物事がうまく進まない自分をいやになることはあります。なぜ、自分はこうなんだろうと責めていませんか?しかし、今の自分はこれまでの経験から得た悲しみや苦しみが形作った自分であり、本来の自分(真我)とは違います。自分を責める前にすべきことがあります。
誰だって、本当の自分、真我は見えなくなる
心身のバランスを整えるヨガと付き合っていく上で、”心”はとても重要な考え方。本当の自分、生粋の自分は”真我”といい、ヨガでは、”ブラフマン”や”アートマン”などとも言われます。しかし、真我を知ることは日常生活では難しいとされています。
確かに少し考えてみればわかること。
私たちは会社や学校、家族、恋人など社会において様々なグループの中で生活しています。個々のグループは、一人では成り立たないわけで、必ず自分とは異なる他人が存在します。他人との関わりの中で自分の役割が無意識に存在し、互いに役割に応えることが要求されるわけです。
そして生きていく中で、憂しいことや幸せなことばかりでないはずです。怒られた苦い思い出、出会いや別れ、裏切られたつらい思い出、悲しみなど。。実に様々な経験から得た感情が蓄積されていきます。
このような日常的に続く様々な経験と蓄積されていく感情の中で、本当の自分がどこにあるのかわからなくなるのは当たり前。うまくいかない自分にうんざりと考えるのは、何もあなただけではありません。
真我は心の奥底に隠れており、想念帯が曇らせる
ヨガの考え方で重要な”真我”(本当の自分)は、複数の意識の奥に存在すると考えられています。真我は中央に位置し、その周りには、生まれた時から様々に蓄積されてきた記憶の集合体である潜在意識が存在します。この潜在意識は無意識ともいい、現在、思い出せない記憶で大部分を占めます。そして表面には現在、あなたが思い出せる記憶の集合体である顕在意識が存在しています。
そして、潜在意識と顕在意識の間に、想念帯と呼ばれるネガティブな感情が集まったフィルターが存在するのです。これまで蓄積された心の傷が強ければ強いほど、想念帯の曇りが強くなり真我に届きにくくなるというということです。
うまくいかない自分を嘆く前に、まずは真我を見つめよう
ヨガの考え方からすれば、うまくいかない自分を嘆き、自分を責めるようなことそのものがナンセンスと言えますよね。だって、今感じている自分、見ている自分は、想念帯が曇らせた表面的な自分であり、本当の自分は奥に隠れているとされるのですから。うまくいかない自分を責める前に、まずは本当の自分の声を聞くのが先決です。
実は、ヨガの目的が、”自己の気づき”と言われるのは、まさに真我に到達することを意味するのです。ヨガにおける瞑想法や呼吸法は、自己を客観視するために自分の変化に気づくところから始めますが、真我に到達するための方法なのです。
想念帯を晴らし、心を浄化するには呼吸法と瞑想が効果的
「呼吸を通じて自律神経に働きかける」と説明しましたが、緊張を緩和し、リラックスした状態を作り出すことは可能です。呼吸法と瞑想を通し、リラックスした状態で自己を観察し、悲しみや辛い思い出や物事と向き合っていくのです。大切なのは客観的に捉えること。そして心を徐々に幸せを感じている状態へ向かわせることができるのです。
日常的にヨガに取り組むことは、まさに心を浄化し本当の自分を保つこととも言えます。何事にも左右されず、自分が向かうべき道が見えるはずですよ。