思いやり

欲望の良し悪し – あなたのその欲望はどっち?

ヴェーダ経典によると欲望とは五感を満たすこととされています。自分中心に五感を満たす行動が過ぎれば周りが見えないばかりか他人をも傷つけます。でも、ちょっとした意識の変化で欲望は素晴らしいことにもなります。それは欲望を小出しにして楽しむことと、相手の五感を満たすこと。欲望との上手な付き合い方をお教えします。

皆さんのストレス発散方法は何ですか?

スポーツをしたり、美味しいものを食べたり、好きなこと思いっきりしたり。きっと、買い物で物欲を満たすことで、発散している方も多いと思います。

欲望はどうやって生まれるの?

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ですがそんな買い物の仕方だと、後で後悔することも多いですよね。家に帰ってよく考えたら別に必要なかったもので、その度にまた買っちゃったと自己嫌悪に陥る…ということもあるのではないでしょうか。

ヴェーダ経典によると「欲望」にはプロセスがあります。このプロセスを把握しておき、欲望が顔を出した時に思い出すことで、不必要な欲望が抑えられて本当のことが見えてきます。今回はそれを物欲に例えてお伝えしたいと思います。

欲望が過ぎると妄想し、知性を失うことも?

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例えば、あるバッグが欲しいとします。
まず、そのバッグを店頭や雑誌などで見つけます。すると次に、そのバッグのことを「あれ可愛かったな」などと思い出すことで更に愛着がわき、そして徐々に頭から離れなくなり、どうしても手に入れたくなります。

しかし金銭面の問題などで購入することが出来ない場合、なぜ手に入れられないのかと怒りに変わってきます。欲しいのに手に入らない状態です。そして怒りから、「なぜあの人は持ってるのに私は手に入れることができないのか?」など色々と妄想を始めます。その妄想から、「でもやっぱりよく見たら可愛くないかも。」など記憶の混乱が始まり、最後に「なんかもう、どうでもいいや。」と知性を失う状態になります。

自分の五感を満たすのが欲望

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簡単に言うと、目で見る⇒頭で思い出すことで愛着がわく⇒欲しいという欲望がわく⇒怒りが生じる⇒妄想が生じる⇒記憶が混乱してくる⇒知性を失う。このようなプロセスです。

つまり物欲を抑えたい方は、まず対象物を目に入れないことです。

見たら欲しくなります。しかし、見たくなくても目に入ってしまう場合も多々あると思いますので、その時はこのプロセスを思い出して、本当に必要なのかをよく考えてみて下さい。自分のハートに問い掛けることで、気持ちも落ち着きます。

実はこのプロセスは、物欲だけではなく欲望全般に当てはまります。私たちの感じている五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚 )、この感覚を満たすことを、欲望を満たすと言います。

自分中心から思いやりを家族、コミュニティへと広げてみる

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ヴェーダ経典には、「欲望は敵」だと書かれています。自分のことしか考えられなくなるからです。自分の感覚を満たすためだけに生きるのではなく、もう少し広い世界で物事を考えてみると、私たちは決して一人で生きているのではないと実感できるはずです。

そうすることで、自然と周りにも目を向けられます。例えば今まで自分のことしか考えていなかった人は、まず身近な家族や友人のことを考えてみる。次に会社やコミュニティ、地域、県、国、世界、宇宙のこと。

徐々に考える対象の範囲を広げてみて下さい。少しずつ、自分の意識を高めていきましょう。

欲望を少し先延ばしにして楽しく付き合う

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かと言って、欲望すべてを抑える必要はもちろんありません。そんな事をしたら、あとで爆発する可能性大。そのほうがこわいです。ですから、小出しで楽しんでみてはいかがでしょうか。

自分の欲望すべてを一気に叶えるのではなく、ちょっとだけ我慢して先延ばしにすることで、その期間を楽しむことも出来ます。「来週あの楽しみがあるから頑張ろう!」と思え、ハッピーな精神状態を保てます。

そのハッピーな状態が普通になると、ネガティヴな感情の入る隙が徐々に無くなっていきます。

自分と相手の五感を満たす存在になる

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これまで欲望のことをコテンパンに言ってきましたが、決して嫌う存在ではありません。むしろ逆手に取り、欲望と上手に付き合っていきましょう。そして最後に、どのような欲望を持つか。これが重要なポイントです。

自分の感覚を満たすための欲望を持つか、あるいは誰かのために何かをしたいという欲望を持つのか。この二つのバランスが大事です。自分は一人で生きているのではないということを頭に置き、心の声に耳を傾け、そして日々頑張っている自分に時々ご褒美をあげて、人生を楽しみましょう!

Radhe Radhe

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Syamali Priya Dasi

バクティヨーガ実践中のOL。 学生の頃から何故かわからないがインドに興味があり、いつか必ず行きたいと思っていた。そんな時に参加したヴェーダ哲学の講座で現在の師と出会う。それ以降、ヴェーダの知恵やヨーガにハマり毎年インドの聖地へ行き学びを深めている。