ヨガ

ヨガマットの賢い選び方 – 失敗しないために押さえておきたいポイント

前回はヨガマットの必要性について解説しました。今回は実際にヨガマットの選び方についてまとめています。安いものから高いものまで多種多様なヨガマット。何を基準に選ぶのか?シチュエーションや素材、デザインまで、確認すべきポイントを整理しました。

ヨガマットも値段が安いものから高いものまで多種多様。ヨガマット一つ選ぶのも大変です。しかし安易に選んでしまうと失敗のもと。今回は初めてのヨガマット選びで失敗しないために、ヨガマットの賢い選び方についてご紹介します。

数あるヨガマットを前にアレコレ悩まず、効率よく選べるよう選び方のポイントを6つに整理していますのでご参考に。

1. ヨガする「シチュエーション」を考える

A. どのような場所でヨガする?

室内、屋外、海辺なのか、公園なのか、ヨガはどこででもできるため、ヨガをする場所も人それぞれ。行う場所によって、どの程度のグリップ力が必要なのか、また、汚れやすさ、お手入れのしやすさなどを考えます。

B. どのような種類のヨガを行うか?

瞑想系やリラクゼーション系の静的なヨガでは、座位で坐骨が痛くならないような、ある程度のクッション性は重視したいところ。反対に動的なヨガでは、あまりクッション性がありすぎるとふわふわとして安定感が損なわれるので、グリップ力を重視したいところです。

 

2. ヨガのスタイルで変わるマットの「厚み」

第一段階で以上のことが把握できたら、今度は具体的に以下の5つのポイントを押さえましょう。ヨガマットの厚み、サイズ、重さ、素材、色・柄です。以上、5つのポイント毎に詳しくご説明します。

折りたたみができるヨガマットですと、厚さ1mmから作られており、厚いものでは12mm以上のヨガマットが販売されています。厚さの目安としては、スタジオや屋外などの持ち運びが多い人は3mm、主に自宅で行うなど、持ち運びが少ない人は6mmが一般的におすすめされる厚さです。

A. ゆったり動作のヨガは4.5〜8mmのマットを

ヨガの種類でいうと、例えばマタニティーヨガや、瞑想中心のヨガなど、ゆっくりとした動作と長い呼吸で行うような静的なヨガでは、クッション性を重視するのがポイントとなります。その場合は4.5mm~8mm程度の厚さがおすすめです。

B. 座位や仰臥位のアーサナなら6~8mmのマットを

さらにその中でも座位や仰臥位のアーサナが多い場合は、坐骨でしっかりと床を捉える感覚が必要ですので、あまり薄すぎると骨にあたり、姿勢が崩れやすくなります。6mm~8mmの、少し厚めを選ぶと痛みが緩和され、床からの冷えも感じにくくなります。

C. バランス系ポーズが多いヨガは3~6mm

立位や一点で体を支えるようなバランスポーズが多いヨガでは、足の五本指で大地や床をしっかりと捉える感覚や、踏みしめる感覚が必要です。その場合はあまり厚すぎると、かえって足裏の感覚が鈍ることがあるため、3mm~5mm程度がおすすめです。

D. 初心者は6mmが基準。3mmを2枚買うのもGOOD

以上の点から平均して、初心者には6mmの厚さのヨガマットを選ぶのがおすすめです。

もしくは、少しヨガに慣れてきた際や、様々な流派でも活用できるよう、3mmのヨガマットを2枚購入するのも手です。自宅では2枚重ねて使用し、慣れてきたらクラスに合わせて調整できたり、屋外やスタジオへ持ち運ぶ際は1枚だけ持っていったり、という使い方もできるので、初心者にとっては最も賢い厚さの選び方かもしれません。

 

3. おさえたいヨガマットの「サイズ」

ヨガマットのサイズ(長さ)は体の大きさと合わせて選ばなければ落ち着いてヨガができません。目安としては、自分の身長よりも少し長めのサイズを選ぶこと。一般的に作られているヨガマットは大体170cm前後のものと180cm程度のヨガマットが販売されています。

また、ヨガマットの幅は一般的に61cm〜67cmで作られています。幅についてはヨガの種類や体型に合わせるというよりも、ヨガマットを持ち運ぶバッグやケースに合わせて選ぶ、というくらいで大丈夫です。

マットケースを買う際はサイズをしっかり確認しましょうね。

 

4. 持ち運びに差が出るヨガマットの「重さ」

次に気にしたいところは、厚さとサイズによって、ヨガマットを巻いたときの太さと重量が変わってくるということです。言うまでもなく、長ければ長いほど、厚ければ厚いほど重くなります!

持ち運ぶことが多い方は、やはり4mm〜6mmまでのヨガマットがおすすめです。

 

5. 価格に直結してくるヨガマットの「素材」

基本的に、ヨガマットの価格は、素材によって変わりますので、より自分に合ったヨガマットを見極めて賢く選択したいですよね。

ヨガマットに使われている主な素材は、EVA 、TPE、麻、PVC 、PER、天然ゴム、まだ数は少ないですが、畳の、約7種類あります。
最も安いPVC素材なら千円以下で買えるヨガマットも多く出ていますが、天然ゴム素材のヨガマットは、同じサイズと厚みでも一万円を超えるものもあります。

A. 軽さを重視するならEVA素材を

素材はひとそれぞれの好みがありますが、持ち運びのしやすさを考えると、軽量なEVA(エチレン・ビニール・アセテート)素材のヨガマットがおすすめです。EVAはビーチサンダルの靴底などにも使用されているように、水に強くてクッション性も良いので、屋外のヨガでも使いやすく、お手入れがしやすいです。

環境に優しく比較的熱に強いのも特徴ですが、あまり耐久性が高いとは言えず、劣化が早いという声も。とはいえ、購入したての頃に気になるプスチック臭のような匂いはほとんどありませんので、匂いに敏感な方にもおすすめです。

B. グリップ力を重視するならTPE素材を

アシュタンガヨガ、アイアンガーヨガやホットヨガなど、動的なヨガでは、天然ゴムのような高いグリップ力とクッション性と、汗をかいても滑りにくいTPE(サーモ・プラスチック・エラストマー)素材のヨガマットがおすすめです。

あまりにも汗が出るという人は麻素材のヨガマットもグリップ力が高くておすすめです。また、EVA素材の次に軽量ですので、値段は少し高価となりますが、総合的に上級者たちからも人気の高い素材と言えます。リサイクルも簡単ですし、水洗いもできるため、長期間清潔に保つことができます。

注意点としては熱に弱いため、真夏の日当たりの良い部屋や車内などに丸めたまま置いておくと広げられなくなることがありますので注意しましょう。ゴムのような性質をもっているため、天然ゴムのヨガマットを使いたいけれどゴムアレルギーで使えないという人にも利用者の多い素材です。

C. 天然ゴム(ナチュラル・ラバー)素材

ヨガマットに使われる素材の中でも最高級と言える天然ゴム。

天然ゴムの中でも、100%天然ゴムのものと一部他の素材を使用しているものがあり、ものによっては水洗いすると天然ゴム特有の弾力性が失われる場合があります。アルコール殺菌などの避けたほうがいいので、お手入れには少し面倒かもしれません。

ですが天然ゴムだけあって価格は高めですが、弾力性、クッション性、安定性が備わっており、耐久性も兼ね揃えた理想的な素材です。独特の匂いがあるかもしれませんが、数回使ううちに和らいできます。重量は重めなので、持ち運びにはあまり適さないかもしれません。

D. ナチュラル志向なら麻素材

ナチュラルな材質で、ヨガが上達してくると一度は持ってみたいと思うのが麻素材。麻素材のヨガマットの裏面は一般的に環境に優しいPERなどの素材で作られていますので、グリップ力もしっかりあるので安心です。

吸水性もあるため、手足の汗で滑りやすいと感じている方にはおすすめです。麻の良い香りはヨガを心地よく実践できる要素のひとつともなり、ヨガを続けるモチベーションにも繋がりますよね!

E. エコロジーを考えるならPER素材

麻素材のヨガマットの裏面に使われていることが多いPER(ポリマー環境樹脂)は、環境に優しい素材。焼却してもダイオキシンが発生せず、水洗いができるものもあります。少し素材の匂いが感じられるかもしれませんが、取り扱っているブランドが少なく、取り扱っていたとしても色や柄の種類が少ないため、他の人とかぶりたくないかたにもおすすめです。

F. 買い求めやすさを考えるならPVC素材

ヨガマットに使用される素材で最も代表的且つ買い求めやすい素材が、PVC(ポリ塩化ビニール)素材のヨガマットです。グリップ力や重量などはPER素材とほぼ同じですが、水洗いが出来ないためお手入れがしにくい上、グリップ力が弱く、汗をかくと滑りやすくなるのも気になるところ。

また、焼却すればダイオキシンが発生する素材であるため、ヨガを続けていると気になってくるエコロジカルな観点からは一番遠い素材かもしれません。

G. 日本人には馴染み深い畳素材

日本人にはその質感や安心感を感じられやすい、畳(ストロー)素材も最近注目されています。価格は高価なのですが、畳特有の、い草の良い香りが心を落ち着かせてくれます。畳は高いグリップ力と耐久性も兼ね備えています。麻素材のヨガマット同様に、裏面はしっかりとグリップする素材で作られています。海外からの人気も相まって、カラーバリエーションも増えてきているようです。

6. ヨガマットの「色・柄・デザイン」

その日着ていく洋服の色や柄は、その日の気分や心の状態が大きく作用します。

ヨガマットはそう頻繁に買い揃えるものでもないので自分が好きな色や落ち着く色、ヨガの種類に合わせて、例えば動的なヨガが好きであればビビットカラーや気分が高まる模様を、瞑想などリラクゼーション要素が強い静的なヨガを好むのであれば落ち着いた色や柄を選ぶという基準でもいいと思います。

また、自分の軸を捉えやすいような、中央や上下にラインが入っているデザインもあります。ラインがあるとアーサナをとる際や、今日の体の軸がどのようになっているのかを知る目安となり、初心者でも上級者でも長く使い続けられます。

ヨガのモチベーションを上げてくれる素敵なヨガマットを

ヨガを始めたばかりの人は、最初はネットショップで手頃な値段のものを購入し後悔してしまう方もいるかもしれません。ヨガに慣れてきた時にしかわからない細かなポイントというものがどうしてもあります。

今回は最初に知っていればよかったポイントをまとめたつもりですので、これからヨガを始めようと思っている方など、是非、購入前にご参考くださいね。

あなたのモチベーションをあげてくれる素敵なヨガマットを見つけてください!

ヨガ初心者のためのヨガの始め方

Getting Started with Yoga

早坂 理恵

早坂理恵 | Rie Hayasaka / Mangala Arati。女優。8歳でデビュー。演技の勉強を始めて間も無く、NHK朝の連続テレビ小説のキャストに選ばれる。18歳で上京し数々の現場で経験を積む中、持病である心臓の病と比較的新しい「脳脊髄液減少症」を発症。芸能活動を休止。現在、復帰したものの今もなお治療中。プライベートではヨガをライフワークとし、水素美容分野での活動(「水素美容のひみつ」著者)。全米ヨガアライアンス RYT500, RPYT(マタニティヨガ), RCYT(キッズ), シニアヨガインストラクター / アシュタンガヨガインストラクター / フィジカルトレーニングインストラクター / Yoga Ed. PI1・PI2修了 Yoga Ed. エデュケーター / 国際食学士 / マクロビオティックセラピスト / アーユルヴェーダベーシック / アンチエイジングアドバイザー / 健康美肌指導士 / 美肌食マイスター など複数の資格を有すなど、心と身体の真の健康をテーマに活動を行っている。