西洋医学では原因不明とされがちな”なんとなくの身体の不調”ですが、アーユルヴェーダでは本来の自分のバランスが崩れた状態と考えます。現在の体調を本来の体調へ戻すことを思想とするアーユルヴェーダの”プラクリティ”と”ヴィクリティ”。アーユルヴェーダを理解する上で大切となる考え方について解説します。
自分の本質(プラクリティ)は生まれつき
アーユルヴェーダでは、自分の本質(プラクリティ)は生まれ持ったもので、一生変化しないとしています。“プラクリティ”という概念は、同じ環境、食事、刺激を受けても、個々によって全く違う反応をするという事実から、DNAや指紋に至るまで、その人を世界中の他の誰とも異なる、無二の存在として個人を重視しているのです。
そのため、アーユルヴェーダは「個の医学」とも言われています。ストレス社会で生きていくには、時として自分だけではなく、他の人を理解することも必要です。自分のプラクリティを理解するということは、他の人を理解することにも繋がり、ストレス社会で生きていくための知恵となります。
プラクリティにより体質(ドーシャ)も決まる
プラクリティにおいて優位なドーシャは、体格や気質、さらにはかかりやすい健康問題をも決定します。自分のプラクリティが何かを知るという大切さは、なにもドーシャのバランスを保つためだけではありません。実は、プラクリティにおいて優位なドーシャは、その人においてバランスを崩しやすいドーシャでもあるのです。
現在の異常が何故生まれたのか、回復しやすいものなのかを予測し、適切に対応していくためにも、プラクリティにおける自分のドーシャを知ることはとても大切なことなのです。
身体の不調を、本来の自分のドーシャ(プラクリティ)に戻していく
食事、ライフスタイル、経験、精神状態などによってプラクリティが乱れてしまった、“ドーシャのアンバランスな状態”を、“ヴィクリティ”と言います。簡単に言うと、「現在の体調」ということです。
ヴィクリティは生活次第で常に変化しています。そのため、同じ体質診断をしてみても、現在と以前で診断した結果が異なる場合があります。アーユルヴェーダでは、ヴィクリティのドーシャバランス(現在の体調)を、プラクリティのバランス(生まれ持った体質)にできる限り戻すことを理想としているのです。
このように、アーユルヴェーダでは自分のプラクリティを理解した上で、ヴィクリティ(現在の体調・不調)との差異を知り、本来の状態へ戻していくという考え方。よって、まずはあなたのプラクリティを知ることが最初の一歩。それを理解することで体調を戻していく方角が分かるのです。
西洋医学は事象(病気)に焦点を当て根本原因を駆除して治すという考え方ですので原因がわからない、なんとなくの身体の不調という曖昧な事象に対しては弱いのかもしれません。どちらが優れているといことではなく、これは考え方の違いと言えますね。
次回、簡単に自分のプラクリティとドーシャを理解するための質問例をお伝えする予定です。
楽しみに更新を待っていてくださいね!
はじめてのアーユルヴェーダ ガイド
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