仕事を持っている人でも、同僚や友人、家族、私たちは関わりの中で生き、どんなに親しい仲でもより良い関係を築いていくことはあなたの人生を豊かにする上でとても大切です。普段、当たり前すぎてないがしろにしがちな人との接し方ですが、こうした人間関係にも悩んでいる方は多いと思います。
上記、いずれも他人や相手に解決を求めていませんか？
ハッとした人にこそ、紹介したいヨガの大切な考え方、サーダナー（sadhana）をご紹介します。
サーダナー(sadhana)とは、人生の実践、練習、何かを達成する、という意味を持っています。ヨガでは毎日のプラクティスのことを言うのですが、単に練習する、繰り返すのではなく、日常(off the mat)にも当てはめて考えられる深いものなのです。
例えば日常で自分がやることのすべての一部となっているもの（例えば、歩く、電車に乗る、友人と食事する、など）どの瞬間も1番良い形で自分を表現するよう意識を働かせ、一瞬一瞬過ごしている状態のことを言います。
これがなぜ相手との関係を築く上で大切なのか？
私の経験でもありますが、子育てを例とすると分かりやすいかもしれません。
子育ては、毎日一定のことを繰り返しますよね。赤ちゃんの時期なら授乳、寝かしつけ、沐浴など。幼児期になってくると毎日の食事はもちろんのこと、規則正しく生活させることにも気を配ります。
それらを繰り返していくと、うまくいかないこと、知らないことが出てきます。それを解決するために本を読んだり、祖母や友人にアドバイスを受けたりして子育てと自分のやり方に理解と知識を深めます。そうすることで、子どもとの関係を深めることも可能になり、子どももそれに応えてくれるようになります。
もちろん、そこで終わりではありません。この過程を何度も何度も何度も繰り返し、新しい方法を見つけたり、今ある方法をより深めていく作業の繰り返しです。そうしていくうちに、母親としての潜在力が目を覚まし始めます。
例えば、姉妹でケンカをしている時に、互いが気持ちよく仲直りできるようになだめるなど、自分だけができる方法です。そうすることにより、子ども達もまた謝ることを覚え、人との関わり方を考え始めます。
つまり、繰り返しの作業の中でも自分の潜在力が高まっていることに気づけますよね。自分の潜在力が大きくなるほどに、相手が何かを達成するために、手助けできる力がついてきているわけです。
話をヨガに戻しましょう。ヨガする理由は健康維持のため、ダイエットのため、またはスピリットのため。それぞれ様々にあると思います。
例えば、健康維持のためならもう少し深く掘り下げてみてください。
肩こりがひどい、腰痛がひどい、それらをどのように改善したいかによって、とるアーサナ、できるアーサナ、またはできないアーサナが見えてきます。それが分かればそれらをしっかり組み立て、毎日の練習に活かします。
もし、スタジオに通っているなら身体のことを指導してくれる先生に伝えることで、先生の助けにもなります。生徒が怪我をしないように指導でき、先生の知識や経験を高めることができるからです。
あなたの一瞬を大切にする意識が、結果的に、このように与えて受け取る、という関係が築けるわけです。
普段の生活とマットの上での例を挙げさせていただきましたが、サーダナーとは、一瞬一瞬、自分を1番良いかたちで表現するために、自分がやることの全てをいつも深く考え、どのようにすれば自分にとって、関わる人やものにとって、与えて受け取る相互の関係を築けるのかを体系的に組み立てます。そしてそれをこの生涯を終えるまで実践、練習し続けることなのです。
気が遠くなる作業のように思えますが、私たちは既にそれを経験しています。
赤ちゃんは、寝返りをうったり歩くことを常に考え、体験し学んで、達成しています。
私たちは忘れているだけなのです。
新しい潜在力に出会える喜びや新鮮な気持ちは、生まれ変わったような視点で世界を見ることができる、この上ない贈り物となるでしょう。
知らないことがあることは幸せなこと、懸命に考え行動する中により良い人間関係構築の種があるのです。