私たちの心(マインド)は呼吸と相互に関係し合っています。例えば怒りを感じている時の呼吸は早く、浅い呼吸。一方でリラックスしている時はゆっくりで深い呼吸。この関係に着目して逆から考えれば呼吸を制御することで私たちのマインドを制御できるのです。何気ない私たちの呼吸に目を向けます。
息をすることは、生きることです。
私たちは水や食べ物がなくても何日か生きられますが、呼吸をしなければ数分で息絶えてしまいます。しかし、普段の生活の中では特に呼吸に対して意識を持つことなく過ごしているのではないでしょうか?
ほとんどの方の呼吸は、口から浅い呼吸をしています。横隔膜をほとんど使っておらず、息を吸う時は肩が上がり、お腹がへこんだりします。実は、こういった浅い呼吸では、酸素が少量しか取り込めず、肺の上部しか使われないため、ヴァイタリティに欠けてしまうこと、病気への抵抗力も弱くなることは否めないのです。
ヨガの正しい呼吸の実践では、口を閉じて鼻から行います。肺全体を働かせて息を完全に吸ったり吐いたりします。息を吐くと、お腹がへこみ横隔膜が上がり、心臓をマッサージします。息を吸うと、お腹が膨らんで横隔膜が下がり、腹部の臓器がマッサージされます。
ヨガの考える正しい呼吸の役割はおもに2つ。1つは血液に脳に酸素をより多く送ること、もう1つは、プラーナ(生命エネルギー)をコントロールし、それによって心をコントロールすることです。
ヨガの呼吸法で、心=マインドをコントロールする
心に浮かぶ思考と感情。振り回されることが多いですよね。
眠りたいのに頭の中でしゃべり続ける思考、不安を煽る思考、集中を妨げる怒り。穏やかに過ごしたいのに…。あの件は忘れたはずなのに…。どうしたら上手くいくのだろう?
これらのtoo muchな、過ぎた思考や感情は健康に大きな影響を及ぼしています。
ヨガの健康法では、自らの舵を握ることで、呼吸をコントロールしてマインド=心をコントロールすることを意図しています。思考や感情は「あなた自身」ではなく、「あなたの」思考と感情であることを忘れないでおきましょう。
感情に影響を受ける呼吸
呼吸は感情に影響を受けています。例えば、「怒り」の状態ではどのように呼吸は行われているでしょうか?アニメによくありますが、プンプンッ 鼻から荒く短い息を想像します。蒸気機関車の噴き出す煙のごとく、怒りの火をそこに見ることができますね。吸気も少なそうです。呼吸は乱れています。
では、大切な人とケンカしたり、大切なものを無くした「悲しい」状態では呼吸はどのように行われているでしょうか?シクシク…吸気が多い様子ですね。たまに、大きなため息、ため息。呼吸は乱れています。
では、反対に心の安堵を得た時、安心した時。温かいお風呂に浸かりました。はあ〜〜っ。ゆったりとしていて、穏やかな呼吸です。
心と呼吸は相互に依存し合っている
怒りや恐怖を感じると、呼吸は浅く、早くなり、乱れます。反対にくつろいだり深く思索している時の呼吸は遅くなります。なぜなら、心と呼吸は相互に依存しているからです。心の状態が呼吸の仕方に現れるということは、逆に呼吸をコントロールすれば心の状態もコントロールできるということです。
呼吸をコントロールすることは、酸素やプラーナの吸収量が増すだけでなく、集中を作り、瞑想の準備にもなります。さらには、日常の問題を改善し、穏やかに健康に毎日を過ごせるようになるということです。
ヨガの呼吸法についてもっと詳しく
TULAでは以下の記事でヨガの呼吸法について取り上げています。本記事とともに以下をご覧いただくことでヨガの呼吸法をもっと理解いただけると思いますので是非ご一読ください。