ボディ

男性の皆さん!気にしてますか?健康と不調

見ない振りしてませんか?体調の変化

電車が来た!

そんなとき、その電車に間に合うように階段を駆け上がりますか?それとも、「次でいいや」とゆっくりエスカレーターに乗りますか?電車に間に合うように駆け上がる派のあなた、電車に駆け込んだ後の息切れ、足の疲れ方、「前よりしんどい…」と感じることはありませんか?

毎日付き合っていると気づかないものですが、よく思い返してみると「何か変だぞ」という心身の変化に気づくことがあります。

「疲れやすくなった」「前よりやる気がでない」という気持ちの不調、「夜中何度も起きる」「食欲がない、体重が減ってきてる」、逆に「お腹回りが気になってきた」という身体的不調まで、よくよく思い返してみたら「そんなことあるかも…」という男性の皆さま、多いのではないでしょうか?

女性と同様に男性にも確実に現れる体調の変化

女性に更年期があるように、男性だって、年齢とともに体調の変化くらい出てくるもの。それは、そうでしょう。でも、それらの変化に自覚はありましたか?

女性は、自分の体型の変化、体調の変化にとても敏感です。体重が1kg2kg減った増えた、ほうれい線がはっきりしてきた等々、ハタからみたら「変わってませんけど」と思う範囲まで敏感に感じ取っているのが女性です。

そんな、変化に過敏な女性と違い、不調や変化を「見なかったことにしよう」と、蓋をしてしまいがちな傾向にあるのが男性です。

これは、ダイエット、毎月の生理、妊娠・出産、更年期など、日々、自身の体調に向き合わざるを得ない諸々が女性にあることも一因ですが、男性と女性のメンタリティの違いが原因でもあるのです。

「負け」を認めたくない男性のメンタリティ

男性は「老いや不調を認めたくない」傾向にあります。これは、男性ホルモンの代表であるテストステロンの仕業。勝つことで増えるホルモンがテストステロンなので、男性は本能的に戦い、勝利することを求めているといえます。

「老いや不調を認めること」すなわち「負けを認めること」になり、つい目を反らしてしまいがちになるのですね。

さらに、今までの教育背景が「男が弱音を吐くのはカッコ悪い」「男は黙って我慢」の性質を作り出してしまっています。

「男は強くあれ!」

といっても、人間だもの。

不調もある、愚痴もある、弱音も吐きたくなる。むしろ、男性は女性よりもストレスに弱いという特性もあるのです。

ストレス実験のいろいろなデータからも、女性ホルモンの代表であるエストロゲンがある方がストレス耐性が強いという結果が出ています。加えて、女性の方が男性よりもストレス発散が上手なのです。友人がいればおしゃべりをして、一人ならオシャレなものを買ったり、美味しいデザートを買ったりして、いろいろな方法で器用にストレスを発散しています。

さらに、女性には「Seeking Help(助けを求める)」という行動が多いという特徴があります。素直に自分の不調を認め、「最近眠れないのですが、睡眠薬を飲んだ方がいいですか?」と言えてしまうのが女性。対して、それを隠してお酒で誤魔化したりしてしまうが男性です。

現状の把握は家族、友人から

前述の通り、男性は自身の症状を過小評価したり、隠したりしがち。では、正しい現状を把握するにはどうしたら良いのか?

家族(奥さん)や親しい友人に確認することです。

「最近イライラしているようだ」「口調や態度が以前と違う」という自分では気づきにくい変化を家族や友人が教えてくれるでしょう。家族ならさらに「よく眠れてないようだ」「疲れているようで、帰宅したらお風呂も入らずに寝てしまう」など、生活の中のことも教えてくれるかもしれません。

これは、悪い症状がでているときばかりでなく、症状が回復してる場合も同じこと。男性は完全主義の方が多いので、よっぽど症状が改善しないと「良くなった」とは思わない傾向にあります。でも、他者からみたら「顔色が良くなった」「以前より仕事が楽しそう」など、ちょっとした改善の兆しが見えたりするもの。

「自分のことは自分が一番分かってる」

なんていうのは大きな勘違い。むしろ、灯台下暗しで、「自分のことは自分が一番見えてない」のです。

そう心得て、積極的に家族と、周囲とコミュニケーションをとって情報収集するようにしてみてはいかがでしょうか!?

とはいえ、このコミュニケーションすら面倒くさい、と思ってしまうのが男性だったりもするもの。特にコミュニケーションを得意としない男性にとっては煩わしいでしょうが、これは自分の健康維持のみならず、人間関係を希薄にしないという効果もうみだします。正に一石二鳥‼︎ 頑張りすぎて自分の首を閉めない程度に、少しずつ取り組んでみると良いと思いますよ。

5年、10年前の自分の体の変化に向き合おう

これらはあくまで「傾向」の話ですので、全ての男性に当てはまるとは限りません。ただ、ご自身の中に、もしくはご自身のお父さん、ご主人、彼氏、思い浮かべてみると「あるある」と思うこともあったのではないでしょうか?

心身の病気を防ぎ、不調に立ち向かうにはまず、

「自分の体に向き合い、素直になること」

体重や血圧など、具体的に数字で確認することからでも良いと思います。ここ5年、10年のご自身の心と体の変化にしっかり向き合ってみませんか?

自分では把握しづらかったら、ご家族や親しい友人とお話してみてください。自分では気づかなかった変化や不調が隠れているかも知れません。大きな病気になってから大騒ぎするのを防ぐには、自分をよく観察し、自分に素直になること。

そして、観察した結果、不調に気づいたら包み隠さず、素直にお医者さんや周囲の方に相談することです。

はじめは抵抗があるかも知れませんが、しんどい自分を認めて、「しんどいんだ!」と声に出して吐き出してみると、それだけでも存外すっきりするものですよ。

次回もまた、男性の健康と不調に着目してお話をしたいと思います。


参考文献: 男もつらいよ!男性更年期  石蔵文信著

角田 友佳

フィットネスインストラクター。フィットネスクラブのトレーナーとして運動指導に従事していた際に、スタジオプログラムの有用性を感じ、ヨガ、ピラティスの指導者資格を取得。インストラクターとしてデビュー。 その後、キックボクササイズ、zumbaなどの有酸素運動のプログラム、東洋医学の知恵を取り入れた、気功、太極拳の資格を取得し、フリーのインストラクターとして独立。 現在はヨガインストラクター養成にも携わり、幅広い年代に対して運動指導をしてきた経験をいかしてシニアヨガ、学生時代から携わっていた子どもの学習指導、野外活動での経験からキッズヨガのインストラクター養成などに力を注いでいる。