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八支則のヤマ – うまくいかない時にこそ思い返したい5つの心得

八支則のヤマは、やってはいけない禁戒を定めたもの。道徳的な5つの心得です。現代社会でこれらを守ることは難しいかもしれませんが、解釈によってとても大切な考えであることにも気づけます。一生懸命、努力しても報われない、何かうまくいかないと思った時、読み返してみると良いかもしれません。

さて、先日の記事から八支則を取り上げていますが、八支則の1段階目、ヤマについて見ていきます。

「ヨーガスートラ」では、日常生活の中で行ってはいけない、以下の5つの心得が挙げられています。行動ばかりではなく、発言の内容や思考など、生活の隅々まで含まれます。「ヨーガ・スートラ」に記載のある通りに見ていくだけでなく、現代的な解釈を交えてご紹介していきます。

八支則1.ヤマ(Yama)/ 禁戒

1. アヒンサー(Ahimsa)/ 非暴力、不殺生

生きとし生けるものへの哀れみの念や、思いやり。

これは行動、言葉、精神面、思考など、全てにおいて言えます。他者や自分に暴力をふるってはいけない。決して無理はせずに、自らの体をいたわることも含まれます。

2. サティヤ(Satya)/ 正直、誠実

真実に忠実であること。

会話の際に嘘をつかないことはもちろん、行動や考えること、そして意図することにおいても、常に誠実に生きることです。ヨガにおいては、その日の体調などを見極めて、無理にポーズを深めるなど、肉体的な限界を無理矢理、越そうとしないことです。

3. アスティヤ(Asteya)/ 不盗

他人の物、時間、信頼、権利、利益などを盗んだり、うらやむ心を持たないこと。

これは約束の時間に遅れたり、行列に割り込んだり、相手の話をさえぎってしゃべり出したりするのも他人の時間を奪ったことになります。身の程に合わない品々への欲求は抑え、ものごとに執着しない状態でいることでもあります。

4. ブラフマチャリヤ(Brahmacharya)/ 禁欲、梵行

エネルギーの無駄使いをしないこと。五感の赴くままに生きるのではなく、必要なところにエネルギーを集中させること。情欲を満たそうとする心を節制すること。

ヨガはもともと男性のものでした。そのため昔は、性欲にエネルギーを注ぐのなら、ヨガにエネルギーを使うようにと言われていましたが、今日では、浮ついた気持ちや打算からではなく、愛情を礎として、愛の確認や生命を育むために性へのエネルギーを使うこと、と解釈されています。

5. アパリグラハ(Aparigraha)/ 不貪

貪らないこと。次から次へと湧き起こる欲望に身を任せない、何かを過剰に所有しない。

つまり、本当に必要なものだけを手にすること、程度を超えた欲を持たないということです。独占欲を抑えることでもあります。過剰に所有すると、執着がわいて、それを失うことへの恐れと怒りと嫉妬を生み、幸福を手に入れるのが難しくなります。

「何を所有しているか」ではなく、「自分がどんな人間か」を見ていくと、自分の内側に幸せを見出せるようになるかもしれません。今以上に多くを望む前に、いま手元にある空気、食べ物、友人、体、生きる糧となる書物などを時間をかけて見つめ直すことも大切です。

上手に取り入れ日常の糧に

どれも心得として素晴らしいもの。ですが、現代でこれを完璧に実践するのは難しいかもしれません。

ただ、なんとなく実感できるのではないでしょうか。例えば、一つ目の対人の非暴力は理解しやすいです。しかし全ての生き物と考えた場合、、蚊などパシっとすることも含まれるとしたら??そのまま受け取ってしまうと大変難しいと思います。

しかし、これは自分と他人への思いやりということでは?つまり、どんな対象にでも思いやりをもって接する、もっと言えば、愛のこと。

誠実と不盗はわかりやすくもありますが、意外と難しいもの。自分と相手との約束を守る、ということに尽きるのではないでしょうか。いつまでに何をする、相手との小さな約束こそ守る、ということこそ難しいですものね。

四つ目、五つ目も同様に、あなた自身で解釈があると思います。いずれにしても、完璧に考えるのは難しいですが、心得として現代社会でも通じるものであることがわかります。

うまくいかないときや、忙しいときこそ、一呼吸おいて読み返すと、ハッとさせられるのでは?

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八支則1のヤマ – うまくいかない時にこそ思い返したい5つの心得

八支則のヤマは、やってはいけない禁戒を定めたもの。道徳的な5つの心得です。現代社会でこれらを守ることは難しいかもしれませんが、解釈によってとても大切な考えであることにも気づけます。

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早坂 理恵

早坂理恵 | Rie Hayasaka / Mangala Arati。女優。8歳でデビュー。演技の勉強を始めて間も無く、NHK朝の連続テレビ小説のキャストに選ばれる。18歳で上京し数々の現場で経験を積む中、持病である心臓の病と比較的新しい「脳脊髄液減少症」を発症。芸能活動を休止。現在、復帰したものの今もなお治療中。プライベートではヨガをライフワークとし、水素美容分野での活動(「水素美容のひみつ」著者)。全米ヨガアライアンス RYT500, RPYT(マタニティヨガ), RCYT(キッズ), シニアヨガインストラクター / アシュタンガヨガインストラクター / フィジカルトレーニングインストラクター / Yoga Ed. PI1・PI2修了 Yoga Ed. エデュケーター / 国際食学士 / マクロビオティックセラピスト / アーユルヴェーダベーシック / アンチエイジングアドバイザー / 健康美肌指導士 / 美肌食マイスター など複数の資格を有すなど、心と身体の真の健康をテーマに活動を行っている。