ヨガインストラクターになるための資格取得で学ぶことは多いですが、その中でも特に大切なことがあります。ヨガインストラクター資格には他の資格と異なり、哲学という項目があります。資格は誰でも取得できると思いがちですが、真にあなたが学ぶべきことはもっと深いのです。
ヨガ インストラクターになるには資格取得を目指そう
ヨガインストラクターに公的資格はありません。税理士や弁護士といった所謂国家資格とは異なり、それを持っていなければ開業できないということではありません。そのためヨガインストラクターを名乗れば誰でもヨガを教えることはできます。しかし、それで本当にお客様がつくのか?というと難しいでしょう。
ヨガ資格のない方からヨガを積極的に学ぼうとする方はほとんどいないのではないでしょうか。ヨガインストラクターの資格を持っていなければ誰もあなたを信用しないでしょう。
ヨガインストラクター資格はあなたが一定の技能を学んだ証明
ヨガインストラクターの資格は民間資格であり、世界的な資格、国内の資格など実に様々です。ヨガインストラクターは資格によりまちまちですが、概ね以下のようなことを学びます。どれもヨガインストラクターとして獲得しておくべきことです。
ヨガインストラクター資格で学ぶこと
1. ヨガの基礎
ヨガの起源や歴史、発展してきたこれまでの軌跡を学びます。
参考: ヨガの基礎
2. ヨガ哲学
ヨーガ・スートラ、八支則、バガヴァッドギーターなどヨガを知る上で重要な経典や哲学を学びます。
参考:ヨガ哲学に関する記事一覧
3. 各ヨガポーズ(アーサナ)の効果・効用
数多く存在するヨガポーズは立位、座位などで分類、要求される柔軟性や筋力といったレベルで分類されます。それぞの分類の中で各アーサナを正しく学んでいきます。簡単に見えるアーサナでも正しくポーズをとれているか難しいものです。当然、ヨガインストラクターは各アーサナを専門的に学ぶ必要があります。
参考1: ヨガの効果一覧
参考2:ヨガポーズ & アーサナガイド
4. 呼吸法
呼吸法はヨガを構成する要素として重要な位置を占めます。目的や効果に応じて複数の呼吸法を学び、実践します。
参考:呼吸法に関する記事一覧
5. 瞑想
瞑想法もヨガの大切な一部です。様々な目的と効用により多くの瞑想法がありますので専門的な知識と実践方法を学びます。
参考:瞑想に関する記事一覧
6. 解剖学の基礎と各ヨガポーズの解剖学的理解
現代のヨガにおいてとても大切なのが解剖学。古代から続くからこそ最新の解剖学の知識を身につけた上で各ポーズを解剖学的視点で理解できるようになります。
7. アジャストとインストラクション
ヨガに関する知識と実技を学んだ後、人に伝えるための技術、人のヨガポーズを正す技術を学びます。
少なくとも上記のような総合的で深い知識と実技を習得することはヨガインストラクターとして最低条件と言えるでしょう。
何よりも安全面に配慮しなければならない
ヨガのポーズは、必要とされる柔軟性や筋力に応じて難易度が分かれています。ポーズによっては頚椎や腰椎など負担がかかるものがあり習熟度に応じて危険性が異なります。もしあなたがヨガインストラクターとしてレッスンを担当し、無理なアーサナを強いて怪我をさせたら大変なことになってしまいます。
これはヨガに限りませんが、多くのスポーツインストラクターで重視されていると同様にしっかりと安全性のための知識を獲得しなければなりません。そのためには解剖学や生理学といったことはしっかりと学ぶ必要があります。
例えば全米ヨガアライアンスでは解剖学と生理学だけで20時間の学習を基準※1(RYT200の場合)としています。このようにほとんどのヨガインストラクター資格は解剖学をカバーしていますが、こうした知識もしっかりと学ぶことを初めから理解しておきましょう。
あなたが学ばなければならない本当のこと
ヨガインストラクター資格は誰でもとれる
ヨガインストラクターとなる上で上記のような知識と実技を習得することになります。しかし、よく考えると学習項目に哲学が含まれるエクササイズ資格が他にあるでしょうか?ヨガは心と身体を扱いながら人生哲学にまで踏み込むのです。ヨガインストラクター資格と他の違いを挙げるとするならば、ここが一番のポイントなのかもしれません。
誤解を恐れずに言えば、資格はヨガインストラクター養成スクールに通えば誰でも取得できます。しかし、資格を取得したからといってヨガの魅力を伝えられるかというと話は別。例えば(そんな方はいないと思いますが。)鬱屈したネガティブな感情を持った形だけのヨガインストラクターに学ぼうという人はいないでしょう。
あなた自身であなたの人生を変え、ヨガの魅力を伝達していく
ヨーガ・スートラの八支則に代表されるように、ヨガは人生を歩んでいく上での価値観をも学びます。大切なのは、ヨガインストラクターへの道で、まず自分がヨガの理解を通じて身体と心のバランスを整えること。次に自分に優しく、そして自然と人に優しくなれるマインドを得ること、つまり自分の人生を変える過程とも言えるかもしません。
晴れてヨガインストラクターになった暁には、あなた自身が得たヨガの知恵や術を多くの人に伝達し、無償の愛を与え、その人の人生を豊かにしていくのです。
次回は、ヨガの資格について取り上げます。
※1 200-Hour Standards for Yoga Teacher Trainings via Yoga Alliance
ヨガを仕事にする – ヨガインストラクター 資格 ガイド
To Become a Yoga Teacher
ヨガインストラクターという仕事
- ヨガインストラクターの将来性と活躍の場
- ヨガインストラクターのキャリアパスと給料・年収事情
- ヨガインストラクターになるには何歳まで?あなたがなりたいと思った時が適齢
- 米調査でわかったヨガインストラクターの生態 – アクティブでポジティブ、そしてエシカル
ヨガインストラクターの資格
- ヨガインストラクター資格であなたが学ぶ本当のこと
- ヨガインストラクター資格種類・費用一覧と選ぶ上で大切なこと
- おすすめのヨガインストラクター資格 – キャリアアップのための資格養成コースの選び方
- ヨガインストラクター資格を通信講座で取得? 向いている人と向いていない人