ヨガ

ヨガ習慣化のコツ – 行動科学で三日坊主のあなたも無理なく実践

毎朝のヨガを習慣にしようと練習を始めても、つい三日坊主で終わってしまう。そんな時、自分を責めたりしてませんか?しかし、行動科学のアプローチを使えば簡単にヨガ習慣が身につきます。今回はヨガ習慣作りに役立つ7つのコツをお教えします。

以前、ヨガをどれだけの期間継続すれば、どのような効果が現れるか?をテーマにヨガの習慣化について記事にしましたが、今回は、ヨガの習慣化の具体的なコツについてです。なぜかと言うと周りからヨガをしようと思ってもなかなか習慣化できない、という話を聞いたからです。

美容や健康のためにヨガスタジオと契約、レッスンに通おうと思ってみたものの、忙しい身で時間を捻出することができない。そこで思うのが、「お家でヨガを始めてライフスタイルに取り入れよう!」と思い立つこと。

ところが、いざ1日の始まりに朝やると決めても眠気に勝てず、朝ヨガ習慣が三日坊主なんて人は少なくないかもしれません。

ヨガの先生は、習慣化のためには「ヨガのメリットをよく理解してプラクティス・練習に励みなさい。」と言いますが、それでもできないのが人間です。

しかし、定期的な行動の先にある習慣化は、行動科学のアプローチで誰でも簡単に習慣化できます。行動科学と言うと難しそうですが、いわば「続ける技術」、「習慣化の方法」と言っても良いでしょう。

ヨガを習慣化できない本当の理由

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日常生活にこれまでやってこなかった新しいことを取り入れようとするのは、行動科学では「不足行動」と呼びます。

不足行動は、大抵すぐに成果を確認できず、長く続けなければ成果が得られないものが多いです。例えば、ダイエットのために「定期的に運動する」等は、不足行動の典型例。つまり、不足行動を継続するには時間、手間、コストが大きなハードルとなるのです。

また、不足行動は誘惑によって邪魔されやすいのも特徴。ヨガをやらなきゃと思っても、眠気に勝てず寝てしまう。この寝てしまう行動は、行動科学において「ライバル行動」と呼びます。

ライバル行動は享楽的で魅力的。人は何かを変えようと不足行動を増やそうとしてもハードルが高い一方で、ライバル行動の誘惑が強く、負けてしまうというわけです。

何をやっても三日坊主の自分が、ライバル行動の誘惑に勝てるのか?心配になるかもしれません。しかし、行動科学でアプローチすれば、ライバル行動に打ち勝ち「毎朝のヨガ習慣」を誰でも手に入れることができます。

効果だけを唱えてもダメ。大切なのは先行条件を整えること。

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具体的なコツを紹介する前に、最初に私たちの行動について少し考えてみましょう。行動科学では、私たちの行動には因果関係があると考えます。

(A)だから、(B)する。その結果、(C)になる。

(B)がターゲット行動、つまり毎朝ヨガを実践することと捉えると、(B)の発生は、(A)が直前の条件(フロント行動)になります。また、(C)は(B)の結果です(アフター行動)。

例えば、(A)暑いから、(B)エアコンをつける。その結果、(C)部屋が涼しくなる。という具合です。

(C)は、ヨガにおいては、ヨガがもたらす効果・恩恵と言えます。皆さん、この点については十二分に様々なメリットや期待を描いているでしょう。

ただ、このメリットはわかっていても実践できない人も多いはずです。それでもできないのが、悩みですよね。

(C)ばかりに目を向けても三日坊主は治りません。習慣化の鍵は、(C)をよく理解しておくことは間違いありませんが、ターゲット行動の直前の(A)に目を向け、しっかりと準備することがとても重要なのです。

つまり、(B)を見据えて状態を整えたり準備することは、先行条件を意図的に発生させる環境を整えてあげることであり、「毎朝のヨガ実践」は格段に実施しやすくなるというわけです。

ヨガ習慣化の7つのコツ

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それでは、典型的な例をもとに、ヨガ習慣化のおすすめのコツをご紹介していきます。

ただし、人によってヨガ実践に至らない理由は様々なので、以下を参考にしながら、自分の行動をチェックして、問題を明らかにしましょう。問題によって自分なりの対処策が代わりますので、あくまでもご参考に。

ライバル行動の発生を防ごう

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先ほどお話しした通り、ヨガの実践の先行条件である、フロント行動について自分なりに振り返ってみましょう。特にヨガ実践を阻むライバル行動はなんなのでしょうか?それはなぜ、発生するのでしょうか?

例えば、「眠気に勝てず、寝てしまう。」といった行動がライバル行動だとすると、以下のような行動で先行条件をコントロールできます。

1. 早く起きる時間分、早く就寝する

眠気に勝てないのであれば、その分早く就寝することです。ヨガへ期待する効果が大きければ大きいほど、やる気はあるはずです。

明日の朝、ヨガをすると決めたら、今日の夜はほんの少し早く寝れば良いのです。

2. なるべく同じ時間に就寝・起床する

人間の体はサーカディアンリズムが備わっています。毎日同じ時間に就寝・起床すれば、それが体に刻まれ、リズムになりますので規則正しい就寝のタイミングをとれば、朝、自然と目が覚めるようになります。

3. ヨガウェアは枕元に置いておく

煩わしいのは、起床してヨガウェアを選び、着替えること。であれば、着替えずにそのままヨガできれば最も望ましいかもしれませんが、パジャマのままヨガするのも現実的ではありません。何を着るか考える手間を排除するためには、寝る前にヨガウェアを枕元においておければこの手間を排除できますよね。

あくまでも枕元にヨガウェアを置いておくというのは一つの例です。ライバル行動をなるべく発生させず、スムースにヨガ実践へと移るために、他に何ができるのか、しっかりと考え、事前の準備をしておきましょう。

4. 就寝前にヨガマットはベット横にセットアップしておく

こちらも同様で、ヨガ実践に入る前の工程をなるべく省くためです。スムーズにヨガ実践に入れるよう、準備をしておきましょう。

体に負担をかけないスムーズなシークエンスを

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寝る前に、ヨガをする環境を整えたら、今度は気持ちよくヨガすることに集中します。そのためには無理のない範囲でスムースにヨガに入っていくことです。特にヨガ初心者の方はいきなりスタンディングポーズからではなく、むしろ寝たままできるポーズから入ることで、リラックスしてヨガできるようになります。

5. まずはライイング(寝座)のポーズから寝たままヨガを

ヨガマットに移動したら、いきなり立位のポーズに入るのではなく、で寝たままヨガに入り、徐々に目を覚ましていきましょう。

等のライイングポーズ(寝座)から入ります。
魚のポーズ(マッツヤーサナ)やススフィンクスのポーズ(サランバ ブジャンガアーサナ)は、就寝中に硬くなった背中全体の筋肉に柔軟性を取り戻します。

6. ニーリング(膝立ち)ポーズに移行

目が覚めてきたら、ニーリング(膝立ち)ポーズに入ります。
背中全体を動かす、

をやってみましょう。
ゆっくりと交互に行うことで、背中全体に動きがでますので、体が活性化してきます。

7. そしてスタンディング(立位)ポーズで活力を

その後は、無理なく

などスタンディング(立位)に移行することで、股関節をはじめとする下半身全体に活力を取り戻します。

ヨガ習慣化のためには、まずは振り返りを

Photo by yulia pantiukhina on Unsplash

今回、説明したように、ライバル行動の発生を防ぐ事前準備により徹底的に手間を省くこと、そして眠いままでも、無理なくヨガに入れるシークエンスを組むことで心地良さを感じやすくすることが、継続の秘訣です。

ただし、これまで説明した内容は一般的なもので、大切なのはヨガできない理由を振り返り、自分自身のライバル行動をしっかりと把握すること。自分なりのライバル行動を見極め、それに応じた準備をしましょう。

そうすれば、三日坊主にならず驚くほど簡単にヨガ習慣化が成し遂げられます。

なお、今回ご紹介した内容は、「続ける技術」という書籍を参考にしています。あらゆる習慣化に適用でき、ダイエットやマラソン、英語学習等、新しい習慣や何かの目標を達成しようとする上で、とても役立つ内容が詰まっていますので、ヨガの習慣化に限らず何か新しいことを始めようと思った際は、一読をオススメします。

Yu Staff

最初はサーフィンのために始めたヨガですが、ヨガから、ワークアウトや食事、呼吸法、瞑想など、もっぱら人間の脳、身体と心の繋がりへの興味が尽きない。最近はビジネス書よりもこれらをテーマにしたノンフィクションばかり読んでいます。