年末年始は飲み会が続いて、消化力が弱っているのに食べてしまう、おまけに仕事が休みなので運動不足になる方も多いのでは?今回は、秋冬の今の時期に最適な、家庭でも作れる「消化力を上げるアーユルヴェーダ献立とレシピ」をご紹介します。
アーユルヴェーダ料理というと、複雑で手に入りにくいスパイス料理を連想しがちですが、決してそうではなく、インドの家庭料理なのです。子どもが体調を崩した時に、母親が子どもに合わせてお料理をするものなので、私たちが想像するよりももっととっつきやすいものでした。
実際に、今回ご紹介させていただくレシピに含まれるスパイスや調味料は、手に入りやすい基本的なものです。また、日本人の馴染みのものでも代用できたりしますので、思っていたより取り掛かりやすく、ハードルはぐっと下がるはず。
それでは具体的にご紹介していきます。
まずは「クミン茶」で胃の中を温め、消化力を上げます。
クミンシードをフライパンで炒ったあと、、
水を加えて沸騰させます。
茶漉しを通してカップへ。
クミンシード、水の量はお好みでOK。
今回のプレートの中身は、大根のサンバル、キャベツのポリアル、人参のスパイス炒め。それぞれ詳細を追って説明しますね。
サンバルとは南インドで食べられるスパイスを使ったスープのこと。季節の野菜と組み合わせ色々なものを作りますが、今回は大根です。季節にあわせて茄子のサンバルにしたり、野菜はなんでもOKです。
(以下、なければガラムマサラ小さじ2で代用)
1. 鍋にムングダル(緑豆)と水600ccを入れて茹でる。
2. 別の鍋を弱火にかけ、サラダ油を入れ、スパイス1を入れ、香りを出す。
3. 香りを十分に油に移したら、にんにくと生姜、玉ねぎ、トマトを入れ、水分を飛ばす。(弱火〜中火)
4. 大根と水、スパイス2と塩を入れる。
5. 1を潰して入れる。
6. タマリンドと塩で味を整える。
ポリアルとは、野菜のスパイス炒めのこと。インゲン豆のポリアルなどは、おつまみにもおすすめです。今回は写真の左側、キャベツのポリアルをつくります。
また、以前、中医学の観点で、秋は「辛味」をとることをおすすめしましたが、冬は「鹹味(塩辛い)」を意識するとよいので、塩味は少し多めでもOK。
参考記事:中医学に見る秋のおすすめ野菜と食材
1. ココナッツオイルをフライパンに入れ、マスタードシードを入れて弱火にかける。
2. マスタードシードが弾け出したら、鷹の爪とカレーリーフを入れ、焦げる前にキャベツを入れる。
3. キャベツが柔らかくなったら、ココナッツファイン、塩、クミンパウダー、ターメリックパウダーを入れ、味を整える。
そして写真の右側、人参のスパイス炒めです。こちらもスパイスが効いているのでおつまみにあいますよ。 [/ts_one_half] [/ts_row]
1. サラダ油にクミンシードを入れ、火にかけてじっくり香りを出す。(弱火)
2. 1.に拍子切りにした人参を入れ、塩、パウダースパイス3種を入れて炒める。
※少し水を加えると、パウダースパイスが馴染み、とろみが出てきます。
3. 人参に火が通ったら、塩で味を調えます。
いかがでしたか?冒頭で説明したように実は思ったより身近!と感じてくれれば嬉しいです。
さて、アーユルヴェーダでは、人の体には生命の維持活動をするための3つのエネルギーが存在しており、すべての人に3つのドーシャが存在していると考えられています。3つのドーシャとは、ヴァータ(ワータ)、ピッタ、カパといい、どの質がどのくらいの割合で存在しているかは個々さまざまなバランスです。
ドーシャのバランスを乱す原因は、日々の食事や生活習慣だけではなく、季節や気候、時間によっても左右されます。例えば春はカパの季節なので、カパが優勢な体質の人は春に体調を崩しやすいということであり、夏はピッタの季節、秋冬はヴァータ(ワータ)の季節ですので、いまの時季はヴァータ(ワータ)体質の人が体調を崩しやすいということです。
ですが、ヴァータは乾燥、冷えの性質を持っているため、ヴァータ体質の人に限らずこれらの症状を感じやすい時季であり、合わせて春にやってくるカパの性質が蓄積される時季でもあるのです。冬の間にカパが蓄積されると消化力を弱めてしまい、春先に花粉症やアレルギーとして一気に出てきてしまうので、この時季は、体を温めながら消化力も上げて、カパを溜めない過ごし方が大切ということです。
消化力が落ちないよう、これらのお料理で体の中から温めて快適に冬を過ごし、清々しく春を迎える準備をしておきましょう。