人生で華麗に踊るためには? 一見、難解そうなヨガの神話ですが、解釈によって生き方のヒントがたくさん詰まっています。今日はヨガの神話に出てくるシヴァ・ナタラージャに華麗に生きていくための知恵を見ていきます!
ヨガの神話には神様がたくさん登場しますが、その中でも特に有名な《シヴァ・ナタラージャ》について今回はご紹介します。私がヨガを深めていく上で、シヴァ・ナタラージャについて学んでから人生の一連の流れについて、とても納得することができました。
そんなことを考えながら読み進めてみてください。
シヴァ・ナタラージャとは?
シヴァ・ナタラージャ = 宇宙の主、踊り子の王様、縁起の良いもの
という意味を持っています。
この絵に象徴されている5つの活動を総称してpanca-krtya(パンチャ-クリトゥヤ)と言います。シヴァが行うことで、神聖な活動という意味になります。その5つの活動を一つずつ見ていきましょう。
1. srsti/スリシュティ=出現・放出
これは右手のドラムを持っている手が象徴されています。このドラムのことをdamaru/ダマルといいます。
2. sthiti/スティティ=維持する
これは、手のひらが前に向いている右手に象徴されています。この手のことをabhaya mudra/アバヤ・ムドゥラーといいます。
3. samhara/サムハーラ=溶解
これは、火を持っている左手に象徴されています。この火のことをagni/アグニといいます。
4. tirobhava/ティローバーヴァ=陰徳
これはシヴァの足元にいる小鬼です。この小鬼はapasmara-purusa/アパスマラ-プルシャ=無知を象徴していましす。
5. anugraha/アヌグラハ=グレース(恵み)
これはシヴァの、上がった脚を象徴しています。この脚をkuncita pada/クンチタ パーダといいます。
※studio BiNDUでマーク・シュヴェイマ師によるTTCの学びから抜粋
さて、この意味を文面だけで受け取ってもなかなかわかりにくいと思います。しかし、この絵一つで、たくさんのものごとや人生に例えることができます。
華麗なダンスを踊るような人生
さて、ここからはこの象徴にそって私が解釈した人の一生に当てはめて解説していきます。
出現して人生を歩み始める
人はまず最初にこの世にsrsti=出現します。そして、誰かにとってこの世になくてはならない存在になり、成長し、様々な経験をして自分自身が安定感を持つ存在になっていきます。そしてシヴァが奏でるドラムのリズムのように、人生のリズムを自分自身で築いていきます。
維持しながら人生を学ぶ
そのリズムをsthiti=維持するために、人は何かに必ず取り組んでいます。ごはんを食べること、家族や友人と関わること、仕事に取り組むこと、学ぶこと。おそれることなく、人生に取り組むためにたくさんの経験や知識がそれを支えます。
情熱を高く持てば、次のステップへ溶解する
しかし、ものごとは一定のリズムをずっと刻むことはできません。創り上げたものがあっけなく崩れることもあれば、いい方向に形を変えることもあります。どんな状況でも意識はagni=火を保ち続けることが必要です。
やがてその火にsamhara=溶解され、次へ向かうためにひと休みする時期があります。このひと休みする象徴がシヴァの足元の小鬼です。この小鬼は無知を象徴していて、その無知が出てこないよう、シヴァが上に乗っています。
陰徳を持ち続け、恵みを得る
私は、ここで意識を持ち続けることが特に重要だと思います。何かが終わる時、私たちはそのもの自体を忘れてしまうことがあります。ひとつの出来事で受け取ったこと、感じたこと、成功や失敗の経験は次の出来事へ繋ぐ大切な道しるべとなります。いかにtirobhava=陰徳を積んでいくことができるかで、次のanugraha=恵みを引き寄せるかが決まってくるのです。
より高く脚を上げて、華麗なダンスを踊れるように、そのダンスを見た人にさえ恵みを与えられるような人生をこのシヴァ・ナタラージャは象徴しているのです。
あなたはこの人生でどんなダンスを踊りたいですか?