目標が見つからないという人も多くいます。そんな自分に劣等感を感じたり。でも目標が見つからないのはその時期でないからとも言えます。無理して探そうとするのではなく、普段から目にすること、耳にすることを大切にすることで自然と未来は作ることができます。物質的な目標よりも精神的に「本当にやりたいこと」に忠実に生きることが大切なのです。
「目標」と聞くと、一生懸命努力して手に入れる、目指すべき場所というようなイメージが強いのではないでしょうか。確かに子供の頃、よく親や先生に「目標を持ちなさい。」と言われたことを思い出します。
一言で目標と言っても十人十色です。頑張って勉強して良い大学へ入学する。沢山働いてお金を貯めて車を買う。来年こそは結婚する。あの人のようにステキな人になりたい。等々、種類も様々です。
様々なのですが、一つ共通していることは、目標にしている事や物、人を思ったり考えたりする時間が必然的に多くなるということです。
良い大学へ入りたい人は、入った後の夢のキャンパスライフやその後の将来を想像しながら日々勉強したり、車が欲しい人は、どの車種にしようかなど色々考えますね。結婚したい人は理想の異性像を想像したり、妄想したり。目標にしている人がいるなら、その人のようになりたいと頭で想像しているはずです。
常日頃、聞いたり話したり思い出したりを大切にすべき理由
ヴェーダ経典では、「聞くこと・話すこと・思い出すこと」の重要性が説かれています。耳から入る言葉・口から出す言葉・頭で思い出す内容は、良いことも悪いこともすべて、心の奥底の貯蔵庫に貯まっていきます。
言うなれば、それらは種で、植物と同じように徐々に育ち、いつかそれが発芽します。良いことも悪いこともすべて、自ら行った「聞く・話す・思い出す」という行為の結果として、後から発芽という形で色々なことが自分の身に起こります。
実はその種は、私達が生きている「今」、いわゆる今世で貯まったものだけではなく、ずーっと昔から生と死を繰り返す中で貯まってきているものなのです。それが今世で発芽するかもしれないし、まだ先かもしれない。それは私達にはわかりません。
ということは、常日頃、聞いたり話したり思い出したりする内容というのは、とても重要になってくるということです。そうだとするなら、みなさんは心の中に何を入れたいですか?出来るだけキレイなものを入れたいですよね。
汚れたものを入れ続けたら、いつまでたっても汚れたままです。これに気付いて少しずつでもキレイなものを入れ始めたら、ゆっくりと、でも確実に人生が良い方向へと向かい始めます。
未来は自分でつくるもの
入れるものは、出来れば愛あるものがいいです。「愛」と聞くと、なんとなく胡散臭いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。でも、愛なんて欲しくないと言う人はいません。いくら言葉で愛なんていらない!と言っていても、実際に本物の大きな愛に包まれたならば、なんとも言えない幸福感に満たされて涙するはずです。
それは私達自身が、本来は愛あふれる存在だから。そして実は、神様だって愛を欲しているのです。
あの有名なマザー・テレサも、このような言葉を残しています。
“思考に気をつけなさい、それがいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それがいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それがいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それがいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それがいつか運命になるから。”
自分の思いや言葉、行動がいかに重要かを教えてくれている、素晴らしい言葉です。自分の運命を作るのは自分次第。時々立ち止まり、自らの行動を振り返ってみましょう。
心に声に耳を傾ければ方向は見えてくる
少し話は外れましたが、つまり、いま興味があること、やりたいと思っていることというのは、少なからず心の中に情報が入っているということです。ヴェーダ経典では、前回の生で叶えられなかった望みを叶えるために、また生を受けるとも言われています。
ということは、無理して目標を持たなくても、本当に自分のやりたいことは、自分の心に聞けばわかるということです。
もちろん目標を立てることは素晴らしいことです。
それに向かって努力して、その道のりが険しいほど、目標を達成した時の喜びは大きいです。ですが、その目標を達成した後、達成感に浸り腑抜けになってしまう方も多いと思いませんか?それが物質的な目標だからです。物質的なことには必ず終わりがあります。
ヨーガを実践している方なら精神性の重要さをご存知かと思いますが、私達がこの世界で生きていく上で、物質的な事・精神的な事、この両方のバランスが大事になってきます。
目標よりも「自分が本当にやりたいこと」
目標に関して言えば、必要があれば目標を立てれば良いし、逆に目標を立てると息苦しくてストレスになる、というようであれば全然必要ないと思います。まずは「いま自分に目標は必要か」これを心に問いかけてみると良いでしょう。環境の変化や時期によっても変わってきますので、その時その時で問いかけてみて下さい。
そして「自分が本当にやりたいこと」これには正直に生きたいですね。心からやりたい・やってみたいと思う感情を我慢する必要はありません。なぜならそれは自分が本当に望んでいることだからです。そしてその感情は、一種の欲望です。欲望は、今は我慢して止めたとしても、いつか必ず同じ欲望が湧いてきます。ですので、少しずつでも消化していったほうが良いと言われています。
いずれにせよ、人生の大きな流れに抗わずに身を任せ、自分の心に正直に生きることが大切です。そうもいかない時も多いですが、自分を信じて心の声に従い、愛を持って生きていれば、すべて良い方向へ向かっていくので何も心配することはありません。
Radhe Radhe