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猫背改善に効く6つのヨガポーズ – 姿勢を正せば6歳若返る

以前よりも自分が猫背になったと感じる女性は6割にもおよびます。また、猫背の人は4〜6歳も老けて見えてしまうそうで、穏やかな話ではありません。今回は、日常に潜むあなたの猫背習慣を明らかにし、予防や姿勢改善に効くおすすめヨガポーズ6選を紹介・解説します。

友達と一緒にとった写真やショーウインドウに何気なく写り込んだ自分の立ち姿に、姿勢が悪いと感じて、ガッカリしてしまったことはありませんか?

立ち姿から自分が疲れているように見えてしまったり、実際の年齢よりも老けて見えてしまったり。気のせいなら良いのですが、実際、姿勢は他人からみた印象を大きく左右します。ダイエットには敏感でも、姿勢の大切さについて知らないという方は是非読んでいただきたい記事です。

約6割の女性が以前よりも猫背になっていると実感

Photo by Larisa Birta on Unsplash

姿勢が悪いといえば猫背。特に最近は、猫背の女性が増えています。

株式会社ソシエ・ワールドが、全国の20~50代の女性600名を対象に実施した「女性の姿勢に関する調査」によれば、実に56.6%の女性が以前よりも自分が猫背になったと実感していることが明らかになりました。※ 1

また、猫背によって実年齢よりも老けて見えると9割の人が回答。さらに見た目と実年齢の差は4〜6歳もの差があることも。姿勢がどれだけ重要なのかよくわかる調査ですよね。

では、なぜ猫背の女性が増えているのでしょうか?

要注意 猫背を生む日常習慣と予防策

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日常の習慣とも言うべき、いくつかの行動が猫背を生んでいる現実があります。残念ながら、ほとんどの人が当てはまると言って良いでしょう。だからこそ猫背を実感する女性が増えているのです。

1. 長時間のスマホ

スマホを閲覧する際、首を前に傾ける姿勢を繰り返し、長時間続けると、頭が前に突き出て、首から背中全体が丸くなっていきます。これをストレートネックと言います。

成人の頭は約5kg。これを首を前傾することで、感じる重さが増し、頸椎に負担がかかった状態となってしまいます。

スマホを見るな、というのは現実的ではありません。しかし、スマホを見る際は、なるべく自分の頭に近い位置まで持ち上げて、頚椎に負担をかけないようにしましょう。

2. 長時間のデスクワーク

長時間のPC操作、特に最近はラップトップPCで作業をしていることが多くなりました。

自分の頭の位置と比較して、画面が下に配置されることで、背中を丸める状態が長時間続くことになります。また両腕を前に出して作業することからさらに背中が丸々という悪循環となります。

出来る限り画面を高くする工夫をして、首が前傾しないようなポジションをキープすることが望まれます。

3. 足を組んで座ったり、姿勢の悪い座り方

デスクワークの最中に、足を組んで座ってみたり、お尻を座椅子の前方に置くことで、腰が曲がり、その状態を長時間維持することで胸椎全体に負担をかけます。これもまた猫背の主要な原因です。

椅子に座る時は、なるべく足を組むことはぜず、お尻を深く置き、腰椎や胸椎が直立するよう、意識的に姿勢を正しましょう。

4. ヒールの高いパンプス

日本の職場で女性がハイヒールおよびパンプスの着用を義務づけられていることに抗議する社会運動である#KuToo 運動。健康の見地からみても見過ごされてはいけません。

親指の変形や外反母趾に発展する他、猫背が増えていることも、パンプスが影響しているかもしれません。ヒールの高いパンプスを履いた際に、姿勢に注意しないと腰を前に反り、お腹が前に突き出た状態を維持することになり、これもまた猫背の原因になります。

痩せている方でも隠れ猫背の可能性もありますので、注意が必要です。

もちろん、立ち姿をスラッとするためにもヒールの高いパンプスを好んで履いている方も多いでしょう。その場合、最近は姿勢への影響に配慮した機能的なパンプスも出てきています。自分の足にあったパンプスを選択することをオススメします。

猫背の原因は、姿勢不良と筋力低下、そして柔軟性低下

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では、なぜ、これらの習慣が猫背を生んでしまうのか?

そもそも人間の背骨は首から腰まで一直線になっているわけではありません。

背骨は大まかに首の周辺である頸椎、胸の周りの胸椎、そして腰周りの腰椎に分かれ、背骨の頸椎は前弯、胸椎は後弯、腰椎は前弯と、S字カーブを描いています。人間が直立時でも無理なくバランスを保てているのは、このS字カーブの構造からなのです。

しかし、上記に挙げた長時間の姿勢不良が原因となり、背骨や骨盤に歪みを生じさせ、さらに筋力低下と柔軟性の低下により、体が猫背のまま常態化されてしまうのです。

猫背を改善する効果的なヨガポーズ

Photo by Jade Stephens on Unsplash

猫背を改善するためには、頚椎、胸椎、腰椎、骨盤の矯正と、それらを支える筋肉を鍛えること。そして筋肉と関節の柔軟性を取り戻すことが必要です。

具体的には、正しい姿勢を保つために必要な胸周辺の筋肉、背筋、腹筋(インナーマッスルも含む)などの筋肉を鍛えること。特に、その中でも特に背筋は猫背改善のためには欠かせません。

また、同時に首や肩甲骨、胸周辺の筋肉と関節に柔軟性を取り戻すことが必要です。

以下に、これらの観点で効果的なヨガポーズをピックアップし、それぞれのポーズのやり方を解説していきます。

なお、今回は初心者の方からすると難易度が高いポーズも含まれていますので、ポーズをとるときに苦しさを感じたら、無理せずにやめましょう。スタジオに通っている方であればインストラクターに正しく取れるようアドバイスをもらってみてください。

1. 上向きの顔の犬のポーズ(ウールドゥヴァムカシュヴァーナーサナ)

上向きの顔の犬のポーズは、背骨を鍛えるのに効果的。同時に胸が開くのでストレッチ効果が高いです。腰椎から後屈すると腰を痛める危険性もあります。背骨全体を使い、胸を広げることを意識しましょう。

  1. うつ伏せになる。両足を腰幅に開き、足の甲をつけて足全体をまっすぐ伸ばす。
  2. 両手を横の床におく。手の指先は前方に向けておく。
  3. 息を吸いながら頭と上体を持ち上げ、腕をまっすぐ伸ばして頭と上体をできるだけ後ろにそらす。
  4. 背骨、腿、ふくらはぎを十分に伸ばし、また、臀部をかたく締める。
  5. 胸を前方に押し出し、首を十分に伸ばしてから、頭をできるだけ後ろへそらす。
  6. 手のひらで床を押すようにして、腕も十分に伸ばしていること。深呼吸を繰り返す。

より詳しいポーズの解説は以下からチェック。


ヨガポーズガイド:上向きの顔の犬のポーズ(ウールドゥヴァムカシュヴァーナーサナ)


2. 下向きの顔の犬のポーズ(アドームカシュヴァーナーサナ)

下向きの顔の犬のポーズは、骨盤から下のハムストリングスからふくらはぎ、アキレス腱、かかとまで全体を深くストレッチし、上半身は肩甲骨周辺の硬さを取り除く上で効果を発揮するポーズです。

腹部の筋肉を引き締め、縮めなければ正しくとれないポーズであるため、腹筋強化にも効果があります。

  1. 顔を伏せてうつ伏せになる。両手を指先が前方を指すようにして胸の横におく。
  2. 息を吐きながら床から上体を上げていく。手を伸ばし、頭を足の方向に引きつけ、頭頂部を床につける。
  3. 膝の裏をのばしたままに保ち、かかと、足の裏は床から離さない。両足先は前方に向け、平行を保つ。
  4. 息を吐きながら頭を床から持ち上げ、上体を前方に伸ばすようにしてゆっくりと床に身体を下ろし、休む。

より詳しいポーズの解説は以下からチェック。


ヨガポーズガイド:下向きの顔の犬のポーズ(アドームカシュヴァーナーサナ)


3. 三日月のポーズ(アンジャネーヤーサナ)

三日月のポーズは、骨盤、股関節から脊柱を中心としながら肩甲骨まで、背中全体を一気に調整できるヨガポーズです。姿勢の維持のためには腹筋も必要となりますので、猫背改善のために効果的なポーズと言えるでしょう。

  1. ひざまずいた姿勢から、膝を曲げたまま右足を前に踏み出し、右の腿と床を平行にして膝を直角に保つ。
  2. 左脚前面を伸ばす。左脚の付け根から膝までをよく伸ばし、さらに膝から足首、足の甲からつま先にかけて伸ばす。
  3. 両腕を頭上に上げ、胸を持ち上げながら指先までぴんと伸ばす。楽にできる程度まで後屈し、尾骨を床の方へ伸ばして、左腿の前面をストレッチする。
  4. 左右の腰をさらに一段落とし、限界ギリギリまで後屈。背中は引き上げる。腕を斜め上に持ち上げる。
  5. 手のひらは向き合わせるか、首・肩が硬くならないようなら合掌。
  6. 息を吐きながら手を戻し、床に四つん這いの姿勢になる。

より詳しいポーズの解説は以下からチェック。


ヨガポーズガイド:三日月のポーズ(アンジャネーヤーサナ)


4. 弓のポーズ(ダヌラーサナ)

弓のポーズは、背中を伸ばすとともに、肩甲骨を縮め、胸筋の伸びを大きく感じるポーズです。加齢に伴って低下する筋力と柔軟性を取り戻す上で効果的なポーズです。

  1. うつ伏せになる。息を吐きながら膝を曲げる。
  2. 両手を後方に伸ばし、左手で左の足首、右手で右の足首を掴む。
  3. 息を吐ききるようにして、膝を床から離し、体を伸ばしながら両手をさらに上げ、胸も反らせる。
  4. 足が完全に上がるようになってから、両腿、両膝、両足首をお互いに合わせていく。
  5. 息を吐きながら足首から手を離し、足を伸ばす。

より詳しいポーズの解説は以下からチェック。


ヨガポーズガイド:弓のポーズ(ダヌラーサナ)


5. 門のポーズ(パリガーサナ)

門のポーズは、骨盤とその周辺が伸展させながら、腹部を一方へ曲げるポーズです。他方が伸展するで、腹筋周辺の筋肉と腹部内臓の調子が整うと言われています。

  1. 両足首をつけて膝まづく。
  2. 右足を伸ばして、右足、上体、左膝が一直線になるようにおく。右膝をまっすぐ伸ばして、右の足首以下を外に向ける。
  3. 息を吸いながら、両手を横に伸ばす。
  4. 息を吐きながら上体と右手を、伸ばした右足の方へ曲げていく。右手をできるだけ右足首に近づけ、右腕、手首を、それぞれ右向こうずねと足首につける。
  5. 息を吸いながら上体と手を戻し、次に右足を曲げ、ひざまづき、①に戻って左右の足首をつける。

より詳しいポーズの解説は以下からチェック。


ヨガポーズガイド:門のポーズ(パリガーサナ)


6. 捻った三角のポーズ(パリヴルッタトリコーナーサナ)

捻った三角のポーズは、背骨から背中全体の筋肉の機能を整え、背中の痛みを取り除きます。胸部の可動域も広がることで腹部内臓の働きを高めます。また、下半身のももとふくらはぎの筋肉とハムストリングまで整えますので全身の姿勢改善に効果的です。

  1. 両足を大きく開き、両手を横にまっすぐ伸ばして、手のひらは下に向ける。
  2. 右足先を90度右に、左足先を60度右に向ける。左膝はまっすぐ伸ばす。
  3. 息を吐きながら、上体を右後ろへ捻っていき、左の手のひらを右足外側の床につける。
  4. 右手が左手と一直線になるまで伸ばし、右手の親指を見つめる。両膝をまっすぐ伸ばし、足の指は床にぴったりとつけ、左の足の裏の外側(小指側)を床から離さないようにする。両肩、両肩甲骨をしっかり伸ばす。呼吸を繰り返す。
  5. 息を吸いながら左手を床からまず離し、上体を①の形に戻す。
  6. 息を吐きながら、左足先を90度左に、右足先を60度左に向け、右の手のひらを左足外側の床につける。両側も同じ時間呼吸を繰り返す。
  7. 息を吸いながら上体を元の位置に戻し、両手は真横に伸ばしたままで、両足先を前向きに戻す。

より詳しいポーズの解説は以下からチェック。


ヨガポーズガイド:捻った三角のポーズ(パリヴルッタトリコーナーサナ)


猫背を直せば、あなたの人生は好転する

Photo by Rowan Heuvel on Unsplash

姿勢不良と筋力の低下、柔軟性の低下から生じる猫背は、人の見た目を実際の年齢よりも老けて見せるだけではありません。血行不良から肩こり腰痛の原因ともなります。

また、猫背の人は自信がないように写ります。ストレスによって自信がもてないと、さらに猫背になり、それがまた悪循環になることもあるのです。これは姿勢が、自律神経と密接に関係があることから、うつ病などの精神的疾患を引き起こすことに起因するという考え方もあります。

姿勢改善は、外見の容姿はもちろんのこと、マインドがポジティブになり、内面の美しさも獲得できると言えるでしょう。ヨガで猫背を正せば、外見はもちろん、自信を持った自分になることができるのです。


参考情報:

※1 女性の姿勢と体形に関する調査 結果発表 猫背女子が増えている!? 「以前より猫背になった実感」がある女性は56.6% 姿勢が悪いと約5歳老けて見える


Yu Staff

最初はサーフィンのために始めたヨガですが、ヨガから、ワークアウトや食事、呼吸法、瞑想など、もっぱら人間の脳、身体と心の繋がりへの興味が尽きない。最近はビジネス書よりもこれらをテーマにしたノンフィクションばかり読んでいます。