましょう。
2. 安全なヨガ指導を行う上で必要な学習項目が網羅されている資格を選ぶ
ヨガ資格を得るには、ポーズ(アーサナ)だけを学べば良い、というわけでありません。効果を引き出す指導を行うためには、ポーズと精緻なアライメント、呼吸法、瞑想を学び、また、その根幹にありヨガの歴史・哲学と、それぞれ深く学ぶ必要があります。
これまでヨガ教室のレッスンに通っていた時には、そこまで学ぶ必要はなかったかもしれません。しかし、教える立場になった時にはこうした幅広い知識とスキルが求められるのです。
参考記事: ヨガインストラクター資格であなたが学ぶ本当のこと
ポーズの中には筋力や関節の柔軟性が求められる難しいものがたくさんあります。不完全な指導によって生徒さんが腰や首など身体を痛めてしまうなど、怪我の危険性もあります。※1
こうした不安を排除するとともに安全なヨガ指導のために学ぶのが、解剖学や生理学です。これらの分野の勉強は未来の生徒さんたちに対する責任でもあるのです。
3. 極端に短い期間で取得できたり、費用が安いヨガ資格は避ける
他の資格と比較して極端に短期間であったり、費用が安かったり、実技の実践もなく自宅で通信講座だけで楽に取得できるといった資格は避けた方が無難です。
先に述べたとおり、ヨガを習得する上で幅広い分野の座学と実践的な技術トレーニングが必要です。物理的に短期(時間が短い)と言う事は、学習の範囲が狭い、または範囲が広いものの内容が浅いと言うことになります。
さらにはヨガは一生の学びと言った掛け声の元、生徒の自主的な学びや練習に委ね、実力がまだついていない状態で資格を与え、卒業させてしまう場合もあります。
ヨガの先生として信頼を得るためには、基礎的な知識はもちろん、適切な技術や指導スキルを身に付ける事は最低条件です。だからこそ楽を選ぶのではなく、内容と質を基準にヨガ資格を選びましょう。
4. 充実したカリキュラムとテキストがある資格・スクール
知っておいて欲しいのは、同じ資格養成コースを扱う認定校でも内容は千差万別であることです。
ヨガ界を代表するヨガ資格、全米ヨガアライアンスのRYT200を教える認定校はRYS(Registered Yoga School)と呼びます。全米ヨガアライアンスでは、ヨガインストラクターの質を保つために200時間の内容に平均的な基準を設けていますが、RYSによって何を重視するのか違いがあり、授業の内容はスクールごとに独自で、全く異なると言って良いでしょう。
ヨガインストラクター資格養成コースでは幅広い分野を学ぶので、養成スクールの実績はもちろん、実力を図る上では本格的なカリキュラムやテキストが整備された環境か、自分のペースに合わせたスケジュールか、そして授業の質を確かめることがとても重要です。
大手のヨガ資格養成スクールのほとんどが資料請求を受付ており、入学前に無料で気軽に参加できる説明会や体験会も用意しています。ウェブサイト上の説明だけで決めるのではなく、積極的にこうした機会を利用してみましょう。
参加することで、学校ごとの違いや制度、特徴を知るだけでなく、テキストを見せてもらったり、カリキュラムや関連するプログラムについてじっくりと話を聞き、色々質問してみることをおすすめします。
良いスクールであれば、喜んで対応してくれるはずですし、こうした密なコミュニケーションこそ不安を払拭する良い方法です。
5. なるべく少人数制のスクールがオススメ
やはり同じ資格を提供する養成スクールでも、なるべく少人数なクラス構成であれば、講師とコミュニケーションを取れる時間や直接指導がもらえる時間が多くなりますから、少人数制である方が望ましいですよね。
たまに、ハワイやバリなどのリゾート地で開催される海外留学短期コースで、1名の講師と1〜2名のアシスタントで運営しながら、40名以上もの受講生を受け入れるスクールもありますが、実効性の高い学びが得られるかと考えると、かなり厳しいのではないでしょうか。
ただ、個人的な意見ですが、マンツーマンがベストかと言うと必ずしもそうではないと思います。密度の濃い練習は約束されるものの、仲間ができにくいという点はヨガインストラクターを志す上では不利になってしまいます。
ヨガインストラクター養成コースでは一定期間、ヨガを集中して学ぶことになりますから、その間、一緒に切磋琢磨できる友人がいた方が刺激になります。また、同じ期間、一緒に学んだ友人は、卒業後も、ヨガインストラクター募集などの求人情報や働いているヨガスタジオの情報交換、スキルアップのために新たに開講されるワークショップ情報をシェアしたりできます。
また、自分がクラスを休む時に代休を依頼するなど、お互いをサポートする非常に貴重な存在になります。
むしろヨガ資格だけが目的ではなく仲間を作る、と言う目的もあると考えた方がいいかもしれませんね。とすると、やはり仲間を作ることを考えるとやはり6〜20名程度が限度なのではないでしょうか。
6. 通いやすく続けやすい資格・スクールを選ぶ
資格と同時に重要なのが、その資格認定コースを提供するスクールの制度です。ヨガ資格によっては学びの期間が6ヶ月以上におよぶ場合もありますので、通いやすさ、すなわち続けやすさに直接関係してきます。
例えば
- 立地は勤務先に近いのか、もしくは自宅に近いのか?
- 自分の無理のない通い方としてどちらが適切なのか?
- 平日の夜に開催されるもの、または週末に開催されるものを選択するのか?
- スケジュールは予め決まっているのか?単位制なのか?
- 病欠などの場合の振替制度があるのか?
- 分からない場合には個別に対応してくれるのか?再受講や復習のための制度があるのか?
少なくとも、こうした点はしっかりと事前にチェックし、自分のライフスタイルに応じて選択できるよう、しっかりと検討しておきましょう。学びを続けていく上では、無理のない通い方を選択することはとても重要です。
おすすめのヨガ資格はコレ!
多種多様なヨガ資格の中から、5つの選ぶポイントを基に、おすすめのヨガ資格をご紹介します。とはいえ先に断っておくと、やはり立場や状況によって選ぶ資格は変わってきます。
そのため、特定の大手ヨガスタジオでの講師として所属するのではなく、あくまでもこれからヨガ資格を取得し、一人のヨガインストラクターとしてキャリアを積み、最終的には独立・開業を目指す場合を想定し、選んでみました。
1. はじめてのヨガ資格取得ならまずはRYT200を
やはり国際的な知名度があり、最も有名なヨガ資格であるRYT200を取得したほうが良いと思います。現役のヨガインストラクターの方は、RYT200を取得している人が多いのではないでしょうか。
またRYT200は認知度の高さだけでなく、カリキュラムに一定の基準があり、実技から座学まで学ぶべきことが網羅されています。また学習に費やす時間も原則的に200時間と規定されており(認定校によっては200時間を満たないこともあります)、安心です。
RYT200を取得した後は、その後RYT300を受講する事でRYT500を取得できます。また、その後、実際のティーチング経験を積む事でERYT200/500とさらに高めていくキャリアパスもあります。これらを全て取得する必要ありませんが、自分の学んだ証明として一つの目標としてみても良いかもしれません。
2. シニア・キッズヨガなど対象領域を広げるための資格取得
多くのヨガインストラクターさんは自身のスキルアップのために、RYT200を取得した後も、学びを継続しています。むしろRYT200を取得した時が、ヨガの学びのスタート地点と言えるかもしれません。
キャリアを進めていく一つの方向として、シニアヨガやキッズヨガ、妊婦さん向けのヨガ(マタニティヨガ)など、対象者の幅を広げる活動です。
高齢者を対象としたシニアヨガは今後、ますます需要が高まることが予想されますし、キッズや妊婦さんを対象とするヨガも人気が高まってきています。
これらは専門的な内容となっており、それぞれヨガ資格が存在していますので、こうした資格を取得してみるのも良いでしょう。参考までにそれぞれのヨガ資格について列挙しています。
キッズヨガ資格
- 全米ヨガアライアンス RCYT
- Yoga Ed
マタニティヨガ資格
- 全米ヨガアライアンス RPYT
シニアヨガ資格
- 日本統合医療協会 メディカルヨガインストラクター資格
3. さまざまなヨガ流派の経験を深める
そしてもう一つが、多くのヨガ流派を経験し、ヨガのスタイルを広げることを目指していく方向です。
ヨガを最初に学ぶ際、多くの場合基本となるハタヨガを学びます。その後、例えばアシュタンガ・ヨガやシヴァナンダ・ヨガ、アイアンガー・ヨガのような世界的なヨガ流派・団体が主宰するヨガ資格やワークショップを受講することで、ヨガのスタイルを広げ、指導者として奥行きを深めていきます。
根本的なヨガに対する思想は同じであってもヨガ流派によって考え方に違いがあります。それらを素直に受け入れ、多面的にヨガを知り、体験する事はあなたに経験を与えるだけでなく、多くの受講生にとって魅力的な存在になるでしょう。
まとめ:後悔しないためにも多くの情報収集を
ヨガインストラクター資格取得のための料金は、決して安いものではありません。誰だって後悔したくはありませんよね。そのためにも、インターネット上の情報をしっかりと集め、自分が習っていたヨガの先生に相談してみたり、そこの卒業生を探し話を聞いてみるなど、しっかりと情報を収集した上で、自分にとってこの資格は、何がメリットで何がデメリットなのか、事前に把握して決めることが大切ですよね。
だからこそ単純な費用の高い・安いの比較や、損か得かで選んではいけません。当たり前ですが、資格取得がゴールではなく、ヨガの実力がつけることが目的です。実力がなければヨガインストラクターとして活躍できないばかりか、仕事として成立しなくなってしまいます。
ヨガインストラクターになる過程では、ヨガに集中して向き合います。その間では身体の調子が良くなり、そこからマインドが整い、自分の人生が大きく変わったと言う人が多くいます。勉強したこと以上のものが手に入ると言って良いでしょう。
だから後悔しないためにも今回取り上げた選び方のポイントをしっかりと確認し、自分にあったヨガ資格を探し、ヨガインストラクターへの道を進んでください。
参考元:
ヨガを仕事にする – ヨガインストラクター 資格 ガイド
To Become a Yoga Teacher
ヨガインストラクターという仕事
- ヨガインストラクターの将来性と活躍の場
- ヨガインストラクターのキャリアパスと給料・年収事情
- ヨガインストラクターになるには何歳まで?あなたがなりたいと思った時が適齢
- 米調査でわかったヨガインストラクターの生態 – アクティブでポジティブ、そしてエシカル
ヨガインストラクターの資格
- ヨガインストラクター資格であなたが学ぶ本当のこと
- ヨガインストラクター資格種類・費用一覧と選ぶ上で大切なこと
- おすすめのヨガインストラクター資格 – キャリアアップのための資格養成コースの選び方
- ヨガインストラクター資格を通信講座で取得? 向いている人と向いていない人