栄養と食事

スーパーフード – 知っておきたい厳選9種と効果効能

現代人の健康をサポートするカギとして期待が集まるスーパーフード。雑誌やメディアで目や耳にすること多くなりました。しかし多くのスーパーフードが登場しているので今こそスーパーフードの歴史や定義などしっかり知っておきたいところ。スーパーフードの基礎から押さえるべき9つのスーパーフードをまとめています。

最近よく聞くスーパーフード。女性誌でココナッツオイルやアサイー、チアシードが登場する回数も多くなっていますね。またスーパーでも見かけるほど購入できる場所も広がっています。

スーパーフードの歴史

そもそもスーパーフードはどのような経緯でなぜ注目されるに至ったのでしょう?

古くから先住民などに利用されながらも、「スーパーフード」という言葉が一般の間でポピュラーになったのは実は最近のこと。2000年代に入り米国でデイヴィッド・ウォルフ氏がローフードやリビングフードを紹介。「生、非加熱のもの」はローフード。そして、生のものに加えて「生きている」もの、例えば加熱はしているけれど菌は生きているという考え方から、納豆や味噌、醤油などの発酵食品を含めたリビングフードが紹介されました。

そして、2009年になって、同デイヴィッド・ウォルフ氏が「Superfoods」という書籍を出版し、米国のセレブやモデルなどの間で一気に広がりました。その米国の勢いが、ここ日本に伝わり2013年頃から、美容に敏感な女性が取り入れ始め、今もなお急激に広まりをみせています。

スーパーフードの定義と進展する基準作り

そもそも、スーパーフードに定義はあるのかというと、実は現段階での細かな定義はないのですが、

  • 栄養バランスに優れている
  • 一般的な食品よりも栄養価が高いもの
  • 或いは、ある一部の栄養素が突出して多く含まれている食品

がスーパーフードとされています。

米国が牽引するローフード / リビングフードカルチャー

2000年代に入り、ローフードやリビングフードでスーパーフードが支持され始めたことをうけ、全米統一のオーガニック基準が作られると同時に急速に健康志向が高まりました。

その結果、ヘルスコンシャスな層を中心に人工的なサプリメントに対して距離を置き、低加工で化学合成物質無添加のナチュラルフードがますます受け入れられるようになっていきます。

日本でスーパーフード認定や認証の動きも

現在、日本でも日本スーパーフード協会により、良いスーパーフードに認定マークをつけようという動きがあります。原材料にスーパーフードを高い配合で使っている、トレーサビリティが明確であることなどを推奨表示の審査対象として、2016年4月25日から、推奨マークの申請受付を開始しているようです。

また、4月に設立された国際スーパーフード学術機構は、科学的な根拠のあるスーパーフード表示を目指し、スーパーフード表示をしたいという製品を預かり、実際に分析して機能性成分を測定し、有効な量が入っていると認められるものにだけ表示許可を与えるとしています。

“有効な量”とは、世界中から集められるスーパーフードの研究による学術論文を参考にするそうです。いずれも誤解がなく、消費者の立場に立った明確な基準作りが進むことを期待したいですね。

厳選9つのスーパーフードと効果・効能

スーパーフードの健康効果は、最新の医学研究でも明らかになってきています。代表的なスーパーフードをご紹介するとともに効能について概要をまとめています。

今後、各スーパーフードについて掘り下げてご紹介していきます。楽しみにしておいてくださいね。

1. ココナッツオイル

ハリウッドセレブのライフスタイルの中に取り入れられているスーパーフードとしてココナッツオイルは既にポピュラーになっていますね。ココナッツオイルは常温で固まるのが特徴なのですが、植物油としては珍しく中鎖脂肪酸が60%と非常に多く含まれているから。

中鎖脂肪酸はココナッツの他パームフルーツに含まれる天然成分で、比較的早く吸収・吸収されるので代謝も早いと言われます。さらに体内に蓄積された脂肪を使ってエネルギーに転換されるので「痩せる油」とも言われていることにも注目です。

ココナッツオイルのの主な効果

ココナッツオイルは中鎖脂肪酸の体脂肪蓄積の抑制効果がよく取り上げられますが、それだけではありません。免疫力を高めたりケトン体を効率的に作るなど、様々な効果が期待されています。

  • 体脂肪蓄積を抑える
  • 骨量減少を抑える
  • 血圧上昇抑制
  • ストレス耐性向上

ココナッツオイルの効果や最新の研究、そして上手な食べ方まで以下の記事で取り上げていますので、詳細はこちらをご確認ください。

詳細:私たちを虜にするココナッツオイル!効果を引き出す上手な摂り入れ方

 

2. チアシード

シソ科植物でミントの仲間であるチアシードは、中南米の伝統的な食材。歴史は古く、古代アステカ王国では先住民が神に捧げるメディカルフードとして用いられていたそう。私が生産国であるメキシコに行った際、チアシード入りのチョコレートなど様々な食物が販売されていましたが、お土産として大変喜ばれていると現地の方に勧めていただきました。

チアシードの特筆すべき特徴は必須アミノ酸9種のうち8種を含むこと。さらに全体では18種ものアミノ酸まで含まれています。また、最近の美容食でよく聞かれるオメガ3必須脂肪酸、そして豊富な食物繊維を含んでいることがスーパーフードと言われる所以です。

チアシードの主な効果

アミノ酸やオメガ3必須脂肪酸を含有するチアシードは、以下のような効果・効能が期待されています。また、チアシードの研究も世界中で広まっています。

  • 脂肪代謝を正常化
  • LDLコレステロール上昇を抑制
  • 血糖値上昇を抑制

チアシードは数あるスーパーフードの中でも食べやすいと言えます。チアシードの効果・効能から最新研究、そして上手な摂り入れ方については以下でまとめています。

詳細:なぜすごいの?スーパーフード チアシードの奇跡的な栄養素とその効果

 

3. アサイー

By CostaPPPROwn work, CC BY-SA 3.0

アサイーはブラジルのアマゾン川流域に自生するヤシの一種。セレブの間でも人気のあるアサイーはすでに取り入れている方も多いですし、都内のカフェなどではもはや定番と言っていい存在。

アサイーには抗酸化物質であるアントシアニンが豊富に含まれていることで有名。また食物繊維、アミノ酸、必須脂肪酸他、カルシウム、カリウム、鉄分、マグネシウム、ビタミンEなど、数多くの栄養素が含まれています。

アサイーの主な効果

エイジングケアを気にする方ならアサイーの抗酸化力は嬉しいかもしれません。アサイーを毎日摂ると4週間で抗酸化力がアップしたという研究結果もあるほどです。その他、女性が不足しがちな多くの栄養素を含むアサイーは以下のような効果・効能が期待されています。

  • 酸化ストレス減少
  • 内臓脂肪の蓄積抑制
  • 記憶力向上
  • 抗がん作用

など。

アサイーの研究から明らかになった効果や食べ方については以下の記事にてまとめています。

詳細:スーパーフード アサイーの驚異の抗酸化力が忙しい女性を救う

 

4. キヌア

By Pom²Own work, CC BY-SA 3.0, Link

最近ではナチュラルローソンなどの店頭にも並び、さらには国産キヌアの栽培も始まっているキヌア。精白米に比べて食物繊維が約10倍、カルシウムが約6倍、鉄が約4倍。さらに必須アミノ酸9種を全て含有される穀物として国際的に注目を浴びています。

また、キヌアに含まれる葉酸と豊富な鉄分は貧血予防にもつながり、血流を改善するビタミンEも含まれることから貧血や冷え性に悩む女性なら積極的にとってほしいスーパーフードです。

キヌアの主な効果

他のスーパーフードとも引けを取らない多種多様な栄養素は様々な効果・効能が期待されています。特に女性なら気になる症状

  • 酸化ストレス減少
  • 便秘予防
  • 貧血予防
  • 血流促進
  • 血中脂質改善など

完全食品とも言われるキヌアの栄養素はここで伝えるのが難しいです。以下の記事で詳細をまとめていますので、ご覧になってみてください。

詳細:女性に愛される理想のスーパーフード、キヌアとは?

 

5. スピルリナ

スピルリナは、アフリカや中南米の湖に自生する熱帯性の藻類で、たんぱく質が豊富に含まれていることが特徴の一つ。なんとスピルリア100gあたり57gものたんぱく質が含まれているそうですから、実に約6割がたんぱく質で、「タンパク質の女王」とも呼ばれています。(SOURCE: USDA

また、スピルリナのたんぱく質を構成するアミノ酸はとてもバランスが良いことでも知られています。さらにビタミン類、ミネラルなど、本当に驚きの栄養素を持っているのです。

スピルリナの主な効果

多種多様な栄養素を持つスピルリナが期待されている効果・効能は計り知れませんが、主に以下のようなものです。

  1. 酸化ストレス低下
  2. 高脂血症改善
  3. 抗炎症作用
  4. 脂肪性肝疾患患者の脂質代謝改善
  5. アレルギー軽減

スピルリナの詳しい説明は以下の記事をご覧ください。

詳細:スーパーフード スピルリナ – タンパク質の女王と言われる驚きの実力

 

6. アマランサス

アマランサスも栄養価の高い穀物としてポピュラーです。100gあたりタンパク質は13g(精白米の2倍)、鉄 9.4mg(ほうれん草の2.4倍)マグネシウム 270 mg(精白米の12倍) (SOURCE: 日本食品標準成分表)の他豊富な栄養素を含んでいます。

アマランサスの主な効果

  1. コレステロール低下
  2. 食後血糖値の上昇抑制
  3. 体重増加の抑制
  4. 酸化ストレス軽減

など。

7. クコの実(ゴジベリー)

楊貴妃も美しさを保つために食していたと言われているクコの実は、ゴジベリーとも呼ばれ、長年、東洋医学の滋養強壮薬として、加齢とともに機能低下する肝臓や腎臓、目などの抗老化を目的に用いられています。近年、西洋医学でもその効果のメカニズムが明らかになってきています。成分の40%を多糖体が占め、そのほか、カロテノイドのゼアキサンチン、βクリプトキサンチン、ポリフェノール、ビタミン、ミネラルなど、多くの機能成分を含み、抗酸化力が高いのが特徴です。

ゴジベリーの主な効果

  1. 目の老化防止
  2. 脳神経疾患の予防
  3. 抗がん作用
  4. 未病の改善

など。

8. カカオ

チョコレートやココアパウダーの主原料であるカカオ豆。カカオはエピカテキン、ブマロアントシアニジンなどのポリフェノール類を豊富に含むため抗酸化力が高く、その抗酸化力はパウダーのブルーベリー、クランベリーなどよりも高かったという報告もされているほどです。

カカオの主な効果

  1. 動脈硬化の予防
  2. ストレス緩和
  3. 認知機能の向上

など。

9. クルミ

クルミは、最近注目を浴びているオメガ3(n-3系脂肪酸のαリノレン酸)の含有量が多く、全重量の47%を多価不飽和脂肪酸が占めているのが特筆すべき特徴です。一方でエネルギーは、100gあたり674kcal(SOURCE: 日本食品標準成分表)と高カロリーでもあるので食べ過ぎには注意したいところ。

セレブの間ではちょっとした間食にクルミやナッツを少量摂るといった習慣がたまに紹介されたりしていますが、バランスを考えるとこうした食べ方が良いのかも。

主な効果

  1. 糖尿病リスクの低下
  2. 動脈硬化リスクの低下
  3. 認知機能の維持、向上
  4. 紫外線から角化細胞を守る

など。

日本も負けてない!日本が誇るスーパーフード

スーパーフードというと、馴染みのない特別な食物ばかりで、家庭用のレシピ、特に日本人に受け入れやすい、和食に合うものがあるのか、という疑問が抱かれますが、スーパーフードには、東洋医学の“医食同源”にも通ずる考え方があります。

最近では、日本の食卓に並ぶ見慣れた食物の中にも栄養価が高いと改めて見直され、スーパーフードに含まれる食物もあると注目されています。

日本人にとって身近で使いやすいスーパーフードとしては、

  • 玄米
  • 抹茶
  • 納豆
  • 昆布
  • にんにく
  • 味噌
  • 生醤油
  • キムチ
  • 蕎麦
  • 甘酒
  • ヨーグルト
  • 蜂蜜
  • 亜麻仁油など

が挙げられています。

スーパーフードといえどバランスが大事

大豆粉のグルテンフリーパンケーキミックスを、牛乳と卵を使わずに、ココナッツウォーターで作りました。

最後に、スーパーフードがなぜ注目されるのかは、当たり前ですが、日常で摂る食物と比較して、高い栄養素を含んでいるからです。一つのスーパーフードのなかで多種多様な栄養素が含まれているとそれはそれで特徴がなくなってしまいます。

難しいのですが、個人的にはスーパーフードと呼ばれるものの中で、特筆すべき栄養素がありながらも、偏りをなくすためなるべく多くの栄養素が含んでいるものを選ぶなど、一つの目安として置いています。そして、ある一つの栄養が高いスーパーフードを、他の栄養素を多く含む食材とを上手にレシピで組み合わせることが必要だと思っています。

私たちはある側面だけを切り取り信じてしまいがちですが、(それはそれは事実なのですが)何事もバランスがある、ということは理解したいですね。


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早坂 理恵

早坂理恵 | Rie Hayasaka / Mangala Arati。女優。8歳でデビュー。演技の勉強を始めて間も無く、NHK朝の連続テレビ小説のキャストに選ばれる。18歳で上京し数々の現場で経験を積む中、持病である心臓の病と比較的新しい「脳脊髄液減少症」を発症。芸能活動を休止。現在、復帰したものの今もなお治療中。プライベートではヨガをライフワークとし、水素美容分野での活動(「水素美容のひみつ」著者)。全米ヨガアライアンス RYT500, RPYT(マタニティヨガ), RCYT(キッズ), シニアヨガインストラクター / アシュタンガヨガインストラクター / フィジカルトレーニングインストラクター / Yoga Ed. PI1・PI2修了 Yoga Ed. エデュケーター / 国際食学士 / マクロビオティックセラピスト / アーユルヴェーダベーシック / アンチエイジングアドバイザー / 健康美肌指導士 / 美肌食マイスター など複数の資格を有すなど、心と身体の真の健康をテーマに活動を行っている。