栄養と食事

ヴァータ(ワータ)な貴方に適した食事法と食材完全リスト

前回はカパ(カファ)の体質を持った方に適した食材と食べ方について解説しましたが、今回はヴァータ(ワータ)です。前回同様、ヴァータに絞って食材と食事法を詳しくご紹介します。

またご自分のドーシャ(体質)がまだ把握できていないという方は、こちらからアーユルヴェーダ体質簡易診断にてご自分の体質を把握できます。また、体質診断は定期的に実施されることをお勧めします。ドーシャは変わらないと思われている方もいますが、その時の調子や食事の傾向でドーシャは変わります。自分のドーシャについて決めつけをせずに、体質診断では今の現状を素直に答えることで微妙な変化を捉えることができます。

体質診断のほか、ヴァータの特性などはここでは解説しませんので以前の記事をご参考ください。以下の記事を読んでから本記事をご確認いただくこと理解が深まります。

関連情報:

ヴァータ(ワータ)体質はどんなものを摂れば良い?

体質診断にてヴァータの数が最も多かった方は、ヴァータの性質を持つ食べ物を多く食べ過ぎると、体質が乱れます。ヴァータタイプの人に必要な性質は、「重・温・湿・甘・酸・塩」。つまり、油っぽいなどの重めのもの、温かいもの、水分の多いもの、甘味のあるもの、酸っぱいもの、しょっぱいものをとることが望ましいのです。例えば、ホットミルク、温かいスープやハーブティーなどがおすすめです。

逆に、苦味、辛味、渋味のある食べもののとりすぎや、乾燥食品、冷凍食品、残り物などは、ヴァータの性質を乱します。極端なダイエットや絶食、アルコールの摂取なども乱れやすくなるため、控えましょう。

アンバランスを抑え、おいしく食べるがポイント

さまざまな味を意識的に摂ることで消化器系が刺激され、消化物の吸収が高められます。逆にある一定の食品ばかり食べていると、病気にかかりやすくなります。この最たる例は、塩分がきつく脂っこい加工食品ばかり食べていると、肥満や高血圧、心臓病の原因となってしまいます。

食事でこの6つの味のうち1つか2つが不足すると、結果的に不満がつのり、不足した味を強く欲するようになります。例えば減量しようと甘いものを控えていても、結局、後でチョコレートをパクパク食べてしまうということです。

アーユルヴェーダでもマクロビオティックでも中医学の観点からも、食べものを食べること自体に治療の効果があると考えられています。食品の種類だけでなく、何を、どう調理して食べるのか、栄養分を効率的に吸収するためには消化器系をどう刺激すればよいのか、ということも大切なポイントとなります。

つまり、ただ食材だけを見るのではなく、調理の仕方によっても、その食材の持つ性質が変わってくるということです。

ヴァータ体質に適した食材の完全リスト

下記のリストは、あくまでもガイドラインです。

同じ食材でも、調理方法や食べ方によって、その効果や体に及ぼす影響が異なるということを忘れずに。また、食事の変化は常にゆっくり、確実に、が大切です。一度に全てを試したり、完璧を目指したりしないようにしましょう。何かを食べたらからだの状態にまず注意することです。

例えば、ガスが出たり胸焼けがしたら、その食べ物はご自身に合っていないということです。誰一人として、 全く同じ体質の人はいません。リストに載っていても、ご自身に合わない場合もあります。ゆっくりと体調を見ながら進めていくうちに、新しい食生活の習慣がつき、バランスのとれた健康的な生活を送れるようになります。

バランスを乱す原因は、たまに食べるものにではなく、毎日の食事にあるとアーユルヴェーダでは考えられています。まずは下記のリストを参考にしてみてくださいね。

また、アーユルヴェーダの食事には、日本では馴染みのない食材も含まれますが、念のため記載しておきます。

(下記リストの意味:*過度にとらなければ良い **時々なら良い)


1. 果物

ヴァータ体質の人が控えたいもの

乾燥したもの、あっさりしたもの、渋い味のものは控えましょう。

ドライフルーツ全般、りんご(生)、クランベリー、ドライデーツ(ナツメヤシの実)、イチヂク(乾燥)、梨、柿、ザクロ、干しぶどう、ドライプルーン、すいか

ヴァータ体質の人がとりたいもの

甘いもの、酸っぱいもの、こってりした味のものが良いです。

りんご(熟したもの)、アップルソース、杏、アボカド、バナナ、木いちご、チェリー、ココナッツ、デーツ(生)、いちぢく(生)、グレープフルーツ、ぶどう類、キウイ、レモン、ライム、マンゴー、メロン、甘いオレンジ、パパイヤ、桃、パイナップル、プラム、プルーン(シロップ漬け)、干しぶどう(シロップ漬け)、いちご


2. 乳製品

ヴァータ体質の人が控えたいもの

*チーズ(固形)、牛乳(粉)、ヨーグルト(プレーン、フローズン、果物入り)

ヴァータ体質の人がとりたいもの

あらゆる乳製品に、過剰なVataを減らす作用があります。牛乳は温めて飲みましょう。牛乳を飲むときは、他の甘味グループの食品なら一緒にとっても構いませんが、それ以外の味のものは同時に食べないようにしましょう。

バター、バターミルク、チーズ(クリーム)、カッテージチーズ、牛乳、*アイスクリーム、*サワークリーム、ヨーグルト(飲料、香辛料入り)


3. 甘味料

ヴァータ体質の人が控えたいもの

グラニュー糖、精白糖

ヴァータ体質の人がとりたいもの

果糖、濃縮フルーツ、生蜂蜜、**メープルシロップ、麦芽・玄米水飴、甘酒、黒糖、甜菜糖、デーツ


4. 野菜

ヴァータ体質の人が控えたいもの

冷凍、生、乾燥野菜一般控えましょう。

ナス、*ニガウリ、ブロッコリー、芽キャベツ、ごぼう、キャベツ(生)、カリフラワー(生)、セロリ、コーン(生)、*葉野菜、*レタス、マッシュルーム、きのこ、蓮根、笋、オリーブ(緑)、玉ねぎ(生)、*パセリ、豆類(生)、ピーマン、唐辛子、ジャガイモ、ラディッシュ(生)、*ほうれん草、トマト(生)、*かぶの葉

ヴァータ体質の人がとりたいもの

加熱した野菜を食べるようにしましょう。

アスパラガス、ビート、*キャベツ、人参、*カリフラワー、ズッキーニ、コリアンダー、胡瓜、*大根、ニンニク、グリーンピース、グリーンチリ、**ワサビ大根(西洋ワサビ)、ネギ、からし菜、オクラ、オリーブ(黒)、*玉ねぎ(加熱したもの)、さつまいも。かぼちゃ(夏と冬)、*ラディッシュ(調理したもの)、ほうれん草(調理したもの)、**トマト(加熱したもの)、タロ芋(加熱したもの)


5. 豆食品

ヴァータ体質の人が控えたいもの

小豆、ひよこ豆、白いんげん豆、いんげん豆、斑点いんげん豆、平豆(茶色)、大豆、ひいた大豆、きな粉、テンペ(発酵させた大豆)、豆腐、白豆

ヴァータ体質の人がとりたいもの

平豆(赤)、**味噌、ムングダル(緑豆)、*大豆チーズ、大豆ミルク、*醤油、*大豆ソーセージ、ツールダル、ウラドダル、*豆腐


6. 調味料

ヴァータ体質の人が控えたいもの

チョコレート、ワサビ大根、*新芽類

ヴァータ体質の人がとりたいもの

*黒胡椒、*赤唐辛子、チャツネ、マンゴー、コリアンダーの葉、ごま塩、ひじき、ケチャップ、昆布、レモン、ライム、ライムピクルス、マンゴーピクルス、マヨネーズ、ピクルス、からし、塩、海藻、醤油、新玉ねぎ、たまり、酢


7. ナッツ類

ヴァータ体質の人が控えたいもの

無し。適量なら全てのナッツを食べても良いです。

ヴァータ体質の人がとりたいもの

食べ過ぎないようにしましょう。

アーモンド、黒くるみ、カシューナッツ、ココナッツ、ヘイゼルナッツ、マカダミアナッツ、**ピーナッツ、松の実、ピスタチオ、くるみ


8. 動物性食品

ヴァータ体質の人が控えたいもの

ラム、豚肉、七面鳥

ヴァータ体質の人がとりたいもの

鶏肉、牛肉、アヒル、卵、魚介類、鮭、鰮、海産物、小エビ、まぐろ、魚(淡水、海)


9. 飲料

ヴァータ体質の人が控えたいもの

ごぼう、たんぽぽ、たんぽぽコーヒー、ハイビスカス、ブラックベリー、アップルジュース、紅茶、カフェイン入り飲料、炭酸飲料、いなご豆、ミルクココア、コーヒー、冷たい飲料、クランベリージュース、冷たい紅茶、よく冷えた飲み物、ミックス野菜ジュース、梨ジュース、ザクロジュース、**プルーンジュース

ヴァータ体質の人がとりたいもの

フェンネル、シナモン、クローブ、生姜(生)、カモミール、レモンバーム、ローズヒップ、*アルコール(ビール、ワイン)、アーモンドミルク、アロエ・ベラジュース、林檎酒、アプリコットジュース、ベリージュース(クランベリー以外)、人参ジュース、チャイ(温かいスパイス入りミルク)、チェリージュース、グレープジュース、グレープフルーツジュース、レモネード、マンゴージュース、味噌汁、オレンジジュース、パパイヤジュース、ピーチネクター、パイナップルジュース、ライスミルク、酸味のあるジュース、豆乳(ホット、スパイスを効かせたもの)、ハーブティー、番茶、**バジル、カミツレ、**シナモン、クローブ、コンフリー、ニワトコの花、ユーカリ、フェンネル、コロハ、生姜(生)、サンザシ、ネズの実、*茎茶、ラベンダー、レモングラス、カンゾウ、ビロードアオイ、オート麦の茎、オレンジの皮、メグサハッカ、ペパーミント、*ラズベリー、野バラの実、サフラン、サルサパリラ、サッサフラス、スペアミント


10. 種

ヴァータ体質の人が控えたいもの

ポップコーン

ヴァータ体質の人がとりたいもの

コルンバリア、アマ、ハルバ、**アメリカオオバコ、かぼちゃ、ゴマ、ひまわり、タヒニ


11. 油類類

ヴァータ体質の人が控えたいもの

亜麻子油

ヴァータ体質の人がとりたいもの

食用も塗布用も全ての油が良いです。

ごま油、ギー、オリーブ油。さらに塗布用はココナッツ油、アボカド油


12. 香辛料

ヴァータ体質の人が控えたいもの

キャラウエー

ヴァータ体質の人がとりたいもの

全ての香辛料が良いです。特にシナモン、コリアンダー、カルダモン、クミン、サフラン、塩、生の生姜。オールスパイス、アーモンドエキス、アニス、バジル、ベイリーフ、黒胡椒、*カイエンヌ、クローブ、ディル、フェンネル、*コロハ、にんにく、メース、マヨラナ、ミント、からしの種、ニームの葉、ナツメグ、オレンジの皮、ハナハッカ、パプリカ、パセリ、ペパーミント、ピッパリ、ケシの種、ローズマリー、セージ、セイバリー、スペアミント、ダイウイキョウ、タラゴン、タイム、ターメリック、バニラ


13. 穀物食品

ヴァータ体質の人が控えたいもの

大麦、パン(イーストを使ったもの)、蕎麦、シリアル(ドライ、加熱しない、膨らませたもの)、とうもろこし、クスクス、クラッカー、グラノーラ、雑穀、ミューズリー、オート麦のぬか、オート麦(ドライ)、**パスタ類、**ポレンタ、**米菓子、ライ麦、サゴ澱粉、スペルト小麦、タピオカ、小麦のぬか


14. 栄養剤

ヴァータ体質の人が控えたいもの

青い大麦、醸造酵母

ヴァータ体質の人がとりたいもの

*アロエ・ベラジュース、アミノ酸、カルシウム、銅、鉄、マグネシウム、亜鉛、ロイヤルゼリー、スピルリナと青緑の藻、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビオフラボノイド、葉酸


このほかにもたくさんありますが、ある程度の食材は抑えていますのでまずは上記を参考にしてみてください。

聞きなれない食材も多かったと思いますが、少しずつ、ご参考くださいね。

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早坂 理恵

早坂理恵 | Rie Hayasaka / Mangala Arati。女優。8歳でデビュー。演技の勉強を始めて間も無く、NHK朝の連続テレビ小説のキャストに選ばれる。18歳で上京し数々の現場で経験を積む中、持病である心臓の病と比較的新しい「脳脊髄液減少症」を発症。芸能活動を休止。現在、復帰したものの今もなお治療中。プライベートではヨガをライフワークとし、水素美容分野での活動(「水素美容のひみつ」著者)。全米ヨガアライアンス RYT500, RPYT(マタニティヨガ), RCYT(キッズ), シニアヨガインストラクター / アシュタンガヨガインストラクター / フィジカルトレーニングインストラクター / Yoga Ed. PI1・PI2修了 Yoga Ed. エデュケーター / 国際食学士 / マクロビオティックセラピスト / アーユルヴェーダベーシック / アンチエイジングアドバイザー / 健康美肌指導士 / 美肌食マイスター など複数の資格を有すなど、心と身体の真の健康をテーマに活動を行っている。