ヨガ

ヨガインストラクターの将来性と活躍の場

いざヨガインストラクターになろうと思うと、職業として将来性について気になる方もいるかもしれません。今のキャリアをやめて新しい業界に挑戦することは時に勇気がいるものです。今回はヨガ人気に関する調査結果を参照しながら、今後のヨガインストラクターの将来性や就職先など活躍の場についてお伝えします。

ヨガインストラクターになりたいと思うとどうしてもバラ色の将来を思い描きたくなるものです。しかし、これからヨガを仕事として決めるからには情緒的な意見に左右されず、客観的に将来性を見極める必要があります。

そのためには、

  • ヨガ人口の推移と今後の市場予測
  • ヨガ人気などの消費者動向

を見ていく必要があります。
幸い、幾つかの調査データがありますのでそれらをご紹介しながらみていきたいと思います。

高まるヨガ人気

ヨガ人口の予測に関する市場調査では、第一生命研究所が2005年に発表した調査があります。2004年の時点で23万人のヨガ人口(推定)であり、当時の予測として2015年には350万人を突破するとの見込みとなっていました。

しかし、この調査が発表されたのは10年以上前。実際にこの予測が当たっているのかイマイチわかりにくいところです。そこで、Googleの検索キーワードトレンドでどれだけの人が、”ヨガ”というキーワードを検索しているのかを確認することでヨガ人気について感触をつかんでいきたいと思います。

2010年を境に安定的に拡大する”ヨガ”の検索トレンド

下記の推移グラフは2004年から取得でき、期間中最も大きな検索回数を100として、検索トレンドの推移を確認できます。

“ヨガ”という検索キーワードは2005年5月が最もピーク。ここを境に減少していきますが、2009年12月を底として2010年代になってからまた安定的に拡大。2015年9月にはそれまでのピークに近づくにまでに回復していることが分かります。 また、グラフの検索トレンドは指数となっており実数字がわかりません。そのため誰もが社会的に認知を獲得していると認める運動、”ランニング”というキーワードに対して”ヨガ”の検索規模がどの程度か比較してみましょう。

“ヨガ”は”ランニング”と同程度の検索規模

上記と同じグラフに”ランニング”のキワード検索トレンドを重ねてみました。 以下の通り、”ヨガ”は“ランニング”と同程度で推移していることに驚きます。ランニングは、スポーツアパレルメーカー各社はランニングを軸に強力なプロモーションを展開していることからも分かる通り幅広い年代に愛好者がいます。

週に1回以上のランナーであると推計されるランニング人口は550万人(笹川スポーツ財団調べ ※1)と言われていますので、検索トレンドで見る限り、あながち第一生命の予測は間違っていないようです。

ヨガはランニングと二分するほど社会的認知を獲得しているといっていいでしょう。

人々の期待を背負うヨガ

これまで確認してきた”ヨガ”の検索トレンド推移は人々の関心の高さと言えます。しかし、検索規模はあくまでも”量”の確認。社会的な認知は獲得できていますが、ヨガが好意的に見られているのかは別の話です。そのため、量とともに”質”を見ることにしましょう。

この質を確認する上で大変良い調査結果があります。30〜40代女性の”習い事”の選択肢として、ヨガはどの程度人気があるのか消費者動向がわかる内容です。他のスポーツ、語学や料理といった数ある習い事の中でヨガはどれだけ選択肢の中にあげられているのかを確認してみましょう。

経験したことがある習い事としてヨガはトップ1位

株式会社バルクが30〜40代女性へ向けて行った調査で見て取れるのは、過去5年以内に経験した習い事として、ヨガはフィットネス/スポーツクラブ」(19.3%)、「料理」(14.9%)、「語学(英語)」(13.9%)を抑えてトップ1位という結果。

5年以内に経験した習い事

5年以内に経験した習い事」㈱バルク調べ。30代~40代女性(バルクルーメンバー)合計1,085人。調査期間:2015年10月19日(月)~10月21日(水)

 

ヨガは今後やってみたい習い事としてもトップ1位

さらに、同調査で明らかになったのは、今後やってみたい習い事としても、ヨガは一位。次いで「料理」(19.1%)、「語学(英語)」(15.6%)、「フィットネス/スポーツクラブ」(15.4%)という結果なのです。

今後やってみたい習い事

今後やってみたい習い事」㈱バルク調べ。30代~40代女性(バルクルーメンバー)合計1,085人。調査期間:2015年10月19日(月)~10月21日(水)

以上のようにヨガの社会的認知は拡大し、30〜40代女性に最も人気のある習い事として認識されていることがわかります。それだけ人々はヨガに期待を寄せているのです。

以上の結果を客観的に見ていくと、しばらくはヨガ人口も拡大しそうです。また、当然ヨガインストラクターも求められると言っていいでしょう。

拡大するヨガインストラクター活躍の場

ヨガの人気が高まり継続する中で、今後も引き続きヨガインストラクターの需要も大きくなるはずです。そのため活躍の場も広がっていくと思われます。

スポーツジムやフィットネスクラブ

ヨガの一次ブームであった2000年代当初は、スポーツジムやフィットネスクラブでのプログラムの一つとしてヨガは提供されていました。そのためヨガはどちらかというと、運動する手段の一つとして捉えられていたのかもしれません。

スポーツジムやフィットネスクラブでは、今でもヨガは人気のプログラムです。受講者はすでにスポーツジムの会員であるため、気軽にヨガを経験できる場としても人気です。

ヨガ専門スタジオ

今ではヨガをする場としてヨガ専門スタジオは当たり前になっています。また、ヨガを始める際にも自然とヨガ専門スタジオを探すようになるほど認知されています。今や都内の主要ターミナル駅だけでなく、都内近郊の駅、また大都市近郊の主要駅ではヨガスタジオがない場所はない、と言っていいほどヨガスタジオは生まれています。

当然、大小のヨガ専門スタジオが増えるには安定したヨガインストラクターの雇用が必要です。当然、ヨガ専門スタジオの求人件数も拡大しています。

地域のカルチャー教室

ヨガインストラクターとして最初に働く場所としてヨガ専門スタジオを考え、そこで経験を積み、自分で独立する方もいます。その場合にいきなり自分のスタジオを開設するのではなく、地元や近郊のカルチャー教室などでヨガ教室を開くことが一般的です。

また、気軽に利用できる地域でのヨガ教室は、大小のヨガ専門スタジオがカバーしきれない層のヨガ人口増大を担っているとも言え、ヨガの社会的認知拡大にも貢献しています。

ますます大きくなるヨガインストラクターの役割

全体的に言えるのは、ヨガ人口が今後ますます大きくなる中、ヨガインストラクターの雇用が生まれますので、将来性はあるといってよいでしょう。しかし、社会的認知を獲得するということはヨガインストラクターへの期待も大きくなっていることは認識すべきです。

前回の記事でヨガはフィジカルとメンタルの両立とバランスをとることが際立った特徴であるとご紹介しましたが、昨今の社会的状況を考えても、ストレスやリラックス、心のバランスを取り戻したいと考える方々が増えているからとも言えるのです。

「ヨガインストラクターになる」ことは、これらの方々を支えるということと同義。役割と責任が大きいこともしっかりと理解しておくべきでしょう。


※1 笹川スポーツ財団 スポーツライフ・データ

Yu Staff

最初はサーフィンのために始めたヨガですが、ヨガから、ワークアウトや食事、呼吸法、瞑想など、もっぱら人間の脳、身体と心の繋がりへの興味が尽きない。最近はビジネス書よりもこれらをテーマにしたノンフィクションばかり読んでいます。