タンパク質を57%も含み、多種のアミノ酸などを含むまさに完璧と表現しても過言でないスーパーフード、スピルリナ。驚くことに特徴はこれだけではありません。スピルリナの特徴から効果・効能、食べ方まで知るべき情報をまとめています。
スピルリナは、アフリカや中南米の湖に自生する熱帯性の藻類の一つ。スピルリナの名前は、ラテン語で「螺旋(らせん)」を意味し、肉眼では確認できませんが、文字通りらせんの形をしています。
スピルリナの歴史は古く、誕生は古代にまで遡ります。30億年以上前から存在し、地球上に最初に誕生した生物の一つ。湖の周辺に住む人々は昔からスピルリナを原料に様々な食品に加工して使っていたと言われています。※1
では、なぜ、スピルリナがスーパーフードに分類されるのか?
それには、突出したタンパク質の含有量に加えて多様な栄養素が含まれていることがあげられます。
スピルリナが持つ栄養で際立つのがタンパク質の含有量で、スーパーフードの概念を提唱したデイヴィッド・ウォルフはスピルリナを「Protein Queen: タンパク質の女王」と呼ぶほど。
タンパク質は筋肉を作る上で使われることはご存知の方も多いでしょう。それ以外にも内臓や血液、ホルモン、酵素などタンパク質は私たちの身体を形作る主要成分。スピルリナに含まれるタンパク質は100g中、57gと実に57%ものタンパク質 ※2 を含みます。
この数値はタンパク質が多いとされる食肉(28g ※2)の2倍、丸干いわし(32.8g)、しらす干し(40g)よりも多いのです。もちろん、スピルリナを100gとるというのは現実的でありませんが、含有量の多さはご理解いただけると思います。
タンパク質はアミノ酸が連結して構成されています。アミノ酸のバランスを評価する指標としてSefl Nutrition Dateが提供するアミノ酸スコアがありますが、このスコアでスピルリナ(ドライ)は103点とハイスコアを示しています。※ 3
含有するアミノ酸は18種類に渡り、体外から摂取しなければならない必須アミノ酸9種類のうち、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリンと実に8種を含む ※4 のです。
ビタミン類は、タンパク質や脂質、炭水化物などの糖質からエネルギーを生み出すために必要で、体内で作り出すことはできず体外から摂取する必要があります。
スピルリナには、β-カロテン(プロビタミンA)、ビタミンB1・B2・B6・B12、ビタミンE、ビタミンK、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸といったビタミン類が含まれています。
特にビタミンB12は、赤血球に働きかける大切なビタミンですが、野菜にはほとんど含まれていません。
ミネラルはビタミン同様に、タンパク質や脂質、炭水化物(糖質)の代謝に関係がある他、体液量や酸・アルカリ度の調整、筋肉や神経のはたらきの調節にも欠かせません。スピルリナには、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄分、亜鉛、マンガン、セレンといったミネラルを含みます。
通常、γリノレン酸はリノール酸から合成され、様々な生体調整ホルモンに変換されます。その後、私たちの臓器や生命維持、健康維持に使われるのです。しかし、近年の加工食品の増加によってトランス脂肪酸の過剰摂取、そしてリノール酸摂取過多が、γリノレン酸の合成を阻害させているといった見方があります。
そのため、γリノレン酸を摂取しておきたいところですが、γリノレン酸は母乳や月見草といったごく限られたものにしか含まれていません。事実上、γリノレン酸を直接摂取するのは難しいと言われていたのです。
これだけの栄養を含みながら、消化吸収率が95% ※4 と非常に高いのが特徴です。比較的高いとされる食品でも40〜50%ですので、スピルリナの消化吸収率の高さは特異的です。
スピルリナが豊富な栄養素が詰まったスーパーフードであることはご理解いただけたと思います。多様な栄養素が一つにつまっているからこそ、様々な効果が期待できるわけです。
例えば、生活習慣病の予防でよく言われる食生活の改善は(とともに運動も大切。)、つまりバランスのとれた多様な栄養を摂ることに他なりません。そうした観点でもスピルリナを加えることで不足しがちな栄養を補えます。
また、ビタミン類で紹介したβ-カロテンは緑黄色野菜によく含まれていますが、β-カロテンは緑黄色野菜と比較しても2倍以上含まれています。β-カロテンはビタミンAの作用をする他にも、活性酸素を減少させる抗酸化作用や抗炎症作用があることがわかっています。
さらに鉄分だけを取り上げても、レバーよりも多い鉄分を含んでいますので貧血予防にも効果が期待されます。
スピルリナを食べるには、タブレットタイプで販売されているものか、パウダーが一般的。タブレットタイプはサプリメントのような感覚でお水と一緒にいただくので手軽に摂取できます。
粉末のパウダータイプのものは、スムージーやスープに混ぜたりと料理に活用できます。若干、独特の風味がありますので、抹茶と混ぜたりするなど工夫してみてください。
スピルリナの個々の成分や栄養の効果を取り上げるときりがありませんが、スピルリナは不足しがちな健康・栄養成分が50種類以上も含まれている食品。