願望実現

アーユルヴェーダ – サットヴァを高めて人生をナチュラルに

完璧な人間など存在しません。誰もが純粋な選択ができればいいですが、惰性との間で揺れて選択を繰り返していると言えます。アーユルヴェーダの目的の一つとして純粋性であるサットヴァを高めることがあります。サットヴァを高めればストレスは消え、自然に、創造的で健康な選択ができるようになります。

前回、グナと心の関係についてお話ししました。また、その心にはアーユルヴェーダでは、3つの性質である、

  1. タマス(惰性・停滞性)
  2. ラジャス(動性・激性)
  3. サットヴァ(純粋性)

これらのバランスに触れ、サットヴァを高める食事をオススメしましたね。今回は、もう少しグナのそれぞれの性質を深堀しながら、サットヴァを高める理由について考えていきたいと思っています。

私たちの気質や道徳的性格は3つのグナの割合で説明できる

UnsplashBrett Jordanが撮影した写真

アーユルヴェーダでは食事だけではなく、どんな状況においても、これらの3つの性質が働いていると考えます。今回は3つの性質を人に当てはめることで、もう少しイメージしやすくしましょう。

サットヴァは、進化し、前進し、進歩する力

一般的に、サットヴァ的な人は進歩することを好み、創造的で生命を支持するような健康的な行動のみを好む人。愛情深く、純粋で、容易に自己実現することができます。

タマスはサットヴァの正反対で停滞あるいは後退する力

タマス的な人は、同じ状態、環境にとどまろうとして、行動することを好みません。利己的、自己中心的とも見られ、現状維持で同じことの繰り返しを好み、新しい考えを受け入れがたいと考える頑固な伝統主義者でもあります。

ラジャスは活動を命令する中立的な力

この2つ性質の間にラジャスがあります。ラジャス的な人は心が絶えず動いており、短気で衝動的な傾向があります。行動することを好み、さまざまな形で外に向かって活動する人です。つまり、ビジネスや富、力、名声、地位などに関心がある傾向があり、外交的で勇敢、エネルギッシュな人です。

勘違いしてはいけないのは、上記の3つの性格にどれかに当てはまるというものではなく、私たちは誰もが3つの性格・性質を持っており、これらのバランスは外的な要因や時間、季節でも変わるということです。

私たちは純粋と惰性の間で常にゆれている

UnsplashBrendan Churchが撮影した写真

では、あなたが今ストレスフルな状態にあるとしたら、どのように意識すべきでしょうか?ここで意識すべきことは、まずタマス的、ラジャス的な食事をやめ、サットヴァに富む食事に切り替えるということです。

例えばダイエットに励む方がいたとします。これ以上食べると体によくないと思いながら、ついつい、「やっぱり明日から頑張ることにしよう。」と考え直して食べてしまう。これはタマスのなせる業です。

しかしある時、「やはりこのままではだめだ!本来の自分に戻ろう!」と決意し、またダイエットに励もうとします。これはサットヴァの力が働いたということです。そしてここで、今までの悪い習慣を続けるのか、変えていこうとするのか、その選択を駆り立てたのがラジャスの力というわけです。ダイエットだけでなく禁酒、禁煙なども同じことです。

これらの3つの心のグナ(性質)の移り変わりは誰にでもあり、それぞれのグナが、どの割合でバランスしているかによって、その人の気質や、心理的、道徳的性格が分かれてきます。

サットヴァを高めれば人生の質も高まる

UnsplashEthan Elisaraが撮影した写真

つまり、生きていく上で大切なのは、心身ともにサットヴァの質をより高めていくことです。サットヴァ的な人は、欲求も健康的で自然な欲求だからです。

私たちが持つ多くのストレスは、自身をとりまく、周囲の言動や環境からくるものです。そしてそれらのストレスの多くは、自身の「自己重要感」を乱された時に芽生えます。つまり逆を言うと、「自己重要感」が満たされた時に、人はようやくさまざまなストレスから解放されるわけです。

サットヴァの性質が増えれば、人から指摘されたり、自分で意識して努力しなくても、自然に、創造的で健康な選択ができるようになります。しかし、サットヴァの性質が減り、ストレスなどの心理的なアーマ(毒素)が増えると、不健康で歪んだ欲求を抱くようになってしまうのです。

アーユルヴェーダでサットヴァを高めよう

Photo by Nghia Le on Unsplash

私たちの心と体が密接につながっていることは、ヨガと姿勢の記事で詳しく解説していますが、アーユルヴェーダも、まさに心と体のつながりを重視した代替医療。サットヴァのようなマインドを常日頃から意識し自分の仲で醸成していくことも大切ですが、食事を通じて体からアプローチすることができます。


参考記事:アーユルヴェーダの食事 – ラサとグナが心身に及ぼす影響と食材の選び方


アーユルヴェーダの目的のひとつは、いかにサットヴァの質を高めていくかです。私たちが生まれ持った本来の性質、“本質”は、みな同様に、サットヴァなのです。

さまざまな環境や経験によって歪められた不健康な欲求の奥には、誰もがみな健康的で純粋な愛情や、容易に自己表現できる創造的な欲求があるということです。サットヴァの性質が高まったとき、人は誰に惑わされるでもなく、健全な選択ができるようになります。心は軽く明晰になり、心身ともに真の健康を歩むことができるのです。

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  1. アーユルヴェーダの食事 – ラサとグナが心身に及ぼす影響と食材の選び方
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早坂 理恵

早坂理恵 | Rie Hayasaka / Mangala Arati。女優。8歳でデビュー。演技の勉強を始めて間も無く、NHK朝の連続テレビ小説のキャストに選ばれる。18歳で上京し数々の現場で経験を積む中、持病である心臓の病と比較的新しい「脳脊髄液減少症」を発症。芸能活動を休止。現在、復帰したものの今もなお治療中。プライベートではヨガをライフワークとし、水素美容分野での活動(「水素美容のひみつ」著者)。全米ヨガアライアンス RYT500, RPYT(マタニティヨガ), RCYT(キッズ), シニアヨガインストラクター / アシュタンガヨガインストラクター / フィジカルトレーニングインストラクター / Yoga Ed. PI1・PI2修了 Yoga Ed. エデュケーター / 国際食学士 / マクロビオティックセラピスト / アーユルヴェーダベーシック / アンチエイジングアドバイザー / 健康美肌指導士 / 美肌食マイスター など複数の資格を有すなど、心と身体の真の健康をテーマに活動を行っている。