6月21日は国連が制定した「国際ヨガデー」。私も台湾の国際ヨガデーに参加してきました。台湾でもヨガが浸透していることに驚くとともに、世界への広がりと平和の手段としてヨガが発展している様子も伺えました。
2014年12月11日。国連によって、毎年6月21日を「国際ヨガデー」として制定されました。
国内でも、あらゆるヨガスタジオやヨガインストラクターが、国際ヨガデーにちなんで各地でヨガイベントを開催されていたので、なんとなくご存知の方もいらっしゃるかもしれません。ところが実は、「国際ヨガデー」は、まだ先日の6月21日に2回目を迎えたばかり。世界各地での活動もこれから注目が高まっていくであろう、ヨガ界の中では比較的まだ新しいニュースなのです。
国際ヨガデーとは?
「国際ヨガデー」は、2011年にアートオブリビング 創設者、シュリ・シュリ・ラヴィ・シャンカールの呼びかけのもと、インド国内の各ヨガ団体から申請され、ヨガ発祥の国、インドのナレンドラ・モディ首相の尽力によって、日本政府を含む共同提案国177ヶ国の賛同を得て、約3年の月日を経て国連で採択されました。
“すべての生命を育む太陽のエネルギー”が最も高いとされる夏至の時期に…、ということから、「国際ヨガデー」を毎年6月21日に定め、この日は世界中でヨガを楽しみ、体・心・社会の健康を育む日と呼びかけられています。
制定されてからの最も早いイベントの開催は、なんと時差の関係で世界の中でも日本が一番手となり、2015年の日本でのイベントは大変な注目を浴びました。この年はインドをはじめ、NYのタイムズスクエアで約3万人が参加するなど、アメリカの100都市、ヨーロッパ、中南米、中東、アジアなど、192カ国の地域や宗教を超えて、世界中で行われました。
今年、2016年も、日本ではインド大使館の後援のもと、岩手、神奈川、東京、山梨、富山、石川、愛知、神戸市、大阪、広島、沖縄でヨガイベントが開催されました。
台湾でもアツい、国際ヨガデー
私は日本の開催より少し前に行われた、台湾での国際ヨガイベントに参加してきました。会場は台北駅にある大きな広場、國立中正紀念堂。
「自由廣場」と書かれた門をくぐると、オレンジと白のヨガウェアを身にまとった団体が、「オーム」と唱え、「2016國際瑜伽日」と書かれた大きなステージを前に、一斉に瞑想や太陽礼拝を行っていました。この廣場では、国際ヨガのこの日だけではなく、毎朝ヨガや太極拳などを行っている人がたくさんおられるようで、朝6時がピークだそうです。
この日の“ドレスコード”である、オレンジ色の記念Tシャツは完売していたのですが、ヨガマットを貸してくださるスタッフさんがいらっしゃり、私も太陽礼拝から参加することができました。
朝6時半から朝8時までシークエンスを繰り返したので、恐らく太陽礼拝を108回行ったのではないかと思います。 途中、インストラクターから応援の声が入り、全員でさらにやる気を出して、最後には隣の人とハグして太陽礼拝を終えることができました。
早朝から清々しく気持ちのよい汗が流れ、ヨガによって繋がる一期一会の出会いに、ハグに、心が温かく、穏やかな気持ちになりました。 ここに集まった全ての人と、同じように、同じ場所でまたヨガができることはなく、全ての出来事は、「いま、ここ」にあるものなのだと、ヨガそのものの意味も感じた、とても貴重な体験となりました。
こちらからこの日の様子を見ることができます。
2016 慶祝國際瑜伽日 空拍
こちらのページでは世界各地の国際ヨガデーのイベントの様子が一部アップされています。
国連が認めた平和の手段としてのヨガ
各メディアでは、ヨガが国連が認めるほどにまで世界的になったことを受け、「ヨガは単にポーズをとるだけではなく、ストレスを取り除き、心身全体の健康を育むものとしての共通認識が高まったことにあるのではないか?」とコメントしています。
2014年9月に行われた国連総会でのモディ首相は、「ヨガは平和な社会をつくるための最適の手段。ヨガは身体のバランスを整えるためのただの運動ではなく、自身とこの世界や自然との調和を発見させてくれる、貴重な贈り物である。」と呼びかけられ、世界的な規模でますますヨガの存在が高まってきています。
世界的な文化として益々発展しそうなヨガ
この「国際ヨガデー」制定を含め、インド政府のヨガによる世界的な文化戦略からは目が離せません。インド政府は、国際ヨガの日制定の前年である2014年11月に、保健省の一部であった「AYUSH」を、アーユルヴェーダやヨガを管轄する省庁として独立した省へと格上げしました。
さらに、2015年9月2日付けの「THE HINDU」によると、国際ヨガの日制定に続き、インドのユニオンスポーツ省は、ヨガをスポーツとみなし、「競技ヨガ」を振興して競技会や世界選手権を実施し、最終的にはヨガをオリンピック競技にする!と、ヨガをより強力に世界に広めようと働きかけています。
今後も世界中で勢いを増していくであろう「国際ヨガデー」。
早くも来年のイベントが待たれます。