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ヨガのアンチエイジング効果 – ヨガで悪玉活性酸素を生まない身体に

アンチエイジングにヨガは本当に効果があるのか?老化の根源である悪玉活性酸素を発生させないためには、私たちの細胞に良質なミトコンドリアを増やすことが大切であることがわかっています。この良質なミトコンドリアを増やす上でヨガは効果的。悪玉活性酸素が生まれる仕組みから詳しく解説します。

しみやしわ、たるみなど、老化に伴う女性の関心ごとは尽きません。メラニンを通り越して真皮まで達した紫外線がコラーゲンを酸化させるなどのメカニズムについて、自分ごととして関心が高くなってきますよね。

20代後半ともなれば誰でもこれらの情報にアンテナをたて、日々、数ある美容法やエイジングケアを探したり、実践している人も多いと思います。

アンチエイジングの大敵、悪玉活性酸素

そして老化やアンチエイジングについて学べば学ぶほど、よく聞く「活性酸素」。

老化は酸化であり、悪玉活性酸素こそが主要な原因であることは知っている人も多いでしょう。アンチエイジングを語る際、様々な美容成分の効果として「抗酸化」という言葉が使われることからもわかるように、女性は日々の美容やエイジングケアで、悪玉活性酸素と戦っていると言えるかもしれません。

でも、ちょっと待って。そもそも、この悪玉活性酸素を発生させない方法はないのか?と考えたことはありませんか?

実は、TULAのテーマでもあるヨガが、悪玉活性酸素の発生を抑えるかもしれないのです。

悪玉活性酸素の発生とミトコンドリア

では、なぜ悪玉活性酸素が生まれるのでしょう?

私たちは生きていく上で呼吸で酸素を取り込み、そして日常の食事から栄養を摂取しています。この酸素と栄養とを反応させてエネルギーを作り出しますが、このエネルギーをつくるのが、私たちの身体の細胞のなかにいるミトコンドリアです。

また、活性酸素はこのミトコンドリアがエネルギーを生み出す過程で発生していることがわかっています。※1

私たちの生命維持に必要なエネルギーを生み出す過程で活性酸素も生まれてしまう、、なんとも皮肉です。エネルギーだけ生み出してくれればいいのにと思うのですが…。

実はミトコンドリアにも効率よくエネルギーを生み出す良質なミトコンドリアと、効率が悪いミトコンドリアがあります。そして悪玉活性酸素は、エネルギーを生み出す上で効率の悪いミトコンドリアから生まれているのです。

ヨガで悪玉活性酸素を発生させない体づくり

そうして生まれた悪玉活性酸素が私たちの身体を酸化させ、しみ・たるみ・しわ、白髪などの老化、そして心筋梗塞や糖尿病、肝炎などの病気を引き起こすのです。

アンチエイジングには、悪玉活性酸素が大敵というのはご理解いただけたと思います。しかし、悪玉活性酸素の発生を抑える習慣もわかってきています。

その方法を紐解くとヨガが最適であることがわかります。

良質なミトコンドリアを増やすにはストレス低減が大切

もう少し、悪玉活性酸素が生まれる仕組みについてお伝えすると、ミトコンドリアは酸素と栄養を反応させて電気エネルギーを生み出します。この過程で過度な負担がかかり、電子がこぼれ、この電子と酸素が結びついたものが活性酸素です。

過度な負担とは、傷や熱などの炎症、日常生活でのストレス、喫煙や紫外線による日焼けなどです。細胞がこれらの負担で身体に負ったダメージを回復したり、有害な物質を取り除こうとするため、エネルギーを無理して生み出し、その際に効率が悪くなってしまうのです。※2

つまり、悪玉活性酸素の発生を防ぎ、良質なミトコンドリアを増やすためには、過度な負担をなるべくかけないことが大切。そして心に余裕を持ち、ゆっくりゆったりとした生活をおくることが、実は一番のエイジングケアだったわけです。※2


もっと詳しく:ストレスに負けない心と身体をつくる4つの習慣


ヨガを日常に取り入れアンチエイジングを無理なく実践

しかし、現代に生きる私たちの多くはストレスはつきもの。いかにストレスを低減できるかにかかっていますが、その手段としてヨガは最適な方法の一つです。

ヨガの呼吸法や瞑想は、ストレス低減効果やリラックス効果があることがわかっています。また、ヨガは自分を客観的に捉え、本当に望んでいることを見極める術をもたらしてくれます。そのためストレスの根本原因となる執着や嫉妬を抑えることができるのです。


もっと詳しく:ヨガの効果がもたらす5つの変化


 

ヨガで良質なミトコンドリアを増やす

また、ミトコンドリアは、背筋や太ももなどの筋肉に多く存在しています。そのため、日常的に背筋を伸ばす、姿勢を正すことがとても重要なのです。この点でもヨガは最適と言えるのです。

瞑想や呼吸時には必ず背筋を伸ばしますし、背筋や太ももへ適度な負荷をかけるアーサナを日常的に取り組むことで良質なミトコンドリアを増やすことにつながるのです。

上記の観点で有効なヨガポーズをご紹介しておきましょう。

1. キャット&カウ(マルジャリャーサナ)

キャット&カウは、猫のポーズ(虎のポーズ)の姿勢から、背中の伸展を交互に行うポーズです。体幹などのインナーマッスルを意識しながら、首、脊柱を中心に背中全体をストレッチしていきます。姿勢改善を行う上でも有効なポーズです。

  1. 肩の真下に手首、腰の真下に膝がくるように四つ這いになる。足の甲は寝かせる。
  2. 息を吐きながら尾骨を下に向けて背中を丸め、目線をおへそに向ける。
  3. 息を吸いながら背中をしならせ、胸を開いて顔を正面へ。

キャット&カウの詳細:キャット&カウ(マルジャリャーサナ)


2. アルダ ウッタナーサナ(半分の立位前屈)

半分の立位前屈(アルダ ウッタナーサナ)は、インバージョンポーズの一つとして、内臓を逆さにすることで胃痛を静め、肝臓、脾臓、腎臓の調子を整えると言われています。

ハムストリングの伸びを意識しながら行います。

  1. タダーサナのポーズで立つ。
  2. 息を吐きながら前屈し、手の平を床につける。この状態で手を両足の横へ、さらにかかとの後ろへと順次移動させる。この間できる限り膝を曲げない。
  3. 頭を持ち上げ、背骨を伸ばす。尻をわずかに頭の方へと移動させ、足が床と垂直になるようにする。呼吸を繰り返す。
  4. 息を吐きながら状態を足に近づけ、頭を膝につける。膝を曲げない。内腿を引き上げるようにして膝頭を引き締める。深く呼吸をする。

ポーズの詳細:半分の立位前屈(アルダ ウッタナーサナ)


3. ヴィーラバッドラーサナⅠ(英雄のポーズⅠ)

戦士のポーズⅠ(ヴィーラバッドラーサナⅠ)は、胸が十分に広がるので深呼吸がしやすくなる他、首、肩、背中のコリを取り除く効果があります。何より下半身で状態の姿勢をしっかりと維持しなければなりませんので、太腿を中心とした下半身の強化につながります。

  1. ターダーサナで立つ。
  2. 左足を後ろに大きく引いて足先は内側45度。右足先は正面に向け、踵が左足の土踏まずと直角になるようにする。
  3. 骨盤を正面に向けて息を吸いながら両手を頭上に上げ合掌。
  4. 息を吐きながら右膝を直角に曲げ、踵の真上に膝が来るように足幅を調節。前足だけに体重をかけず、両脚全体に均等に体重をかける。
  5. 息を吸いながら肩甲骨辺りから背中を反らす。腰から反らない。


ポーズの詳細:戦士のポーズⅠ(ヴィーラバッドラーサナⅠ)


4. 戦士のポーズⅡ(ヴィーラバッドラーサナⅡ)

戦士のポーズⅡ(ヴィーラバッドラーサナⅡ)は、足首からハムストリング、骨盤まで、また胸を開き肩甲骨を意識するなど体全体を意識できるアーサナです。もちろん太腿やインナーマッスルを鍛える効果もあります。

  1. 息を吐きながら、腿が床と平行になり、膝から下は向こうずねが床と垂直になるように曲げる。
  2. 右膝とかかとの線は一直線になる。両腸骨を結ぶ線は床に平行。両手を両方から引っ張られているかのように真横に伸ばす。
  3. 顔を右の向け、右の手のひらを見つめる。左足の裏側の筋肉を十分に伸ばす。両足、背中、尻は一直線をなすようにする。
  4. 息を吐きながら右膝を直角に曲げ、踵の真上に膝が来るように足幅を調節。前足だけに体重をかけず、両脚全体に均等に体重をかける。

ポーズの詳細:戦士のポーズⅠ(ヴィーラバッドラーサナⅠ)


5. 立位の片足前屈のポーズ(パールシュヴォーッターナーサナ)

立位の片足前屈のポーズ (パールシュヴォーッターナーサナ)は、足と尻の筋肉のこりを取り除き、股関節と背骨を柔軟にする効果があると言われています。このポーズもインナーマッスルと太腿をはじめとする筋肉を強化しますのでアンチエイジングに有効です。

  1. 息を深く吸いながら胸を張る。背中で両手のひらを合わせ、肩と肘を後ろに張る。
  2. 息を吐きながら手首をまわし、指先を上に向け、指がちょうど肩甲骨の高さにくるように持ち上げる。「尊敬」を意味する「合掌礼拝」の動作を背中でしていることになる。
  3. 息を吸い、左足を後ろに置き、両足を大きく前後に開く。一度息を吐き、次の吸う息で上体をやや右に捻る。
  4. 息を吐きながら前屈し、最中を丸めないようにして頭を右膝につける。鼻、口、顎の順に右向こうずねに付くように、背中、首を伸ばしていく。
  5. 内腿を引き上げ、膝頭を上へ上へ上げるようにして両足をまっすぐに伸ばす。

ポーズの詳細:立位の片足前屈のポーズ(パールシュヴォーッターナーサナ)


QOLの向上が欠かせない

そしてアンチエイジングで忘れてはならないのは、上述したことを含めて私たちの総合的なQOL(Quality Of Life)、生活の質向上です。

ストレスは脳で受け取り、その反応で自律神経が乱れます。自律神経は背骨に沿って全体に張り巡らされ内臓をコントロールしているため、自律神経の乱れが内臓の調子をも崩す原因となります。


もっと詳しく:自律神経の乱れをリセット – 8つのヨガ呼吸法とポーズでセルフケア


私たちの身体はまだまだ解明されていませんが、少なとも言えるのはストレスを低減し、生活の質そのものを向上する必要があるということです。また、ヨガの瞑想で脳を、ヨガポーズで姿勢を、ヨガ呼吸法で自律神経を整えることは本当の幸せ、内面の美しさに関係しています。

そうした意味で、ヨガはアンチエイジングはもとより私たちの幸せや幸福を導く上で大切な役割を担っているものなのです。

是非ともヨガを日常の習慣に加えてみてください。


もっと詳しく:幸せな人に見る5つの習慣とヨガ的な生き方


Yu Staff

最初はサーフィンのために始めたヨガですが、ヨガから、ワークアウトや食事、呼吸法、瞑想など、もっぱら人間の脳、身体と心の繋がりへの興味が尽きない。最近はビジネス書よりもこれらをテーマにしたノンフィクションばかり読んでいます。