瞑想

マインドフルネス瞑想 – 日常に取り入れやすいシンプルな瞑想法

前回に引き続き、シヴァナンダヨガの正式指導者、サラスワティ先生にお話を伺います。今回は瞑想について。特に、昨今話題のマインドフルネス瞑想について先生の考えを聞きながら、瞑想がもたらしてくれる効果や可能性について理解を深めます。


GUEST:サラスワティ先生

シヴァナンダヨガ正式指導者として活躍するインストラクター。ヨガに関する深い知識探求と実践を通し、多くの人々へヨガを伝えるため、ヨガ教育に情熱を燃やす。

 

 


HOST: 早坂理恵

ヨガをライフワークとする女優であり、TULAの企画や方向性を決めるDirector。「私たちの真の健康は、社会と自分の調和こそが秘訣であること。そしてそれらは外から獲得できるものではなく、内からもたらされるもの。」と意識を強くし、ヨガだけでなくアーユルヴェーダやマクロビオティックなど食事面からも真の健康を考える。

早坂理恵について


セルフコントロール術としてのマインドフルネス瞑想

早坂: 今回からは瞑想を少しクローズアップしたいと思います。と言いますのは、ヨガとは別のムーブメントとして、マインドフルネスが盛んですよね。

科学的に効果が実証され、医療や教育、さらにはシリコンバレー、GoogleのSearch Inside YourselfプログラムやFacebookを中心としたIT企業においてストレス低減のための研修として活用されています。そのため、日本においてもかなり注目されていますが、サラスワティ先生はこの状況をどう見ていますか?

サラスワティ先生:古来から伝えられてきた瞑想が科学的に実証され、多くの場面や多くの人々に活用されて良い変化を生みだしていることはとても感慨深いですね。瞑想を行う人がさらに増えれば、社会は良い方向へ繋がると考えるからです。

これは近年のヨガ普及にも言えますが、現代の複雑な環境の中で、自己統治力、セルフケア、セルフコントロールといった術を身につけることは、よりよく生きるために必要だと考えます。また、実はこれらは本来、一人一人が既に持ってる能力で、身につけるというよりも、思い出す作業をしているとも言えますけどね。

瞑想の入り口として最適なマインドフルネス瞑想

早坂:先生から前回にもお話がありましたが、外的なアプローチで得るリラックスな状態は束の間に終わってしまいます。しかし、瞑想は自己の内から心の平穏をもたらしますよね。

OLや主婦といった女性は特に仕事や育児のストレスをお持ちで、ご本人にとっては本当に辛いもののはず。また男性も仕事のストレスを家庭で発散するわけにもいかず、このような社会的な状況は本当に危険だと思うのです。

外的なアプローチによるリラックスももちろんいいのですが、内面からのアプローチであるマインドフルネス瞑想は身近で使えますし、お金もかかりません。ストレス低減のための個人スキルとして普及することはとても良いことですよね。

サラスワティ先生は、マインドフルネス瞑想をいつ頃知りましたか?

サラスワティ先生:実はマインドフルネスは知らぬ間に私の元にも届いていました。最近気づいたのですが、今から7年前のことです。当時の私は主にヨガの瞑想を実践していましたが、瞑想法は実に多くの種類がありますので、時折ヨガ以外の瞑想法も実践していました。

そんな中、ドイツ人哲学者で、禅者でもある著者の本を読んでおり、「意識を今に向けるため」のいくつかの瞑想を知りました。その中の一つに「呼吸を観察する瞑想」があり、著者はマインドフルネスとは言っていないものの、その時から既に世界はマインドフルネスの方向へ進んでいたんですね。

その瞑想法は、とても分かり易かったので、私はヨガ指導の際、この瞑想法を入り口として取り入れていたんです。

マインドフルネス瞑想のシンプルさが、一般に広がる上での鍵

早坂:なるほど。発展した社会である一方、ストレスとどう向き合うのかという社会的な課題があるからこそ、世界がマインドフルネス瞑想へと傾いたのは必然だったのかもしれません。マインドフルネス瞑想に関する書籍などを読むと非常にわかりやすいですし、瞑想の効果に関するエッセンスが詰まっていますね。

瞑想が個人スキルとして一般に広く受け入れられるためには科学的なエビデンスに立脚すると同時に、分かりやすさが大切だと思います。そうした意味でマインドフルネス瞑想の期待は大きいですよね。

サラスワティ先生:その通りですね。瞑想の記述がある古来からのヨガの聖典や経典は、はっきりいって難解で、ヨガ歴2年、3年といえど、その難解さに挫けてしまう人も少なくないと聞きます。大切な哲学を維持しながらも、その時代時代に合わせて解説がなされるべきですね。

私は、瞑想や哲学などを、運良くスワミから人の声で直接指導を受けたので、心身に浸透しやすかったのですが、もし経典を読み、文字を頭に入れる作業だけだったらなかなか厳しかったように思います。

その昔は、師からの口伝継承であったはずですし、まだ理解しやすかったのかもしれません。そんな難解な経典は特別な興味がなければ一般の理解は非常に難しい。

そこで現代的にシンプルになった瞑想法としてマインドフルネスが登場したのですから、その解説と普及はセンセーショナルだったのではないでしょうか。

瞑想は教えられない、方法を伝えること

早坂:瞑想を指導する上でサラスワティ先生が気をつけていることなどはありますか?

サラスワティ先生:私は「瞑想は教えられない、なぜなら睡眠と同じだからだ」と私はシヴァナンダから学びました。だから「瞑想を教えない」ということではなく、本当の意味としては、私たちにできることは「瞑想の方法を伝えること」という意味です。

瞑想は一人一人の旅があるからです。TULAさんのロゴの下にも書かれていますが、まさに、”Jouney of the self.To the self.”であり、それは自分探求の旅なのです。

早坂:確かにそうですね。瞑想は、日々の荒波から自分を遠ざけて、忘れている自分と向き合う作業で、深い自己の内観こそが目的です。これまで蓄積してきた感情や経験は一人一人違うはずで、決まりきった瞑想はないのかもしれません。それぞれ異なった感情を持つ人たちが適切に自己の内観を進められるよう、そのプロセスを伝えることが大切ですね。


次回は、さらに瞑想について掘り下げます。特にのマインドフルネス瞑想の効果とヨガの瞑想の効果に関する共通点などへと話を進んでいきます…。本インタビューの更新はいくつかの記事更新の後となりますが、ぜひ、楽しみにしていてください。

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サラスワティ先生と学ぶマインドフルネス瞑想と呼吸法

2016年2月27日、東京にてマインドフルネス瞑想と呼吸法を実践的に学ぶイベントが開催されます!ストレス低減のほか、リラクゼーション、そして集中力/生産性の向上などの効果を期待できる瞑想と呼吸法を、自分で使えるようにするための実践的な講座です。

短時間で実践、観察を繰り返すことで心と体で理解しますので、あなたも日常的に瞑想と呼吸法のテクニックをセルフケアとして活用できるようになる超実践講座です。

参加・チケット購入に関して


シヴァナンダヨガ サラスワティ先生に聞くヨガと瞑想を知る旅

第一回目:シヴァナンダで学んだ自己統治としてのヨガ

第二回目:マインドフルネス瞑想 – 日常に取り入れやすいシンプルな瞑想法

第三回目:マインドフルネスとヨガ – 共通点から見る瞑想の効果と可能性

第四回目:スタジオヨガから一歩深めるには?上達のポイントは瞑想と呼吸の統合にあり

第五回目:マインドフルネス瞑想と呼吸法で集中とリラックスを切り替える

第六回目(完):ヨガのアーサナ・瞑想・呼吸法、どう選びどう活かす?

Yu Staff

最初はサーフィンのために始めたヨガですが、ヨガから、ワークアウトや食事、呼吸法、瞑想など、もっぱら人間の脳、身体と心の繋がりへの興味が尽きない。最近はビジネス書よりもこれらをテーマにしたノンフィクションばかり読んでいます。