ヨガ

ヨガは宗教なの? – はっきりしたい疑問に答えます。

モデルや女優の人でヨガをやっている方はとても多く、女子力の条件とも言われるヨガですのでヨガが宗教といった印象は感じません。しかし、インドから伝わったヨガがなぜこれだけ流行っているのか?不思議に思う方も多いと思います。今回はヨガの歴史からどのような過程で現代のヨガが生まれてきたのか、解説したいと思います。

宗教?エクササイズ?ヨガって一体なんなの?

今では大手スタジオがホットヨガを展開しているように、ヨガは一般にも浸透しています。ヨガをする女優やモデルさんも非常に多く、特に女性にとって、ヨガは美容や自分磨きの手段としてとても人気です。一方で、プラーナ、チャクラなど科学では説明できないヨガ業界特有の用語があり、また瞑想は宗教的儀式を想起するために、スピリチャルな要素も多分にあります。

そして疑問になるのが、ヨガってエクササイズなの?宗教なの?ではないでしょうか?

結論から言えば、ヨガの歴史から宗教に影響された部分が多くありますが、現代のヨガでは特定の宗教に限ったものではなくなっています。現在でもヒンドゥー教において、ヨガに全てを捧げ、出家した行者(サドゥ)もいます。しかし、インドでは一方で出家せずに習慣としてヨガをしている人が多数いるのです。

それではヨガはどのような歴史がありどのように発展してきたのでしょう?

ヨガの歴史 – 4500年も前に生まれた

もともとヨガは、今から4500年前(紀元前2500年頃)にインド地方で生まれたと言われています。紀元前1000年頃になると、バラモン教を信仰していたアーリア人よってヴェーダ聖典(宗教的書物)が編纂され、そこでヨガに通じる哲学や考え方が紹介されたと言われています。

そして、ヨガとしてしっかりと体系化されたのが、2〜4世紀頃、インドの哲学者パタンジャリによって「ヨーガ・スートラ」が編纂されました。「ヨーガ・スートラ」は初めてヨガを体系化した教典であり、八支則と呼ばれるヨガを深め、悟りを開くための段階的方法を確立しました。

実は当初のヨガは、瞑想と瞑想を適切に行うための坐法が主で、私たちのイメージであるポーズ(アーサナ)をとるハタ・ヨガは、12〜13世紀頃になってやっと体系化されました。ハタ・ヨガは、八支則の3段階目のアーサナ(坐法)と4段階目のプラーナヤーマ(呼吸法)を拡大させてさm様なポーズを体系化したと言われ、これもまた瞑想を適切に行うために行われるものなのです。


もっと詳しく:ヨガの歴史


瞑想こそがヨガの究極の手段

ヨガの最終目標は、アーサナ、呼吸法を通じ、最後に瞑想といったヨガの実践を通じて、大自然や宇宙と自分を一体化させるという壮大なものです。「ヨガ」とはサンスクリット語の「ユジュ」から来ており馬と馬車を繋げる「くさび」を意味しています。つまりヨガは「繋げる」といった意味です。

最終的な目標に到達するかどうかはさておき、その過程で得られるものが大変すばらしく、現代の国内で見れられるヨガのほとんどは、それらのエッセンスを現代にマッチした形で発展してきたものと言って良いでしょう。
ここ日本やアメリカにおけるほとんどのヨガが、精神的/身体的健康を獲得する方法として発展していますので、すなわち宗教であるとは言えません。

表面的にヨガを利用する宗教団体に注意しよう

しかし、オウム真理教が、当初ヨガサークルとして始まったことで国内のヨガのイメージが悪くなったのは事実です。さらにその後継団体が今でも存在し、表面的にヨガを打ち出して勧誘を継続しているようです。団体名ではなく、ヨガサークルと名乗るとのことですから注意しなければなりません!

道端の勧誘行為や、チラシだけで人を集めることそのものが怪しいですね。勧誘されたら、しっかり団体名を聞いて、答えられないようであれば、受け答えせずに、その場から立ち去るのが一番です。そもそも今はインターネットで情報収集できる時代。ほとんどのヨガスタジオがウェブサイトを開設しています。訪問する前に必ずチェックしておきましょう。

アーユルヴェーダとともに日常に溶け込むヨガ

私たちの日本では、四季の中の暦にも、その根源が仏教や神道に基づいたものが多くあります。それと同様、インドにおいてもヨガは日常に溶け込んでおり、特にヨガと姉妹関係にあるアーユルヴェーダは、その最もたるものと言って良いでしょう。アーユルヴェーダでは、私たち固有に持つ体質(ドーシャ)によってとるべき食べ物やスパイスが決定され、スパイスが薬として配合されます。

そこには宗教団体のイメージはなく、むしろ、その土地の歴史や宗教を現代まで色濃く繁栄したのがヨガと言えるのではないでしょうか?


もっと詳しく:アーユルヴェーダが生活そのものなリシケシの食事事情


実践を前提とするヨガは、”道”に近い

ヨガにはヨガ哲学が存在するのも固有の形を形成する一つの理由です。ヨガには八支則と呼ばれる人生の生き方をまとめた経典のようなものがあります。人生の生き方にまで踏み込むヨガはなんなのでしょうか?

アメリカにおいてのヨガの発展は目覚しいものがありますし、ここ日本でもフィットネスクラブの一つのクラスとして始まり、今では多くのヨガ専門のスタジオが開設されるまでに発展しています。

宗教とは距離を置きながらも、日常的にヨガをライフスタイルとして取り入れる人がいたりと、イマイチ分かりにくいものですね。

これは、人により意見は異なるかもしれませんが、何かに例えるのなら、ヨガは”道”に近いのかもしれません。茶道や華道、剣道や柔道。宗教とは異なり、あらゆる所作に自己を研磨、啓発するものとして見出し、探求する”道”です。

ヨガはいわば自己研磨の一つの方法

ヨガはアーサナ(ポーズ)だけでなく、呼吸法と瞑想から成り立ちます。アーサナでは姿勢を改善し、呼吸で自律神経を整え、瞑想で感覚や感情をコントロールすることを学びます。

これらをプラクティスする過程で、哲学を参照しながら自らをエンパワーメントしていくものと言えます。ヨガを継続することで、外見の美しさだけでなく、内面をも変革し、より良い人生をおくることができるのです。エンパワーメントこそがヨガの最大の効果です。

様々な取り組み方がある

“道”というと畏まってしまう人もいるかもしれません。

しかし、何千年も続きながらも現代にマッチした形で変化してきたのがヨガです。美容や運動不足の解消といった目的にも応じてくれるのがヨガです。実際、ヨガの呼吸法や瞑想、ポーズは科学的にも様々な効果が実証されています。

これらに共通して言えるのは、実践しなければ始まらないこと。ヨガも実践しなければ始まらりません。軽い気持ちでも全く問題ありませんから、是非ともヨガを始めてみてください。


参考元:

ヨガ初心者のためのヨガの始め方

Getting Started with Yoga

Yu Staff

最初はサーフィンのために始めたヨガですが、ヨガから、ワークアウトや食事、呼吸法、瞑想など、もっぱら人間の脳、身体と心の繋がりへの興味が尽きない。最近はビジネス書よりもこれらをテーマにしたノンフィクションばかり読んでいます。