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シャバーサナ- 毎日15分で心と身体に究極のリラックスを与える方法

多くの情報に溢れる毎日。ノイズの中で休息を得るためには、旅行やエステなど特別な何かを選択することが当たり前に。しかし究極のリラックスは毎日得られます。もちろん特別な器具や道具は必要ありません。ヨガのシャバーサナ(屍のポーズ)は究極のリラクゼーションとも言われるポーズ。毎日の習慣として取り込んでみてください。

次から次へとやるべきことに追われていませんか?

私たちの日々は仕事、約束、雑用で埋め尽くされています。現代テクノロジーの進歩によっていつでもどこでも仕事はできるし、誰かが何をしているのかも知ることができます。

気がついた頃には「もう1日の終わり…?」ベッドに入り、さあ寝ようとするけれど頭の中で駆け巡るマインド、明日や来週、来月、来年、、未来のこと。

ほとんど自覚のないままに、起き続けて休まる暇のない頭の中。

つい忘れてしまう自分のこと、自分の休息。

目まぐるしい現代社会にあって、心は休む暇なく刺激の大洪水にさらされています。私たちはそのたびに身構えて、交感神経が優位になり、多くの人は寝ている間も含めて人生の大半を肉体的、精神的に緊張して過ごします。それは、歯を食いしばっていたり、額にしわを寄せていたり、首が凝っていたりすることに現れています。

刺激だらけの現代だからこそ休息が必要

このような無用な緊張は、それ自体不愉快なばかりかエネルギーをおそろしく消費するため、疲労や不調の大きな原因となっています。毎日続くこの慢性ストレスは消化、睡眠、性欲、妊娠などに影響を及ぼしてしまうのです。

旅行やエステなど、リラックスできる手段はありますが、いつでもできるわけではありません。

では、避暑地の楽園へ逃亡するほかに、毎日、いつでも対処できる方法はあるでしょうか?

私は楽園に変わってヨガの究極のリラクゼーションであるアーサナ、”シャバーサナ”をお勧めします。

シャバーサナの効果 – いつでも究極のリラクゼーション

毎日の睡眠は無意識の休息ですが、意識的に休息するのがシャバーサナ(亡骸のポーズ)。仰向けになって休みます。

例えば毎日15〜30分の実践でストレスや不安を解消し、活力を回復し、明日に向けて心身のバランスを調整し、信じられないほどのエネルギーを引き出すことができます。

仰向けになることで、筋肉、内臓、神経を休め、横に平らになった身体に血液を均等に循環させることができます。5分でも1分でも、休むだけで血色や目の疲れ、内臓の疲れも回復し、集中力もUPして仕事の効率も上がります。身体やマインドが日常の義務から一時的に放たれると、なにが大事かを思い出させて、魂のレベルからくつろぐことができる、現代人に最も必要なマインドフルネスなポーズともいえます。

シャバーサナの方法 – 毎日15分間のマインドフルネスなリラクゼーション

それではシャバーサナを始めましょう。
準備するのは、静かな空間、横になれる快適な床、それに身体をすっぽりと包むブランケットだけ。優しい音楽をかけてもいいですね。タイマーを15分〜30分にセットします。

1. 仰向けに横たわりましょう

両足を30〜45センチの間隔に広げます。両手を体側から15センチ位離し、手のひらを上にしておきましょう。腿、膝、爪先を外に向けたら、目を閉じて深く呼吸します。

2. 重力に身をまかせ、身体が大地に溶けて沈みこんでいく感覚を味わいます

全身の力を抜き、重力に身を任せたら、自分のからだの重みに引かれて床に溶け込むように、リラクゼーションに深く沈んでいく感じを味わいましょう。

3. 深くゆっくりとお腹の底から呼吸します

呼吸の波に揺られて上へ下へと漂い、ひと息吐くごとにより深く沈んでいきます。この時たくさんの重要な生理的変化が起きて、身体エネルギーの消失を抑え、ストレスを取り除き、呼吸と心拍を遅くし、身体全体を休ませていきます。深いリラクゼーションに入ると、心が澄み切った、とらわれのない状態になっていくのを感じるでしょう。

4. マインド、身体、呼吸を感じながらシャバーサナに深く浸ろう

もう少し進めそうだったら、次にマインドフルな段階に入っていきましょう。意識を呼吸の感じられる箇所に向けながら、呼吸をコントロールしようとする気持ちを手放します。ただ吸う息は吸う息、吐く息は吐く息と認めながら呼吸を続けます。呼吸の様々な質、深いか浅いか、速いかゆっくりか、規則的か不規則かなど観察してみましょう。

身体の力は完全に抜けているか、まだ緊張が残っているか。心がさまよったら苛立ちや批判に気づき、意識を再び呼吸と身体と心に集中させていきます。

5. タイマーの音を聞いたら、ゆっくりと指先足先から動かし大きい伸びをしてみましょう

準備ができたらゆっくりと上体を起こし、充電されたエネルギーを感じて新しい1日を過ごしましょう。

「する」より「しない」こと

リラックスすると身体が溶けていくような感覚、拡がりや、軽さ、暖かさの感覚を味わうでしょう。筋肉の緊張がすっかり解けると、全身が穏やかな幸福感に満たされます。必死に続けるのではなく、身を任せること。

全身の力を抜いてゆったりと深い呼吸をすれば、交感神経の活動が低下し、副交感神経が活性化します。ほんの数分でも深いリラクゼーションを行うほうが、休まらない状態で何時間も眠るより、不安や疲労を取る効果が高いのです。

ヨガポーズガイド屍のポーズ / 亡骸のポーズ(シャヴァーサナ)

 

Saraswati

saraswati ヨガ講師/ Yoga Ed.トレーナー。ライフスタイルに活きる”1人ひとりのヨガ”を提案するヨガ講師として活動。2005年N.Yで出会ったsivananda yogaに深く感銘を受け、以降ヨガの生き方を実践する日々を送る。自身の経験を持って得た素晴らしい叡智を多くの人に伝えたいと2007年よりヨガを教え始める。指導者養成講座や未来を作る子どもたちに生きる力=『ライフスキル』を学ぶヨガ教育にも力を入れる。Yoga Ed.ジャパンの指導者養成トレーナー。現在一児母。元ダンサー&振付師。観察力を身につけ気付きを促す心の働きを大切にする指導を行う。好きなことば Love is doing small things with great love.