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ストレス解消は呼吸から – 吐く息と腹式呼吸を意識しよう

ストレスはヨガの呼吸法と腹式呼吸で解消できます。自律神経の働きと呼吸は深い関係にあり、腹式呼吸に代表される深く、ゆっくりとした呼吸で副交感神経を優位にさせることができます。今日は知る人ぞ知るヨガの達人、チャック先生こと村井千晶さんにお話をお聞きし、呼吸で意識すべきポイントについて具体的に教えていただいています。

チャック先生のインストラクションに曖昧さ、抽象さはありません。長い歴史を持つからこそ、非科学的で危険な説明になりかねないアーサナのインストラクションを、現代の解剖学の観点から丁寧に説明してくれます。分からないこと1を聞けば10を教えてくれる。しかも、”超”がつくほど分かりやすいのです。

気さくなチャック先生と早坂は、ストレスに対するヨガの可能性や呼吸法などについて語り、そして、チャック先生からはヨガ初心者の方でもできる朝できるアーサナなどを教えてもらっています。

今回は、まず呼吸の大切さやポイントについてお話を聞いています。


GUEST:チャック先生(村井千晶さん)

3歳より豊島和子、服部明子にモダンバレエを師事。9歳より数多くのコンクールで入賞。海外公演にも多数出演。この頃からヨーガを始める。20歳でロンドン・ラバンセンター留学しISP取得。

22歳、全米ヨーガアライアンスRYT200取得。23歳、イシュタヨーガTT取得。その後、先駆的ホットヨガスタジオにて基本プログラム作成を担当し、インストラクター養成に当たる。振り付け師、ダンサーとして舞台で活躍する一方ダンス教師としても活躍。


HOST: 早坂理恵

ヨガをライフワークとする女優であり、TULAの企画や方向性を決めるDirector。「私たちの真の健康は、社会と自分の調和こそが秘訣であること。そしてそれらは外から獲得できるものではなく、内からもたらされるもの。」と意識を強くし、ヨガだけでなくアーユルヴェーダやマクロビオティックなど食事面からも真の健康を考える。

早坂理恵について


10歳からヨガを始め、22歳でヨガが生きることと繋がった

早坂: まず、先生とヨガの関わり、ヨガに出会って変わった価値観や考え方があればぜひ共有してください。

チャック先生:10歳の頃に、母親が読む週刊誌の後ろの広告で、「身長が伸びるヨガ講座」というのを見つけて、受けたい!!と思ったところから始まりました。(笑)その頃受けていたヨガは、ポーズを取る、体を動かすだけのヨガでした。

22歳の頃にヨガの哲学に触れるきっかけがあり、生きることがヨガと繋がった…。自分自身がどうやって生きるかということを、ヨーガスートラやバガヴァットギーターなど、ヨガ哲学を通して学びました。幼い頃に出会ったヨガを、こんなに長く続けるとは全く思っていなかったです。

ストレスに対する呼吸法やヨガの効果はとても大きい

早坂:最近は、スタジオでヨガに取り組む人が増えていて、とても良いことですよね。私自身もそうでしたが、現代人は仕事や人間関係に多くの悩みを抱えています。そうした意味でスタジオに限られているヨガの機会を、もっと増やすことが、こうした人々の役に立つと思うのです。

チャック先生:実際に、沢山ポーズを取って、「ヨガをやった!」という気持ちになられる方も多いので、通常のスタジオレッスンでは時間を取って哲学を教えることが中々できませんが、現代社会は精神に起因する病がとても多いですよね。

例えば、電車の中で過呼吸になって、仕事に行けなくなってしまった方がいて、ヨガを指導させていただいたことがあります。呼吸を通じて自律神経を整えることができますから、その方には呼吸法で自分をどのようにコントロールするかを伝えていきました。

その後、無事に社会復帰されている姿を見て、現代の人々に対するヨガの効果や役割が大きいと実感しています。

早坂:確かに呼吸法は効果的ですよね。ヨガの呼吸法もそうですが女性、特に仕事でストレスを抱えるOLの方々や子育てで忙しい毎日を送る主婦の方々が、ヨガを日常に取り入れることで得られることはどのようなものでしょうか?

チャック先生:ストレスとどう向き合うのか、どうやってストレスを発散していくのか、これらを解消する一つの方法としてヨガがあると思います。体を動かすだけではなく、呼吸法などを使って、体のケアとともに、心のケアもできるのがヨガですね。

“ため息”に見る、呼吸の大切さ

早坂:一方で、ヨガを日常に取り入れようとすると、まだハードルがあるのではないかと思います。ヨガをより身近に取り入れるために、何から始めたら良いのでしょうか?

チャック先生:日常に無理なく取り入れていく上で、最初は呼吸を意識することをお勧めします。西洋の考え方では、どちらかというと吸う息を意識しますが、ヨガでは吐く息がとても大事です。

吐く息の大切さを理解する上で”ため息”がわかりやすいかもしれません。ため息は良くないというイメージがありますが、ため息を吐く時の身体の動きを観察してみると、横隔膜は上がり、次の瞬間、今度は自然と息を吸い込もうとしています。

早坂:確かに、体の構造上、横隔膜が上がると、次は無意識に横隔膜が下がろうとするので息を吸い込みますね。そう考えると、ため息こそ、呼吸を意識できるチャンスかもしれませんね。

ストレス解消には、吐く息と腹式呼吸を意識する

チャック先生:そうですね。無理に息を“吸う、吸う、吸う”、と「得よう」とするのではなく、まずは自分の中のいらないものを、呼吸と一緒に「吐き出して」みる。すると体にスペースができ、必然的に空いたスペースには新しいものが入ってきます。

自分のメモリを見て、取り入れるばかりではなく、いらないものがあったら一度吐き出してみる、排出するといいですよ。

さらに腹式呼吸を意識してみるといいです。腹式呼吸は副交感神経を優位にしますので、お腹まで意識するような深い呼吸は、リラックス効果をもたらすのです。

早坂:ストレスを感じると肋間筋が縮みやすいなど、肋間筋はストレスに関係していると言われていますものね。腹式呼吸で肋間筋を緩めて、呼吸をしやすくするということは、より深い呼吸ができるようになるということですよね。深い呼吸ができると、自律神経も整い、リラックスできるということですね。

有難うございます。


今回は、呼吸の大切さを改めて感じさせてくれたインタビューでした。次回は、身体の動かし方に意識を向けていきたいと思います。更新をお楽しみに!


TULA Yogini Interview
Chiaki Murai a.k.a CHACK

経験豊かなヨギーニで、全米ヨガアライアンス認定ヨガインストラクター養成スクールで主任講師として活躍するチャック先生こと、村井千晶さん。OLや主婦の方などヨガ未経験な女性でもストレスを解消するちょっとしたコツやTipsをお聞きしています。

第一回:ストレス解消は呼吸から – 吐く息と腹式呼吸を意識しよう

第二回:憂鬱な気分を即解消 – ヨガ未経験でもできる効果的な4つのポーズ


ヨガの呼吸法についてもっと詳しく

TULAでは以下の記事でヨガの呼吸法について取り上げています。本記事とともに以下をご覧いただくことでヨガの呼吸法をもっと理解いただけると思いますので是非ご一読ください。

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  1. 自律神経の乱れをリセット – 8つのヨガ呼吸法とポーズでセルフケア
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  4. 八支則4のプラーナヤーマ – 呼吸の力
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  1. ストレス解消に効くヨガ呼吸法 – 吐く息と腹式呼吸を意識しよう
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Yu Staff

最初はサーフィンのために始めたヨガですが、ヨガから、ワークアウトや食事、呼吸法、瞑想など、もっぱら人間の脳、身体と心の繋がりへの興味が尽きない。最近はビジネス書よりもこれらをテーマにしたノンフィクションばかり読んでいます。